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精神科医Tomyに聞く、1年中ご機嫌でいられるストレス発散法の見つけ方

プレジデントオンライン / 2021年1月5日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kohei_hara

生活が大きく変わる中で、気付かぬうちにどうにもならない大きなストレスを抱えている人は少なくありません。もう、どうでもいいや! とやけくそになってしまったら、そこからどう立ち直ればいいのでしょうか。精神科医のTomy先生がストレス発散のコツを教えてくれます——。

※本稿は、精神科医Tomy『自分をもっと好きになる「自己肯定感」の育て方』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。

■やけくそになっているときの自分の落ち着かせ方

さて、今回のテーマはやけくそになっているとき。なんだかうまくいかないことが重なって、自分が嫌になって、もうどうでもいいや! と思うことはないかしら? こんなときどうしたらいいかを考えてみたいと思いますわ。

というわけで今回のお悩みはコチラ。

Tomy先生はじめまして。私は看護師をしている33歳の女性です。最近病棟が変わって、環境が一変。仲のよかった同期や先輩もいなくなり、仕事の勝手が違うのでなかなか段取りを覚えられません。
そこそこの年齢なのに、ずっと若い子たちよりも仕事ができずに本当に嫌になります。今日も大きなミスをして、こっぴどく怒られてしまいました。なんだかもう毎日が嫌になってしまいます。
休みにこれといってやることもなく、楽しい予定も特にありません。なんだかもう、どうでもいいや! という気分です。こういうときってどうしたらいいんでしょう。

■自分のご機嫌をとる方法を用意しておく

何もかもうまくいかず、いろいろ重なってやけくそになる、なんてことは誰にでも起きるものよ。こういうとき、一番大切なことは、自分で自分のご機嫌をとる方法を用意しておくことなのよ。簡単に言えばストレス発散なんだけどさ、時と場合によって適切なストレス発散方法が違うことってよくあるのよね。

まず、物理的に同じストレス発散ができない場合。「もう、嫌。ストレス発散したい」っていうのが休日の朝かもしれないけど、夜中かもしれないわけよ。自分のご機嫌をとる方法が洋服を買うことだとしたら、夜中に買いに行くことはできないわけじゃない?

あと精神的に同じストレス発散方法が有効じゃないとき。

たとえばさ、あるときは歌を歌うとスッキリするけど、あるときはジョギングしたほうがスッキリするかもしれない。人間って思うよりも気まぐれな生き物だから、いつも同じ方法でうまくいくとは限らないわ。いわゆる「気分じゃないの」っていう可能性も考えておいたほうがいい。

森の中で走っている女性
写真=iStock.com/Dmitry Belyaev
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Dmitry Belyaev

そうするといろんなシチュエーションで自分のご機嫌がとれるようになっておいたほうがいいというわけなのね。で、自分のご機嫌をとる方法だけど、これはやけくそじゃないとき、つまり冷静なときから探っておいたほうがいいの。それは、自分をわかっておくということ。

■自分を理解するための基本事項2つ

世の中には自分をわかるのが得意な人もいるんだけど、苦手な人もいるのよね。そういう人がもうやけくそになってどうにもならないときに「さあ自分のご機嫌をとろう」と思ってもどうしたらいいのかわからない可能性だって充分あるのよ。

では自分のことをわかるためのレッスンやってみましょう。ここで大切な基本事項は、

・頭でっかちにならずに、思いつくものはちょっとずつやってみる
・自分の気持ちが軽くなったのか重くなったのか観察する

の二つだけ。

■何をするにも腰が重い人

もうちょっと詳しく解説してみるわね。まず、前者について。誰かと遊ぶとき、こんな人いないかしら?

「海に行く?」
「えー、ちょっと日差しが強すぎない?」
「じゃあプール?」
「このあたりのプールって子どもで混み合ってそうだし」
「ショッピングモールに行くか」
「別に今わざわざ行かなくてもよくない?」
「んー、じゃあカラオケでも行く?」
「あまり歌いたい気分じゃないな。アタシそんなに歌わないから」「んー、じゃあどうしたい?」
「んー、特にやりたいことないなあ」

こういう人。こういう人ってすっごくもったいなあって思うのよね。いろいろやってみたら楽しいかもしれないのに、頭で考えすぎて「多分おもしろくない」って決めつけちゃっているのよね。

日差しは強くても海に行ったら楽しいかもしれない。プールもそう。ショッピングモールも友達と行くわけだからウインドウショッピングもずっと楽しくなるかもしれない。

カラオケだって勝手に「アタシ歌わないから」とか言ってるけど、思う存分歌ってみたことあるのかな? って思っちゃうわよね。「アタシは歌が好きじゃない」と思い込んで歌っていないケースだって充分考えられるわけで。

■足りないのは、「とりあえずやってみる」精神

言い方を変えれば食わず嫌いなのよね。まあ、ここで出した例は、友達と遊ぶときにこんなこと言ってるから極端に見えるけど、自分一人のことになると意外とこれぐらい食わず嫌いになる人いるのよ。

精神科医Tomy『自分をもっと好きになる「自己肯定感」の育て方』(マガジンハウス)
精神科医Tomy『自分をもっと好きになる「自己肯定感」の育て方』(マガジンハウス)

アテクシも最近料理にはまっているんだけど、実は最近まで料理なんてやったことなかったのよね。なぜかっていうと、アテクシが極めて不器用なのと、大昔パスタを作ろうとしたらレシピ見たのに大失敗した経験があるから。だから自分には料理は合わないんだって思い込んでたの。

でも食べるのは大好きだし、料理ができる人に憧れがあった。コロナであまり外出できないことも重なって試しに親子丼を作ってみたのよ。これが意外と簡単だったし、美味しくできた。さらに「あ、ちょっと水っぽかったかも。今度もっとツユ少なめにしよう」だとかいろいろ工夫したいなとも思えてきたのよ。

結局今では立派な趣味で、面倒くさいどころかストレス発散の一環として料理をつくるぐらいになったわ。これも「自分のご機嫌をとる方法」の一つよね。

思いついたらとりあえずやってみる。これはとっても大切な基本事項です。

■「自分の気持ちを観察」する

そしてもう一つの基本事項は、自分の気持ちが軽くなったのか重くなったのか、しっかり観察すること。世の中には自分の気持ちを観察することがおろそかになっちゃう人っているのよね。外部の刺激にとらわれて、自分の気持ちがどうなのか忘れてしまう人です。もうちょっとわかりやすくするために少し例を出してみるわね。

たとえば、ある人が自分の趣味として合唱団サークルに入ったとしましょう。歌は好きだから当然合唱団サークルも楽しいだろうと思って入ったわけよ。でもそのサークルは人間関係が面倒だし、いろんな雑用も多い。気がついたら、むしろストレスの元になっていたわけです。

こういうときに自分の気持ちを観察するのが得意な人は「あー、ここにいるとかえってストレスじゃん。やめよやめよ」となるんですが、これが苦手な人は「なんだか最近疲れるよなー」ぐらいで終わってしまう。

こういう人は、何か自分の行動を変えたら、それによって自分の気持ちがプラスに働いているのか、マイナスに働いているのかしっかり見てあげましょう。

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Tomy(とみー)
精神科医
1978年生まれ。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、産業医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。2019年6月から本格的に投稿を開始したTwitter『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』は、一瞬で心が癒やされると話題に。『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)、『人の好き嫌いなんていい加減なものよ。―他人に振り回されないためのTomy 流処世術』(KADOKAWA)など著書多数。

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(精神科医 Tomy)

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