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「夫が在宅だと余計にイライラ」妻を不機嫌にさせる"普通の夫"の行動パターン5

プレジデントオンライン / 2020年12月21日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

在宅勤務が普及し、夫婦が家で過ごす時間は増えている。そんな中、「夫との喧嘩が増えた」という相談が急増しているという。ライフコーチのボーク重子さんは「家にいる夫が家事育児をしないのは『ダメな人』だからではない。そこには、夫自身も気づいていない本当の問題がある」と指摘する――。

■「家事をしてくれない」vs「文句ばかり言われる」

10年近くライフコーチの仕事をしてきて感じるのは、コロナ禍で「夫との喧嘩が増えた」という妻からの相談が一気に増えたということです。

「夫婦共に在宅勤務なのに夫は勝手にリビングと寝室を仕事部屋にしてしまった。オンラインで学習中の小学生の子どもたちが邪魔しないようにするのに神経を使う。結果的に私は仕事をする場所がなくなり、子ども部屋で一緒にやっているから集中できない」
「夫が在宅勤務になって食事を1日3回用意したりと家事がすごく増えた。それなのに全然手伝ってくれない」

別に喧嘩をしたくてしているわけじゃない、と彼女たちは言います。でも夫は一日中家にいるのに家事育児を手伝ってくれない、大変なのにそれすら察してくれないから文句を言いたくなるのだと。これまでは離れている時間の方が長かったから見逃せたことも、忙しかったから無視していたことも、コロナ禍では妻からすれば夫の行動が嫌でも目につきます。

在宅勤務で妻と一緒に過ごす時間が増えた夫の皆さんのなかには、「妻に叱られる」「文句ばっかり言われる」「ちゃんと手伝ってるのに分かってもらえない」なんて思うことが増えた方も多いのではないかと思います。

サステナブルな夫婦関係をキープするためにはこれに対処することが必要ではないでしょうか。

■夫に宿る本当の問題に目を向ける

私がまず女性たちに言うのは「我慢しないのは偉い!」です。別に喧嘩がいいと言っているわけではありませんが、これまでの「母とは、妻とは、家庭がスムーズに運営されるようにあらゆる我慢をするものだ」という固定観念に反旗を翻す意味で重要だと思うからです。

女性の社会進出に伴い、従来の家庭のあり方では回っていかないことが多くなりました。それで喧嘩になるのですが、我慢を吐き出すだけでは不満の根本的解決にはなりません。

そこで私は女性の皆さんにもう1つのステップを紹介しています。それは女性の不満の原因となる、夫に宿る本当の問題に目を向けることです。

なぜ夫は勝手にリビングを仕事部屋にしたり、手伝わなくてもいいという「ご主人様」的な態度を取ったりするのか? それには夫本人も気がついていない理由があります。

妻がそれを知って、夫がそれに対処することがサステナブルな夫婦の鍵です。

■不満の原因は「ダメ夫だから」ではない

ここで夫の出番です。

実は妻をイライラさせるのは夫のあなたが「ダメ」でも「悪い」からでもありません。問題はあなたそのものではないのです。妻の不満の原因は、じつは夫が自分でも気がついていない「あること」にあります。そして、その「あること」に対処できるのは夫だけです。だから一緒にいる時間が増えたリモートワーク時代のサステナブルな夫婦の鍵を握っているのは、実は男性側なんです。

これはとても重要です。なぜなら人生100年時代は子どもが巣立っていった後に2人きりで過ごす時間がこれまで以上に長くなるからです。そのときに最高に仲良しの夫婦でいられるためにも、これからご紹介することを実践していただければと思います。

■妻を内心イラつかせている5つの言動

「家事育児を手伝ってくれない」「大変なのに察してくれない」と妻をイライラさせる原因は男性の「思い込み」(ステレオタイプ)にあります。

「思い込み」の一種であるステレオタイプとはある属性(男性・女性・人種など)に対する固定観念です。「男性」のステレオタイプには「強さ、論理的、稼ぐ、自己主張」などがあるかと思います。ステレオタイプが怖いのは、それに合わせようとしてその人の行動に実際に影響を与えてしまうことです。

「男性」のネガティブなステレオタイプには「女性に対して上から目線で偉そう」「家事育児はやらない」というご主人様のイメージがあります。そうして男性は自分でも気がつかないうちに、偉そうで家事育児をやらないご主人様のイメージに沿って行動してしまう人もいます。

■帰宅してすぐにテレビを見ていませんか?

例えばこんなことをしていませんか?

1.帰宅後すぐにテレビの前に座って自分時間をエンジョイする
妻は夫を労うもの。一家の大黒柱である自分は外で働き家族を養っている。だから家に帰ってきたらまずはテレビでも見てゆっくりするのは当たり前という態度。

2.「僕のご飯は?」「あれやっておいてくれた?」という発言
妻は夫のお世話をするもの。食事を始め、身の回りの世話、自分が快適に仕事をできる環境を作るのが有能な主婦の証し。だからお世話されて当たり前という態度。

3.子どもが病気になった時に当然のように自分の仕事を優先する
夫の仕事は重要だけど、妻がする仕事は大したことない。自分がいなくちゃ会社は回っていかないけど、妻は休んだってたかが知れている、という態度。

4.妻に相談なく大きな買い物をする
妻は与えられた家計費でやりくりするもの。自分が稼いできた金を思うように使って何が悪い。妻は何も知らなくて言われた通りにしていればいいという態度。

5.子育てに悩む妻の話を聞かない、聞いてるふり、わかったふりをする
ちゃんとしつけて教育もしっかりするのが母親の仕事。自分の仕事なんだからきちんとできて当たりまえ。自分で考えてよ。そんなことで煩わせないでほしいという態度。

キッチンでスマートウォッチを着けたまま、キュウリを切る男性の手元
写真=iStock.com/Yagi-Studio
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yagi-Studio

何の気なしにやっていることかと思います。ですが、実はこういう行動の一つひとつに「家事育児はやらない」「偉そう」なご主人様的な態度があります。自然と「男とはこうあるべき」を演じてしまっています。

■女性の生活が変われば、男性の役割も変わる

ステレオタイプの怖いところは、自分の気持ちや思いに関係なくそういう行動を取ってしまうことです。だから本当は「偉そう」でも「家事育児はやらない」でもないのに、「男性」を何の気なしに演じるためにそうなっている。

今は女性がふつうに社会で活躍することを求められる時代です。男女平等な考え方が前にも増して強くなっています。そんな中で夫が古い「男性」を演じているから妻はイラつくのかもしれません。

ボーク 重子『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』(文藝春秋)
ボーク 重子『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』(文藝春秋)

古い「男性」のどこが悪いのか、と思うかもしれません。「悪い」のではなく、女性の生活が変わり、男性に求めることが変わってきただけです。それは古い「男性」とはちょっと違っていると思うのです。

働く女性は7割を超えました。物理的に女性が従来通りに家事育児を1人でこなすのは無理になります。女性は自分が働けるようにもっと家事育児をやってくれる「男性」を求めています。お世話されるのを待つのではなく、できることは自分でやってほしいと思っています。

新著『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』でも書きましたが、経済力を持った女性は従来の我慢をしません。嫌なら結婚を解消します。そんな力を持った女性たちと生きていくのが今の男性たちです。だから夫が妻の変化に合わせて変わらなければ、夫婦のサステナブルな関係は夢のまた夢でしょう。

■お互いが納得する「魔法のひと言」

従来の「男性」を生きるのも1つの選択肢ですが、一億総活躍時代を生きる女性はもっと自己実現したいと思っています。だからこそ夫のご主人様のような態度にイラつくのです。サステナブルな関係を築きたかったら新しい「男性」を生きる選択肢もありかと思いますが、いかがでしょうか。

砂浜を手をつないで歩くシニア夫婦
写真=iStock.com/Jacob Ammentorp Lund
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Jacob Ammentorp Lund

最後に家事育児をもっとやってほしくて、大変さを察してほしい妻に対して最も効果的な言葉を共有したいと思います。この言葉には新しい「男性」に必要なことが詰まっています。

それは「僕の仕事は何?」

おそらくこれまでは「何か手伝うことある?」と言っていたと思います。でもこれは言った瞬間に家事育児は妻の仕事である、と限定するご主人様的な発言です。手伝ってもらう程度では妻の生活は回っていきません。もっとやってほしい、それも主体的に。

だからあえて「仕事」という言葉を使います。「仕事」と言った瞬間、それは自分の責任になります。自ら責任を求める主体性もあります。また「分担・役割」の意味も含みます。こうして平和にお互いが納得する家事育児の分担ができるようになります。

従来の「男性」を演じるのをやめ、「僕の仕事は何?」で自分らしい今時の「男性」を作り上げ、家事育児に積極的に参加し、ぜひとも妻に愛され感謝される夫になって在宅勤務時代のサステナブルな夫婦関係を築いてくださいね。鍵は夫が握っています。応援しています。

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ボーク 重子(ぼーく・しげこ)
ライフコーチ
ICF(国際コーチング連盟)会員ライフコーチ。ワシントンDC在住。英国で現代美術史の修士号を取得後、1998年渡米、出産。2004年にアジア現代アートギャラリーをオープン、2年後にトップギャラリーの仲間入りを果たしワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」として紹介される。現在は日米での講演会に加え「ボーク重子の非認知能力を育む子育てコーチング」を主宰。著書に『心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育「非認知能力」の育て方』(小学館)、『「全米最優秀女子高生」を育てた教育法 世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)等。

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(ライフコーチ ボーク 重子)

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