こんなに違う、サステナブル意識の高い人の「モノの買い方」7つ
プレジデントオンライン / 2021年1月21日 11時15分
■日常の買い物にも意識改革が必要
1.「その場しのぎ」をやめる
「サステナビリティ」という言葉で表現されると、新しい取り組みのように感じるが、基本は「手持ちのものを大切に長く使う」という意識が重要。そのため、エコバッグを忘れるたびに出先で適当に買い足したり、「安いからいいや」とワンシーズンで使い捨てるつもりの服を買うことからは卒業したい。
どうせなら本当のお気に入りだけを買って、それを修理しながら長く使おう。環境が守られるだけでなく、自分の好きなものだけに囲まれて暮らす生活は何よりも豊かなもの。それはあなたのQOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上につながるだけでなく、心身ともに健やかな状態を保つことにもなるのだ。
2.コピー商品を避ける
コピー商品というと、ハイブランドの人気商品を安価につくり変えたような悪質なものを考えがちだが、それ以外にも世の中にはコピー……いわゆるパクリ商品がそこかしこに蔓延している。それは消費者の反響ばかりを重視して、他者のアイデアを盗み、原価をどれだけ安く削るかに特化したもののことだ。
粗悪な商品によっておしゃれ心を満たすのはやめて、きちんとクリエートされたものを購入しよう。そのためにはどこが元ネタなのか、オリジナルはどのようなものなのかなど、情報に強くなる必要があるが、それこそビジネスパーソンの腕の見せどころ。アイデアを出した人、それを形にした人にきちんと報酬が支払われるためには、私たち消費者も成熟する必要がある。
■選んだモノにお金を払う本当の意味を考えてみる
3.お金を払う=賛同しているという意識を持つ
あなたが今日何にお金を払ったかを振り返ってみよう。たとえばアフリカのある国でフェアトレードされたチョコレートを買ったら、あなたはその企業のあり方や生産方法に賛同していることになる。または、数少ない職人がつくった伝統工芸品をネットで購入したとしたら、あなたはその技術の継承を応援したことになる。
また一方で先に挙げたようなブランドのコピー商品を買えば、オリジナリティーを軽んじたことになるし、粗悪につくられたマスクを大量買いしたら、不誠実なモノづくりをしている会社に加担していることになるのだ。
お金を払う先は、自分が応援したい企業、継続してほしい分野のものを意識して選ぼう。それがサステナブルな未来を引き寄せることに直接つながる。
4.製造過程について知ってみる
いくら商品の質が高くても、安い賃金で長時間労働をさせられる人がいたり、正当な報酬を支払っていないものを購入してしまっては、生産者のサステナビリティが守られていないことになる。
これまでのエコやロハスなどの考え方からさらに進化したサステナブルな意識は、使う人・つくる人・売る人すべてが“三方良し”でなくてはならない。それこそがこの先の地球環境と人類が共存していける唯一の方法であり、ビジネスが健全に成長する条件ともいえる。
■買ったあとのことまで考えてみるのもサステナビリティのひとつ
5.「ゴミが出ない」を購入条件に入れてみる
日本は多くの商品がきちんと管理されていて、清潔なことでも知られている国だが、同時にプラスチックゴミの一人当たりの廃棄量は世界第2位。年間2万~6万トンが日本から海に流出していると推計されている。それにより海洋汚染や海に住む生物たちに悪影響を及ぼしていることは説明するまでもないが、言い換えれば私たちの快適な生活は、どこかの誰かが犠牲になった上に成り立っているとも考えられる。
スーパーなどで買うような、ビニールできれいに包装された野菜やフルーツ、パックに入った肉や魚などもいいが、時には「ゴミが出ない」買い物を意識してみよう。売れないもの、求められないものはいつしか淘汰されていく。だからこそ受け取る側の消費者も明確な意志を持つことが大切だ。
6.地産地消に貢献する
地産地消にはサステナブル的メリットがたくさんある。
まずは流通経費や環境負荷の軽減につながること。輸送距離が最小限に抑えられるため、排気ガスを減らすことに貢献ができる。さらには私たち消費者のニーズが生産者に伝わりやすいため、効率的な生産が期待でき、食品ロスなどのムダが省ける。
そして生産者と消費者が近くなれば、信頼感がうまれ、不ぞろいな商品や規格外のものなども安心して手にすることができるし、その土地ならではの伝統的な食文化について明るい人が増え、カルチャーを受け継ぐことにもつながる。やがてそれらは食育にもなり、皆にとって快適なサステナビリティを後押ししてくれるのだ。
7.シェアを選択肢に入れてみる
服、家具、車……以前は持つことが豊かさの象徴とされ、所有することがステータスでもあったこれらのものたちを、今はシェアすることもひとつとされている。もちろん購入することが悪いわけではなく、ライフスタイルに合わせてシェアをするのも“アリ”と自由に選択するのが今どきだ。
モノは確保するより有効に活用する時代。今の段階ではコロナで難しい点もあるが、近い未来の選択肢として心に留めておくのもオススメだ。
これら7つの項目に見られるように、自分が製品を産む側でなくても、意識を変えるだけでサステナブルな商品は自然と増え、快適かつ健全な生活をできる人が増えるはず。サステナブルは決して小難しいことではない。私たち一人ひとりが「上質な消費者」であることが、社会貢献そのものとなるのだ。
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フリーエディター/執筆家
新ファッションウェブマガジン「LIV,」主宰。女性ファッション誌のフリーエディターをしながら執筆家としても活動、いくつかの連載を掛け持ちする。現在今年いっぱいで終了する「ANNE MAGAZINE」のラスト講座の参加を募集中。大人の女性に役立つファッション・仕事・サステナブル・独自の人生哲学を発信するほか、パーソナルスタイリングやファッション講座などを定期的に開催している。
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(フリーエディター/執筆家 乙部 アン)
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