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コンサル母が本気で考えた「娘を塾に通わせるべきコマ数」の算出法

プレジデントオンライン / 2021年4月7日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hakase_

子供の中学受験では親のサポートが欠かせないと言われる。人材育成コンサルタントの清水久三子さんはフルタイムで仕事をしながら娘の中学受験を成功させた。どこまで子供の面倒をみたのか。そのノウハウを紹介しよう――。

※本稿は、清水久三子『働くママの成功する中学受験』(世界文化社)の一部を再編集したものです。

■塾なしでの中学受験プロジェクトは難しい

さあ、いよいよ中学受験プロジェクトのキックオフです。プロジェクトはまずはチーム作りからはじまります。チームにおける存在として大きいのはやはり塾です。カリキュラム、定期的なテストの仕組み、学校情報などが完全にシステム化された塾なしで中学受験プロジェクトを考えるのは難しいでしょう。

大手から中堅、個人塾、個別指導など形態はいろいろありますが、おすすめなのはやはりSAPIX、日能研、早稲田アカデミー、四谷大塚の4つの大手塾です(以下イニシャルで表記)。

合格実績、通塾のしやすさ、進度、宿題の量、塾弁があるかどうかなど選定基準はいろいろあり、エリアによっても状況は異なると思いますが、自分なりに何を重視するかを決めてから選びましょう。

■相性が悪い場合に備えて、3年生の途中で入塾

私が重要視したのは、①わが子の性格に合うかどうか、②通いやすいか、③親がサポートできるかという点です。

娘はのんびり屋でマイペースなのと、くり返し学習が多いと飽きやすいため、S塾や体育会系でくり返し学習が多いW塾は向いていないと判断しました。大量のプリント管理が難しそうというのもS塾にしなかった理由です。

最終的には、詰め込みやくり返しではなく、振り返りをしっかりと行う学習スタイルと通いやすさからN塾にしました。本格的な受験カリキュラムになる4年生で入塾した段階で相性が悪いことがわかると、塾選びが振り出しに戻ってしまうので、3年生の途中から入塾しました。3年間の塾費用は大手4塾では200万〜300万円といわれています。

転塾となると経済的にも子どもにも負担になるので、判断基準を決めてからリサーチしましょう。

やってみよう!
子どもが通塾する時間帯に現地を訪れ、無理なく通えるかアクセスをCHECK!

■✕「母親との二人三脚」○「チームでサポート」

小学生の受験は多くの方の支えがなくては乗り切れません。母親との二人三脚では共倒れになるリスクがあります。子どもを取り巻く受験サポートのチームメンバーを決めたら、その関係性を強固なものにしていきましょう。

* 父親:当初は関与が少なかったのですが、大きな方向性を示す存在ではありました。学校説明会に行く、算数の難問を一緒に解くなど徐々に関与をふやし、巻き込んでいきました。

* 母親:統括マネージャー。勉強、スケジュール、体調、メンタルなど総合的にPDCAの仕組みを作り、見守る役割です。

* 塾の先生:プロとして指導をしてもらう存在。鬼コーチ的な先生や笑いあふれる授業をしてくれる先生など厳しくも温かく、学びを深めてくれる存在です。くわしくは後述しますが、塾の先生との関係作りはチーム力を高めるうえでとても重要です。

* 個別指導の先生:苦手を得意にしてもらう役割です。各塾の個性を把握したうえでの指導も大変役立ちました。娘にとっては信頼できるパーソナルコーチのような存在。

* 学校の先生:学力だけでなく社会生活を送るための人間形成を育む不可欠な存在です。受験が近づくとどの子も疲れやストレスがたまってきますが、厳しくも温かくご指導いただきました。受験への理解もあり親子ともに励ましていただきました。

手を挙げる小学生たち
写真=iStock.com/paylessimages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/paylessimages

* 学校の友だち:将来の仕事を約束して励まし合うなどよい友人に恵まれ、勉強にも意欲が見出せました。受験期間中楽しく過ごせたことでストレス発散になりました。

* 塾の友だち:同志として刺激を受け、一緒に頑張る存在。

* ママ友・パパ友:お互い同じ悩みや情報を共有し合う存在。

* 先輩ママ友・パパ友:先に受験を終えた先輩親子はアドバイザー的存在。

やってみよう!
わが子を取り巻くチームメンバーとその役割を考えてみましょう。

■親は徐々に勉強への関与をへらしていくのが理想的

前項でチームの大きな役割を決めましたが、子どもの勉強をどう見るかは中学受験において、とくに働いている親にとってはとても大きな問題です。『下剋上受験』(桜井信一著)のように、塾に通わず100%親が教えるのは到底難しいにしても、授業で理解できていないところを教えたり、宿題を見たり、テストの振り返りをしたりするなど、仕事を持っているとどこまで見てあげられるのかと不安になるところです。

イメージとしては、自転車の練習のように、はじめは補助輪付きで、徐々に一人で自律的に勉強できるように勉強への関与をへらしていくとよいと思います。4年生では宿題を一緒に見てあげてわからないところを教えながら得意不得意を把握し、5年生くらいからはわからないところは塾で質問して解決してくるようにするなど、徐々に勉強への関与はへらしていくとよいでしょう。そもそも、「親にいわれたから勉強する」という姿勢ではやはり難関校受験は厳しいと思われます。

■PDCAで全体を把握しつつ、個別指導を利用

わが家の場合、私が社会の暗記を手伝ったり、歴史の流れを説明したり、夫が算数の立体図形の難問を教えるなど手分けをしました。5〜6年生になると私自身はPDCAを回すサポート役に徹し、塾以外での苦手科目の克服や志望校対策などは個別指導の先生にお任せしました。ただし、親が仕事のように管理するのは厳禁です。あくまでも子供が自律的に回せるようサポートするのがポイントです。

PDCAを描く手
写真=iStock.com/JoyImage
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/JoyImage

後述しますが、科目を決めて個別指導という選択肢を検討してみてもよいと思います。忙しいからといって塾に丸投げ、まったく勉強を見ないというのでは、わが子がどこまで理解しているのかが把握できませんし、大変さに寄り添えなくなるので、PDCAで全体に目を配りつつ、関わるところと外部に任せるところを考えてみましょう。

やってみよう!
だれが勉強を見る(=教える)のか、どの範囲を見るのか、関与する方針を決めておきましょう。

■親が教えるなら予習や準備は必須

私は塾講師をしていた経験があり、国語や社会は予習なく教えられますが、算数と理科はきちんと解法を予習して理解してからでないと教えるのに時間がかかる問題も意外とありました。とくに算数は難易度が大きく上がっていますので、4年生の勉強は教えられても、学年が上がるにつれ時間がかかるようになってきました。

そんなときに最難関校に進学した子の先輩ママ友から「自分で勉強を見るのは非効率。親がいってもなかなか聞かないことも個別指導の先生にいわれると素直に聞き入れる」と聞き、わが家もお願いすることにしました。

塾で理解不足のところや、難問、過去問解説など、やってもらいたいことを決めて依頼しましたが、前述の各塾の特徴も把握しているため、さまざまなアドバイスをいただけましたし、子どもも理解を深められたようです。

■時給換算でアウトソースの是非を判断

清水久三子『働くママの成功する中学受験』(世界文化社)
清水久三子『働くママの成功する中学受験』(世界文化社)

個別指導は2〜3人の少人数制やマンツーマン、家庭教師などさまざまな形態があり、先生のレベルもまちまちです。気になるお値段ですが、週1回1コマ(90〜120分)見てもらう場合で、月に1万〜5万円と幅広く、一概に高い・安いとは判断しにくいと思います。塾に加えてとなると相応の負担であることは間違いありません。

コンサルタントがよくやる費用対効果の換算法ですが、自分の年収から時給を割り出し、子どもの勉強を見る時間を授業料に換算してみるとそれなりの時給になるかと思います。それを考えると、勉強はプロにアウトソースして、自分自身の仕事や親にしかできない子どものサポートに徹するというのも一つの考え方ではないでしょうか。

やってみよう!
自分の時給を算出し、わが子の勉強にかけられる時間と費用を見える化してみましょう。

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清水 久三子(しみず・くみこ)
株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長
お茶の水女子大学卒業。大手アパレル企業を経て、98年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。新規事業戦略立案、人材開発戦略・実行支援などのプロジェクトをリードし、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダー、IBM研修部門リーダーを経て、2013年独立。『プロの学び力』『プロの課題設定力』『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一流の学び方』『外資系コンサル流・「残業だらけ職場」の劇的改善術』など著書多数。http://andcreate-official.com/

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(株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長 清水 久三子)

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