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「生理に悩む女性はもっと食べて」現代女性の摂取カロリーは終戦直後より少ない

プレジデントオンライン / 2021年6月12日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bymuratdeniz

生理の悩みがない人と、それ以外の人では何が違うのか。約2万人の日本人女性を調査した予防医療コンサルタントの細川モモ氏は「生理の悩みがない人は食べる量が多い。現代女性の摂取カロリーは終戦直後より少ない。これでは栄養が不足してしまう」という――。

※本稿は、細川モモ『生理で知っておくべきこと』(日経BP)を再編集したものです。

■一週間単位で栄養バランスを整えよう

食事でもっとも大切なのはバランスです。栄養が「偏る」ことは体によくありませんといわれますが、なぜでしょうか?

答えは、「食材に含まれている栄養素が異なるため」です。

たとえば、肉には豊富な鉄分が含まれていますが、食物繊維は含まれません。逆に、野菜には豊富な食物繊維が含まれますが、鉄分はわずかです。

のちほど詳しく説明しますが、生理痛やPMSを軽くするビタミンDやDHAは魚に多く含まれています。

サッカーや野球がチームでないとプレーできないのと同じで、栄養も何かが欠けると動きません。

ちなみに、栄養の何と何が作用しあっているかはあまりに細かく、覚えるのはプロでも難しいです。実際にバランスのよい食事をしている人は筋肉量が多く、健康長寿になりやすいことが報告されています。

しかし、栄養は食べたそばから消費されるため、まんべんなくを毎日とるのが理想だといわれています。しかし、「そんなの無理」と思う人もいるでしょう。

でも、安心してください。大人は、そんなに厳しく毎日とらなくても大丈夫。1週間でつじつまがあっていれば、栄養的には合格です。

つまり昨日は肉を食べたから今日は魚にしよう、などと1週間でバランスがとれるように考えてみましょう。

平日に毎日食事に気をつけるのは無理かもしれませんが、休日を利用しつつ1週間を目安にすれば、栄養をバランスよくとる習慣が身につけられるはずです。

■生理の不調が少ない人の食事とは?

私たちは、全国で開催している保健室の参加者データをもとに、生理の悩みがある人とない人で分け、食事の状況を調べました。

生理の悩みがない人とは、「生理が正常に来ている&生理痛が軽い&PMSがない人」です。すると、生理の悩みがある人とない人の食事の違いが、はっきりと結果に表れたのです。

生理に悩みがない人(エリート)とそれ以外の人の食品別摂取量
出所=『生理で知っておくべきこと』143ページより抜粋

このグラフから見てとれる、生理の悩みがない人の特徴は次の通りです。

・オメガ6系の油を含む揚げ物を食べている人が少ない
・オメガ3系の油を含む魚を食べている人が多い
・たんぱく質を含む豆腐や油揚げなどの大豆製品を食べている人が多い
・大根・かぶなど、根菜から食物繊維、きのこからビタミンD、季節の果物からビタミンCをとっていて、栄養バランスがとれている
・カフェインを含む緑茶、紅茶、ウーロン茶をあまり飲んでいない

先述したビタミンDやDHAなどの栄養が、生理の悩みに効果があるとわかってもらえたと思います。そして、この傾向から、生理の悩みがない人たちの食事の特徴は、和食であるといえるでしょう。

■生理痛の人は「痛み物質」を摂取している

生理の悩みのない人ほど、体内で炎症をあおるオメガ6系の油の量(揚げ物)が少なく、炎症を火消しするオメガ3系が多いです。この結果からも、食事は明らかに生理痛やPMSに影響しています。

ちなみに、アルコールも痛み物質をつくる原因になります。

アルコールを処理する力(お酒が強いかどうか)は人によって違いますが、アルコールを処理しきれないと、「アセトアルデヒド」がたくさんつくられます。

これは、神経を刺激して痛みを誘発する物質です。それが二日酔いなどの「アルコール頭痛」の原因ですが、生理痛がひどくなることもあります。

痛みの原因の「プロスタグランジン」のほかにもうひとつ、お酒でも痛み物質ができます。

■体にいい食べ物をいっぱい食べよう

「カロリーが高い=太る、体に悪い」というイメージがありますよね。

細川モモ『生理で知っておくべきこと』(日経BP)
細川モモ『生理で知っておくべきこと』(日経BP)

でも、食事でのカロリーは、もっととって大丈夫です。現代の日本女性の1日の摂取カロリーはなんと、終戦直後を下回っています。特に、働く女性ほど(さらに長時間働く人ほど)カロリーが大幅に不足しています。

生理の悩みがない人とある人のとったカロリーを比べてみると、悩みがない人のほうが多くとっています。意外に思いますよね。生理の悩みのない人は、揚げ物をあまり食べず、焼き魚や豆腐、野菜などのカロリーが低いものを食べているのですから。

でも、女性ホルモンのために必要な理想のカロリーは体重1kgあたり45kcalです。

ちゃんと食べている人に生理の悩みが少ないのは、それだけ女性ホルモンの分泌がしっかり行われているからです。カロリーの内訳を見たときに、魚、大豆、野菜などをたくさん食べて、いいもので埋まっているイメージです。

朝食
写真=iStock.com/kazoka30
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazoka30

■栄養がない「エンプティカロリー」に要注意

逆に、生理の悩みがある人は、栄養が少ないカロリーだけが多い食事をとっています。

気をつけるべきは、この「栄養がほとんど入っていないカロリー」。スナック菓子、スイーツ、お酒などで、私たちは「エンプティカロリー」と呼んでいます。「空のカロリー」という意味で、栄養がなくてカロリーだけがあります。

「エンプティカロリー」を避けて、栄養が詰まったカロリーをとるなら、カロリーの量はあまり気にしなくて大丈夫です。女性は1日1800~2000kcalを食べるのが理想なので、生理の悩みがない人も、もっとたくさん食べたほうがいいぐらいです。

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細川 モモ(ほそかわ・もも)
予防医療・栄養コンサルタント
一般社団法人ラブテリ代表理事。International Nutrition Supplement Adviserを取得後、09年に日米の専門家チーム「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。母子健康をテーマとした共同研究を複数手がける。14年に三菱地所と働く女性のための「まるのうち保健室」を立ち上げ、「働き女子1,000名白書」を発表。以後、全国で保健室を開催し、女性のヘルスリテラシー向上と大規模調査を行っている。2万人を超えるデータをメディアや自治体、企業に提供することで女性の健康を支える社会環境づくりに取り組み、日本栄養士会「84セレクション」他、複数のアワードを受賞。生理用品No.1ブランド“ソフィ”の生理管理アプリを開発・監修。

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(予防医療・栄養コンサルタント 細川 モモ)

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