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なぜ小室圭さんは最初に「母の借金は僕が返します」と言わなかったのか

プレジデントオンライン / 2021年5月27日 11時15分

秋篠宮家の長女、眞子さまとの結婚を延期した法律事務所職員、小室圭さん。勤務先から自宅に戻る。宮内庁は「諸行事や結婚後の生活について十分な準備を行う余裕がなかった」というお二人の気持ちを説明する文書を公表した。横浜市で。2018年2月6日撮影。 - 写真=読売新聞/アフロ

秋篠宮家の眞子さまと小室圭さんの結婚問題が、注目を集めている。夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「小室圭さんは母親の守り方を間違えている。本当に結婚するとしても、その後が心配だ」という――。

■「母と自分の名誉を死守したい」執念

「97%以上が『反対』」という圧倒的な結果を報じたのは、『週刊朝日』3月26日号だ。秋篠宮家の長女の眞子さまと、婚約が内定している小室圭氏の結婚に関して今春にアンケート調査を実施した結果、1万3057人から回答が寄せられ、97.6%が「反対」の意を示したという。

その後、28枚ページに及ぶ“小室文書”を発表して自分たち母子の正当性を主張したと思えば一転、唐突に解決金を支払うと言いだしたりする小室氏。2人の結婚に対する執着や危うさを感じさせる彼の行動に、いまだ不信感を抱いている人も多いのではないだろうか。

2人の結婚について国民の感情をあおる原因になったひとつに、小室氏の母親とその元婚約者の間に生じた金銭問題がある。

親が起こしたトラブルとはいえ、それが自身の結婚問題の障害になっていたのは明白。にもかかわらず、なぜ小室氏はこれほど事態が悪化するまで向き合おうとせず、もっと手前の段階で「僕が返済します」という一言を潔く言えなかったのか。そこには、「母と自分の名誉を死守したい」という執念がうかがえる。

■間違っていないと主張するほど、世間の目は冷たくなる

400万円といわれる金銭については、「返してもらうつもりはなかった」と話す元婚約者との会話が録音されたデータが公開された。これに対し、小室氏サイドは「『お金を返す』というと借りたことになるが、お金を返さなければもらったものとみなされる」と自分たちに都合のいいように解釈したようだ。つまり、元婚約者から受け取った金銭は借金ではなく、贈与。もらったお金には返す義務もないので、「金銭問題は解決済み」と考えていたのだろう。

ただ、こうした小室氏サイドの言い分を「そうですよね。あなたたち親子は正しいと思います」と肯定する人はほぼいないはず。むしろ、自分たちは間違っていないと正当性を主張すればするほど「恩義を忘れ、相手の気持ちを推し量ろうともしない、身勝手で冷徹な人間」といった世間の目を向けられるだろう。これでは、当人同士の問題が悪化するだけでなく、世間も含め周囲を説得することができないのは当然だ。

■お金のトラブルにはお金で応じるのが効果的だ

夫婦問題がこじれ、離婚という決断をする際にも、金銭トラブルが生じる場合がある。結婚生活を共にする夫婦2人の間柄で「借金」や「贈与」といった言葉で表すことはないものの、日々の生活費はもちろん、家のローンや子育てにかかる費用に加え、「これまで家族を養ってきたのは自分」「家庭を支えるためにキャリアや将来を犠牲にしてきたのは私」といったそれぞれの貢献値を金銭に換算しようとした時に、お互いの主張が食い違うこともよくある。「金銭問題で納得がいかない」と離婚問題がこじれたり、長引いたりするケースも珍しくない。

そんな時にも解決の糸口となるのは、やはり「和解金」だ。お金のトラブルには、お金をもって応じる方法が効果的であるのは間違いない。感謝と誠意を示し、相手が納得できる和解金を渡すことで解決する問題は意外と多いのだ。小室氏の件も、もっと初期の段階で「借金ではないものの、お金を受け取ったのは事実。おかげで留学もできたし、今の自分がある。感謝の気持ちでお返ししますので、どうぞ収めてください」と問題解決に努めたほうが、法に携わる人間としてもスマートだったのではないだろうか。

離婚届の上で札束を引っ張り合うカップル
写真=iStock.com/AndreyPopov
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AndreyPopov

■夫婦問題のプロとして危惧する「嫁姑問題」

ところで、2人の結婚に関して金銭問題のほかにもうひとつ、夫婦問題のプロとして大いに気になる問題がある。それは、仮に2人が結婚するとした場合、小室氏の母親と眞子さまが直面するであろう嫁姑問題だ。

女手ひとつで息子を育ててきた小室さんの母親に、眞子さまが心酔しているという報道もある様子からすると、現在の関係は良好なのだろう。問題は結婚後、どこの家庭内でも起こる何かしらのトラブルがあった時、「小室さん母子VS眞子さま」という対立関係が生まれないか、ということだ。

というのもこれまでの経験上、多くの場合、結婚前から母親のことを擁護しすぎる息子は、結婚後に嫁姑問題が生じた場合、妻ではなく母親の肩を持つ傾向がある。その結果、「どうして私の味方になってくれないの?」と妻に不信感を抱かせることになり、夫婦関係は悪化の一途をたどる。

■義母と「一緒に」新婚生活がスタートした夫婦

実際、母親を擁護しすぎる息子と結婚したために、思いがけない形で離婚にいたった事例もある。

※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。

【CASE】母親を慕いすぎる夫から「出産直前離婚」を言い渡された妻

3年前の結婚を機に仕事を辞めたNさん(28歳)は、現在妊娠中。1歳年上の夫は若手の税理士として親戚の会計事務所を手伝っている。夫の父親は、まだ彼が幼い頃に他界し、母親はひとり息子を“女手ひとつ”で育ててきたという。「義母は、社交的で派手なタイプ。若い頃は、昼は保険外交員として、夜は地元のスナックで働く、パワフルな女性だったと聞いています」と、Nさんは話す。

2人の新婚生活は、新築の二世帯住宅でスタートした。新居となる家屋は「可愛い娘の幸せのためになら」とNさんの両親が頭金を支払った。その際、夫婦ふたりきりで新婚生活をはじめたいと希望したNさんに対し、夫は真っ向から反対。「ずっと苦労かけっぱなしだったから、これからは恩返ししようと決めている」と母親との同居を強固に主張し、Nさんが折れる形で二世帯住宅に住むことを決めたのだった。

結婚後、義母はほぼ毎晩、2階で暮らすNさん夫婦の元を訪れた。

「義母は私が食事の支度をしている間中、手伝いもせず夫と晩酌をしながら仲良く話し込むのが日課。夫もうれしそうに話を聞いている姿を見ていると『2人の世界に私の居場所はない』と感じることもありました」(Nさん)

トマトを切る女性の手元
写真=iStock.com/byryo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/byryo

■「お義母さんか私か、どちらかを選んで」

嫁姑の間で起こる、日常のささいなトラブルでもすべて母親の肩を持つ夫に、Nさんは怒りを通り越してあきれることもしばしば。「どう考えても私は悪くないことであっても『キミが謝れば済むことじゃない?』『母さんを悲しませないでくれよ』などと言って、夫は取り合ってはくれなかった」とNさん。

Nさんの堪忍袋の緒が切れたきっかけは、「今月から生活費は母さんからもらってよ」という夫からの言葉だった。夫は、無駄な出費を抑えるとともに、生まれてくる子どもの教育費をためる目的で、義母に家計の管理をまかせることをすでに決めていた。大役を担うことになった義母も張り切っているという。

「義母と同居している限り、惨めで窮屈な生活は変わらない」と思ったNさんは悩んだ末、夫に直談判をすることを決意。今の環境を変えるため、子どもが生まれるタイミングで二世帯住宅から引っ越したいと願い出た。今まで我慢してきたことを正直に夫に伝え、「もしも引っ越しができないというなら、お義母さんか私か、どちらかを選ぶしか道はない」と迫った。生まれてくる子どもとの新しい生活を考えたら、さすがに夫も“母親離れ”をする気になるだろうとNさんは考えたのだ。

■妻より子どもより「母さんが大事」

ところが、夫の返事は「ごめん、キミや子どもより母さんのほうが大事だわ」とNさんの想像を超えたものだった。Nさんは愕然としたという。さらにNさんを驚かせたのは、翌日になって事の顚末(てんまつ)を報告した際の義母の言動だった。「義母は『よくぞ私を選んでくれたわ。それでこそ私の自慢の息子ね』と誇らしげに夫を見つめたのです」。

憂鬱な気持ちに襲われる妊婦
写真=iStock.com/RyanKing999
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RyanKing999

夫と義母、両者からの心ない仕打ちを受け、「離婚をすることへの踏ん切りがついた」とサッパリした表情で語るNさんは、実家に戻った。現在は、生まれてくる子どもの世話を両親にサポートしてもらいながら、自分は復職することを考えているという。

■「妻ファースト」が円満の秘訣

母親のことを擁護しすぎる息子が結婚した場合、嫁姑問題は相当高い確率で生じるものだと思っていい。何かあるたびに自分の母親の肩を持つような夫を信頼し、支え続けるほうが難しいのは明白だろう。たとえ結婚前にどれだけ世話になっていようと、結婚後は「妻ファースト」で対応するのが円満な結婚生活を送るための基本。「なんだかんだ言っても、夫は私の味方でいてくれる」と妻が思えるかどうかが重要なポイントになる。

賢い夫なら、妻のいないところで母親には「お母さんを大事にしてもらうためにも、妻を立てておかないとね」といった言い方をするはず。妻の味方をしつつ、「もちろんお母さんのことは大切だよ」という気持ちをきちんと伝える方法を選択すれば、妻と母親のどちらも傷つけることなく、お互いの立場を守り抜くことも可能だからだ。

今回の小室氏の騒動に関しても、もしも「母親を世間の批判から守りたい」と思う息子の深い愛情があるならば、その“守り方”の戦略を変えるべきだろう。あきれるほど母親を擁護し、自分たちの正当性を言い募るより、時間をかけてでも誠実さが伝わる言動に終始したほうが世間は納得し、母親を守ることもできるのではないだろうか。

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岡野 あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家
NPO日本家族問題相談連盟理事長。株式会社カラットクラブ代表取締役立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに25年間、3万件以上の相談を受ける。『最新 離婚の準備・手続きと進め方のすべて』(日本文芸社)『再婚で幸せになった人たちから学ぶ37のこと』(ごきげんビジネス出版)『離婚カウンセラーになる方法』(ごきげんビジネス出版)など著書多数。

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(夫婦問題研究家 岡野 あつこ)

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