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「ガソリンが1L10円は違う」底値の鬼になるための節約の極意

プレジデントオンライン / 2020年10月5日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Ivan Bajic

※本稿は、荻原博子『コロナに負けない! 荻原博子の家計引きしめ術』(毎日新聞出版)の一部を再編集したものです。

■秋から冬にかけて「家計がヤバい」

今回の新型コロナウイルスによる経済的被害は、リーマンショックでの不況を上回るといわれています。また、今年の秋から冬にかけては、新型コロナウイルスのさらなる大きな波が家計を襲うともいわれます。

それだけに、「今はなんとかなっている」というご家庭でも、もしかしたら、リストラボーナスカット給与カットなどということが起きてくるかもしれません。しかも、再び新型コロナウイルスが蔓延すると、またまた自宅待機になりかねず、そうなると食費や光熱費など、日常生活にかかる消費も増えていくでしょう。

また実は、新型コロナウイルスでは、現役世代のご家庭だけでなく、すでにリタイアした高齢家庭の家計も直撃します。

なぜなら、現在の年金支給額は現役の方の給料と連動していて、給料が下がれば年金支給額も下がるようになっているからです。しかも、高齢者の場合、感染には特に注意を払わなければならないため、これまで電車やバスで移動していたものをタクシーに変えるなどして、余計なお金がかかりやすいのです。

■収入を増やすより、支出を減らすのが急務

来る「家計の冬」への備えとして必要なのは、今の収入が2割減ったとしてもなんとか耐えられる強靭な家計にしておくことです。

荻原博子『コロナに負けない! 荻原博子の家計引きしめ術』(毎日新聞出版)
荻原博子『コロナに負けない! 荻原博子の家計引きしめ術』(毎日新聞出版)

これまでは、家計が大変なら、足りない分は妻がパートに行ったり、子供がアルバイトをしたりすれば、なんとかやっていけました。けれど、今はパートもアルバイトも、事業の縮小などで整理される方向にあり、一部で仕事の奪い合いも起きています。

ですから、この先の数年間は「家計の収入を増やす」ではなく、「いかに支出を小さくするか」に徹しましょう

小さな見直しでも、チリも積もれば山となる。現在の生活費の2割カットを目標に、家計を細かく見ていきましょう。本稿では、そのため4つのコツをお教えしましょう。

■1日1000円生活で「底値の鬼」になる

あらかじめ1カ月の食費を決めて、それ以上使わないことにすれば、節約効果は上がります。これにゲーム感覚でチャレンジしてみましょう。

たとえば、月々の食費が4万円なら、主食用に1万円取っておき、残りの3万円をおかず用とし、全部1000円札に両替します。そして、毎日1000円ずつ財布に入れていく。

買い物に行く時には、必ずその財布を持って行きましょう。そして、財布に入っているお金の範囲で、おかずの材料を買うようにします。

1日1000円というのは、節約初心者には厳しい金額ですが、「修行」だと思って1カ月続ければ、驚くほどの「買い物上手」になること請け合いです。

財布の中の1000円で家族みんなを満足させる食事を作らなくてはならないとなれば、チラシ広告を見たり、他の店と価格を比べたりしながら、真剣にモノの値段を検討するようになるからです。

この「1日1000円生活」を1カ月も続けられたら、買い物では向かうところ敵なし。さらに1カ月後には、1000円でもお釣りが出るようになる“底値の鬼”になること請け合いです。

■消費の「クセ」を直せば、無駄は減る

何気なく身についている買い物の「クセ」が、実は無駄遣いのもとになっています。

たとえば、家に帰る途中に何気なく寄るコンビニエンスストア。「これを買わなくては」というモノはないのに、なんとなく入って、なんとなく買い物をする。

コンビニでの1人当たりの平均購入価格は、500円台だそうです。仮に、週に2回立ち寄ったとしたら、月にして4000円台になり、年間5万円を超えてしまいます。

自動販売機も、なんとなく使う人が多い。水筒にお茶などを入れて持ち歩けばタダなのに、1日に1回、自動販売機でコーヒーを買えば、年間約4万円の出費に。

いつも、なんとなくテレビをつけていて、時には消し忘れて家を出るといった人は、電気代の無駄。買い溜めも、やっては行けないクセの1つで、本人は節約のつもりでしょうが、ストックがたくさんあれば、ついつい無駄に使ってしまいがちです。

本当に身につけなくてはいけないのは、目の前のモノが、「必要か/不必要か」を的確に判断する習慣です。これがあれば、ダラダラ続けている悪習慣を、すっぱり断ち切ることができるはずです。

■家計カットには「家族の連携プレー」が重要

節約、家計カットを成功させる秘訣は、「家族全員で取り組むこと」です。

妻がエアコンの温度をこまめに調節しているのに、夫が冷蔵庫を開けっぱなしにするようなご家庭では、節約は進みません。

たとえば、スーパーでの買い物も、家族みんなで協力して。最近は、複数のスーパーの特売チラシが見られるインターネットサイトなどもあります(「トクバイ」など)。こうしたサイトを参考にすれば、近所のスーパーの特売品がわかるだけでなく、家族の通勤途中にあるスーパーで安く売っているものもわかります。家族にメールして、必要なら帰りがけに買ってきてもらうというような連携プレーで、安い買い物ができます。

車のガソリンも、今は安いガソリンスタンドがどこにあるかがすぐにわかるガソリスタンド比較サイト(「gogo.gs」など)があります。もし家族の誰かが、安いガソリンスタンドの近くに行く用事があればついでに立ち寄り、ガソリンを満タンにしてくる。これだけで、1リッターにつき10円も違ってくるケースが。

価格低減の3Dレンダリング図
写真=iStock.com/-slav-
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/-slav-

風呂なども、家族が間をおかずに入れば、追い炊きが必要なくなります。あまりお金をかけずに作った節約レシピでも、揃って食べればおいしく味わえるでしょう。

■子供の教育費も、聖域にしないこと

もう1つ、家計の節約ではありませんが、支出を減らして家計を守るという観点で検討すべき重要な項目があります。「教育費」です。

「子供にかけるお金だけは削れない」と思っている親が多いようです。特に教育費は、絶対に削れないと思っているので、小さな頃から、さまざまな習い事をさせている。──けれど、それは本当に正解なのでしょうか?

独立行政法人国立青少年教育振興機構が、日本、アメリカ、中国、韓国の4カ国の高校生を対象に行ったアンケート(2015年8月発表)では、日本の親子関係は良好で、子供は家庭生活に満足しているが、社会との関わりを避けようとする「内向き」志向が見られます。

「頑張れば夢が叶う」「社会で高い地位に就きたい」「金持ちになりたい」などという意欲は4カ国中最低。そして、親の老後について「どんなことをしてでも自分で親の世話をしたい」と願う高校生の割合は、アメリカは51.9%、中国は87.7%なのに対し、日本は37.9%と、これまた低い。

これからの時代、大切なのは学歴よりも、社会に出てもたくましく、明るく、前向きに生きていける子供に育てること。また、子供の教育費は、高校、大学と進学していくにつれて、どんどん増えていきます。それなのに、小さなうちからお金をかけすぎていると、大きくなった時に資金不足で大学に行けなくなりますよ!

住宅ローン、生命保険など大きな家計見直しについては、『コロナに負けない! 荻原博子の家計引きしめ術』も参考にしてみてください。各家庭で「8割家計」にするための準備を進める。それがこれからの家計を守る極意です。

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荻原 博子(おぎわら・ひろこ)
経済ジャーナリスト
大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。家計経済のパイオニアとして、経済の仕組みを生活に根ざして平易に解説して活躍中。著書多数。

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(経済ジャーナリスト 荻原 博子)

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