気持ちを込めずに「すごいですね」"とてつもなく面倒な人"から逃げ切る秘策4つ

プレジデントオンライン / 2021年2月15日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AntonioGuillem

どこの職場にも周りを困らせる「面倒くさい人」がいます。面倒くさい人には4タイプある、と言うのは精神科医で産業医としても活躍する井上智介先生。今回は、タイプ別面倒くさい人とのつき合い方を紹介します。これで職場の人間関係が少し楽になるはず――。

■職場にいる「面倒くさい人」4タイプ

僕たち産業医が受ける相談の中でも、職場の人間関係に関するものは多く、「こういう人が相手だと毎日面倒だろうな……」と思うようなケースもあります。面倒くさい人は大きく分けて4タイプあります。

(1)悪口や陰口を言う人
(2)マウントしてくる人
(3)無茶ぶりしてくる人
(4)責任を押しつけてくる人

それぞれのタイプの説明と対処法について説明していきましょう。

■なぜ、悪口や陰口を言うのか

一つ目のタイプは、まわりの人の悪口や陰口を言う人。特に若い人が、上司からその同僚の悪口や陰口を聞かされて巻き添えを食うというパターンをよく聞きます。下の立場からすると、悪口を言う人も言われる人も、同じような立場なので、どちらとも仲良くしたいのに、悪口に相づちを打たなきゃいけないとか、どっちの味方をしたらいいんだろうとか、そういうことを考えないといけないのが面倒くさいのです。

では彼らはなぜ、悪口や陰口を言うのでしょうか。じつは、自分はこれだけ苦しい思いをしているから、相手にも苦しい思いをさせるために、悪口で総合点を落しておく、そういった歪んだ正義感、変な平等意識の強い人が多いんです。そうやって相手を攻撃することで、自分の正当性を評価されたいし、自分と同じ位置まで下ろしたい、もしくはそれで自分が上にいきたいという感覚があるのです。

一番大切なのは、悪口や陰口を言う人に仲間と思われないこと。接する時間を極力短くして、二人きりにならないようにする。まともに対応して同調したと思われたら、仲間意識を持たれてしまうので、「へえ、そうなんですね」と一応、話を聞いている姿勢は見せつつ、興味のない返事をしておく。のらりくらりとかわすことが大切です。そんなふうに、うまく逃げ切って時間をかけて、そういう悪口や陰口にのってこない人、ということをわかってもらうしかありません。

■マウントしてくる人は心の底に劣等感がある

わかりやすいハラスメントではないけれど、言葉の端々で上から目線が垣間見える人は、面倒くさい存在です。

そもそも上から目線の人は、賞賛されないと自分の価値を見いだせない人。人から尊敬されたいとか、すごいと思われたいとか、そういう気持ちが強いけれど、心の底に劣等感や不安感があるから、いつも傷つけられるのを恐れていて、それが起こらないように相手を見下しておくということが心理的背景にあります。

上司の話に疲れた女性
写真=iStock.com/vm
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■気持ちを込めずに「すごいですね」

そういう人には、もう「すごいですね」と言っておくしかない。揚げ足をとるようなことを言うと激高します。ムダに相手の自己愛を傷つけると結局、火に油を注ぐだけなので、別の世界の人と思ってつきあう。ルールも価値観も違うので、どれだけこちらに正当性があっても通じません。ですから心の中では「残念な人だな」と思いながら、気持を込めず「あなたはすごい」と伝えるのが、いちばん丸くおさまる方法なのです。

「すごいですね」がきっかけで、関わりが深まってより面倒なことになるのは避けたいので、気持ちを込めずに言うことがポイントです。できることなら関わりをなるべく減らして、そういう人に関心を持たないこと。無関心でいること。向こうから話しかけられないように、「あいつは何を考えているかわからん」というぐらいの凛とした姿勢でいるのが正解です。

それぐらいの距離感でいないと、話しかけられて、長い話を聞かされることになり、それこそ面倒くさいですよ。それでも話しかけられたら「次に約束がありますから」と話をさっさとうまく切り上げられるように時間設定をする。そういう心がまえでいると、うっかり話しかけられても気持ちが楽です。

■無茶ぶりにはイエス・ノー答えてはいけない

上司に無茶ぶりばかりしてくる人がいて、残業が多くなったり、休みがなくなったりして困るという声もよく聞きます。これも面倒くさい人のひとつのタイプですね。

無茶ぶりされたときは、現状を伝えて代替案を提出するのがベストです。無茶ぶりする人は、マイペースで相手の忙しさや状況を考えられない想像力のない人。相手が何を求めているかわからない人なので、クライアントを怒らせたり、もめたりすることもあります。だからといって、頼みを断ると雰囲気が悪くなるので、代替案を出すのです。

たとえば「今日の午後からA社で企画の打ち合わせをしてきて」と突然言われたら、「B社との打ち合わせの準備があって、今は行けませんが、来週の水曜日なら行けます」と返します。実際には断ってはいるけれど、こちらの代替案でどうですかと提案をしているわけです。そうしたら上司が「それなら行かなくていい」とか「来週でもいいから行って」というふうに言うでしょう。重要なのは自分ではなく、上司にジャッジさせること。無茶ぶりされても、すぐにイエスかノーで答えないということです。

■手柄を横取りし、責任を押しつけてくる人への2つの対応

何があっても責任をとらない人がいます。こういう人は、そもそも思考法が他罰的。常に自分は悪くなくて相手が悪いと考えています。プライドが高く、自分のミスを認めることができません。ですからミスをしたときの責任は負わないけれど、自分がうまくいったときは責任を負う。結局、自分の都合が全てなのです。

うまくいけば手柄をとられ、うまくいかなければ責任を押しつけられる。この最悪な事態は避けたいところです。

こういう人と仕事をするときは、“責任の所在”を明らかにしておきましょう。その方法は2つ。

ひとつは何らかの指示を受けて、それがもし違うなと思ったら、自分の意見をはっきりと伝えること。それでも相手が、その意見を汲まずに進めてうまくいかなければ、こちらは意見をきちんと伝えたことを主張できて、上司に責任が発生します。こういうケースは、なるべく他の人も巻き込んで、チームで連携をとりながらできるとよいですね。

もうひとつは、あえて指示待ち人間でいること。指示を受けてから動くことで「言われたとおりにやりました」というスタンスをとり、うまく責任だけを押しつけられないようにします。あえて指示待ち人間になることは、こうした面倒くさい人にはアリなのです。

以上、4つのタイプの面倒くさい人の共通点は、自己愛が強くて他罰的、そして想像力がないことでしょうか。その背景には承認欲求の満たされなさがあるのかもしれません。面倒くさい人に出会ったら、とにかくできるだけ接する時間を短くすること。じょうずに距離をとってつき合うことが、何よりも大切なことです。

同時に、うっかり自分も面倒くさい人にならないように、日々注意したいものです。

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井上 智介(いのうえ・ともすけ)
産業医・精神科医
島根大学医学部を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急科・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び、2年間の臨床研修を修了。その後は、産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医として毎月約30社を訪問。精神科医・健診医としての経験も活かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動している。また、精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務

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(産業医・精神科医 井上 智介 構成=池田純子)

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