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堀江貴文「メールに"お世話になっております"と書く人は最悪だ」

プレジデントオンライン / 2021年4月27日 9時15分

実業家の堀江貴文氏 - 写真提供=小学館集英社プロダクション

有能なビジネスパーソンの条件とはなにか。実業家の堀江貴文氏は「処理能力が低い人に限って、メールに『お世話になっております』などと書いている。読んでいるだけでイライラさせられる」という――。

※本稿は、堀江貴文『非常識に生きる』(小学館集英社プロダクション)の一部を再編集したものです。

■遅くて長いメールは相手の時間を奪う行為だ

有能なビジネスパーソンの条件とは? 第一に挙げられるのは、レスの早さだ。

多くの案件を抱え、たくさん稼いでいるビジネスパーソンほど、メールは即レスを心がけているという。レスのスピードが能力とどのように関係しているのかわからないが、たしかに僕の周りの優秀な人は、みんなレスが早い。しかも内容が端的だ。

僕もスタッフなどから質問のLINEが来たら、すぐに「おけ!」「りょ!」と、短く返信する。心がけというより、それぐらいの返信で済むような案件しか僕のところには届かない。だったら1秒でも早く返すのが、当たり前だろう。

メールのレスが遅く、しかも内容がグダグダと長い人は最悪だ。そういう処理能力が低い人に限って、「大変お世話になっております」「お待たせした無礼を深くお詫び申し上げます」など、本題にスッと入らず、読んでいるだけでイライラさせられる。

メールの送り手は、礼儀正しい返信を、期待しているのではない!

問い合わせの返事が秒速で戻ってくるのを、期待しているのだ。

遅いうえに長いメールは仕事の工程のテンポを落とすだけではない。相手の時間を奪う、悪質な行為だと思ってほしい。体裁とか礼儀とか、手紙じゃないのだから、どうでもいいだろう。メールは、ひと言で即レスを心がけよう。

■打ち合わせやスケジュール確認はLINEで済ませている

そもそもメールを使う必要が、あるのだろうか?

LINEやSlack、Messengerなど、短いコミュニケーションを高速でやりとりできるアプリを組み合わせれば、連絡業務は充分回せるはずだ。テキストや図版をチェックすることもできる。長い文章向きではない仕様だから、必然的に文章を短くまとめる技術も磨かれると思う。スマホのSNSアプリで連絡事項がすべて回せないようだったら、仕事の最適化がまだまだ足りていない証拠だ。

僕は電話で重要なビジネスの案件を打ち合わせたり、スケジュールを確認することはまずない。すべてLINEで処理している。LINEのいいところは、スピード感だ。ほぼ話しているのと同じスピードで、言葉のやりとりができる。「ん?」とか、「えーと、ちょっとこれは……」など、微妙なニュアンスも伝わりやすい。議事をグループで共有できるのも便利だ。テキストが残るから、記録になる。近年は西村博之さんなどとの、対談の仕事もLINEでこなしている。

いまのところコミュニケーションの手段は、LINEがベストだ。コロナパニック以降は、Zoomも浸透した。もう場所に出向く面倒は、負わなくていい。

新しいサービスが今後台頭してきてどうなるかはわからないけれど、「相手の時間を奪う」電話のようなツールは、もう役目を終えているだろう。

■他人に時間を渡すのは、自分の人生に対して失礼だ

短いメッセージをスピーディに、テンポよく回していくのが、質のいいコミュニケーションだ。SNSだけでやりとりしていると、「あいつは心のこもったメールが書けない」とか「非常識なヤツだ」と、悪く言われることもあるだろう。気にしてはならない。目的を最適化して時間を増やしていくための工夫に対して、心だとか礼儀だとかを持ち出してくるタイプの人とは、付き合ってはいけない。すぐ切り捨てよう。

時間のコスパ感覚の薄い人と付き合い続けても、何もいいことはない。余計なストレスを抱え、パフォーマンスは落ちる。足を引っ張られる付き合いは、ばっさり整理して、自分の時間を守ってほしい。

多少、失礼になったとしても構うことはない。他人に時間を渡すのは、自分の人生に対して大きな失礼となる。自分への礼儀を欠くような人間になってはいけないのだ。

デジタルツールを使いこなし、テンポのいいコミュニケーションで、快適な人間関係を築いていこう。

片手でスーマートフォンを持つ男性
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

■中学生時代に「新聞配達のバイト」で学んだこと

僕は中学生のとき、プログラミングに熱中していた。専門誌に投稿して掲載料をもらったり、プログラミングスキルが上がってくると、さらに性能のいいパソコンが欲しくなった。新しく買いたかった機種は、数十万円もした。お小遣いではまるで手が届かなかった。そこに廉価版の機種が発売された。ダメもとで親に相談してみると、意外にも「買ってもいいだろう」という返事だった。ただし「代金を貸す。そのお金は、新聞配達のアルバイトで返しなさい」ということだった。

親に金を貸してやると言われてから、僕は毎日コツコツ新聞配達を続けた。毎朝早朝5時に起きて、自転車で100軒以上の家に新聞を配るのは大変だった。でも新しいパソコンのために頑張った。そして念願の機種のパソコンを買ってもらい、親には数カ月で借金を返済することができた。

この経験で僕は、前向きな借金は、すすんでしてもいいという考えを培った。時間をショートカットして、欲しいものが得られるなら、借金は全然OKだ。

お金を返せなかったらどうしよう……という迷いは捨てていい。やりたいことを先延ばしにする時間の浪費の方が、もったいない。それは僕の揺るがない信条となった。

■借金を後悔したことは一度もない

初めて会社を起こしたときも、資金は借金からのスタートだった。600万円を人から借りた。当時は23歳の東大生。実績ゼロの若者が背負う金額としては大金だった。

普通の若者なら躊躇すると思う。自己資金を貯めてから起業しなさい、とアドバイスされるかもしれない。でも僕は、少しも怖じ気づかなかった。

堀江貴文『非常識に生きる』(小学館集英社プロダクション)
堀江貴文『非常識に生きる』(小学館集英社プロダクション)

借金の心配より、インターネットビジネスの無限大の可能性にワクワクしていた。

起業してほどなく、IT革命の巨大なムーブメントに乗り、僕は若手起業家としてビジネスの世界を駆け上がっていった。数年で、600万円の借金の10倍以上ものお金を動かせるようになった。借りたお金は、1年ほどで完済できた。

一度も、借金を後悔したことはない。借金したお陰で、僕は普通に大学に通っていたら見られなかった景色や、素晴らしい体験を得られた。

借金は、決してネガティブなものではない。本気でやりたいことに対して、大胆に挑む勇気を発揮できた者に許される勲章だ。

■「チャンスを逃す」というリスクの回避策だ

やりたいこと、本気で欲しいものにお金が必要なら、さっさと借りて願いを叶えてほしい。お金を用意している間に好機を逃したら無意味だ。短縮すべきは、願いのサイズではない。時間だ。スピーディに行動することを優先しよう。そのために遠慮なくお金を借りていい。

学生だった僕が自分で600万円を用意するには、1年ぐらいはかかったと思う。その1年の遅れで、インターネットバブルに乗れなかったかもしれないし、同世代の面白いビジネスパーソンたちとの出会いのチャンスも逃しただろう。

借金は、チャンスを逃すリスクの回避策だ。

プライドや恐れは捨て、お金を貸してくださいと、頭を下げて回ろう!

借金はいけないという風潮も、大いに問題だ。「貯金は美徳」の常識とセットにある、おかしな風潮だと思う。借金は、怖いものではない。お金を借りたい人と、お金を貸したい人との相互扶助システムが進化してきたいま、借金のリスクはいくらでも軽減できる。融資の頼み先は、銀行に限らない。ソーシャルレンディングやクラウドファンディングなど、資金のない人が他人からお金を借りてビジネスを始める方法は、たくさんある。シェアエコノミーを利用して、経費も減らせるはずだ。

若いうちは、投資のレバレッジが、いくらでも利かせられるのだ。

お金がない? だったら信用できる人に、借りればいい。それが正解だ。

■「金で買えないものはない」なんて一度も言ってない

僕は空気を読んだり、他人に忖度することはせず、思いついたことを好きなように発言している。熱心に支持してくれる人は多いが、アンチも多い。著名人が的外れな論理で、僕を批判してくることもある。

どう思われようと、まったく気にしない。誤解を解くために丁寧に説明するのも鬱陶しいので、放置する。

わかる人は、わかってくれるのだが……ホリエモンはカネの亡者、常識知らず、弱者の敵という、アンチ側のイメージでインタビューに来られると、非常に不愉快だ。

何度も言っているのだが、あれはホリエモン語録でもなんでもない。「金で買えないものはない」なんて、一度も言っていないのだ。

朝日新聞が、球団買収騒動の頃に、記事のタイトルに勝手につけたフレーズだ。本当にいい迷惑だ。

■「お金はあるのに買わない」は間違っている

「金で買えないものはない」は、僕の考えではない。

しかし「金で買える、欲しいものは全部買え!」というのは、僕の意見だ。

多くの人が買い物を我慢しているのは、貯金の呪縛によるものだ。消費することで財布の中身は減り、貯金が削られる。持ち金が減ることの恐怖心は、現代人はすさまじい。買い物での無駄な出費は、代表的な「損」のひとつなのだろう。

植物とビジネスマン
写真=iStock.com/bee32
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bee32

貯金が10万円しかないのに、100万円のジュエリーを買うのは、たしかにバカげている。分不相応な買い物は身を滅ぼすだけだ。しかし、持ち金は足りているのに、「これから何か大事なことで出費するかもしれない」「貯金はなるべく崩したくない」というブレーキで、欲しいものを我慢するのは、間違っている。

モノが欲しいというのは、その人にとって有益な情報が、モノに付与されている表れなのだ。便利だったり、快適さを高めてくれたり、新しい出会いを引き寄せたり、ポジティブな効用のある情報を手に入れるチャンスである。みすみす見送ってしまうのは、バカバカしいことだ。

貯金を丸ごと使いきれとは言わないが、些細なブレーキで欲しいモノを我慢してはいけない。特に最新のガジェットは、欲しい! と思ったら、すぐ買うべきだ。

できる経営者や投資家は、みんな持ち物は少ないけれど、デジタル製品など新しいガジェットは、誰よりも早く入手している。情報感度の高い人間には、レベルの高い情報と人脈が集まるようになるのだ。

■講演会やセミナーに行くよりも、本を買うべき理由

欲しいモノは、その場で買ってしまおう。優れた情報、または体験を得るチャンスを逃してはいけない。

情報は、狩りにいくものだ。狩猟者の意識でインプットを行い、頭のなかで料理して、アウトプットにつなげる。

そうしなければ情勢の変化の激しい現代を、生き抜いてはいけない。

貯金の洗脳を振り払い、欲しいモノには惜しまず出費しよう。

情報を狩るために、講演会やセミナーに行く人も多い。行く前に、本当に意味がある場なのか? と、まずは考え直してほしい。講演会やセミナーで手に入る情報は、講演者の著作やブログで語られているものと同じ場合が多い。お金と時間を費やすほどの価値があるだろうか。語り手と同じ場所にいるライブ感の高揚は、たしかに心地いい。だが、情報収集という観点からは、効率のよい方法とは言えないと思う。その講演者の著作を買って読んだ方が、早いのではないか。

モノを買うことで時間を活かせる場合があるのだ。

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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年、福岡県生まれ。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。また、会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』『本音で生きる』『多動力』『東京改造計画』『将来の夢なんか、いま叶えろ。』など著書多数。

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(実業家 堀江 貴文)

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