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「原因は"食べ過ぎ"だけではない」昼食後の猛烈な眠気を防ぐ"シンプルな方法"

プレジデントオンライン / 2021年6月29日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

どうすれば昼食後の眠気を防ぐことができるのか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「昼食前にコップ1杯程度の水を飲むといい。そうすることで、自律神経の急転換を防ぎ、疲れも眠気も防ぐことができる」という――。

※本稿は、小林弘幸『自律神経にいいこと超大全』(宝島社)の一部を再編集したものです。

■昼食後に眠くなってしまうのはなぜなのか

昼食は、自律神経のバランスアップのために大事な中継ぎピッチャー。

とはいえ、あまり量をとり過ぎると、胃腸に負担がかかって疲れるし、さらに副交感神経が優位になり過ぎて、眠くなってしまう。私の周りでも、昼食後の打ち合わせや会議は、どうも眠くなって困るという声をよく耳にする。

学会などでも、午後になると、つい、うつらうつら、居眠りをしている人の姿を目にすることが多い。ちなみに、これは自慢というわけではないのだが、私は、午前、午後にかかわらず、どんなに退屈な会議でも居眠りしたことがない。

知人のドクターから「どうしたら、そんなふうに寝ないでいられるのか?」と聞かれることもある。なぜ、私がどんなに退屈な午後の会議でも、居眠りせずにいられるのか。それは、疲れない、眠くならない昼食のとり方をしているからだ。

昼食後、なんとなく頭がぼんやりしたり、疲れたり、体がだるくなる、あるいは睡魔に襲われて無性に眠くなってしまういちばんの原因は、副交感神経の働きが急激に活発になることである。

食事をすると胃腸が活発に動く。そうすると、胃腸に血流が集中して、頭に血が行かなくてぼうっとしてしまう。胃腸が動くことで、急激に副交感神経が優位な状態になる。クルマにたとえれば、アクセルではなく、ブレーキを思いきり踏んだ状態だ。眠くなるのは当たり前。

心身が急激に弛緩=リラックスの状態になってしまうからである。けれども、昼食をとる際、ほんのちょっと工夫をして副交感神経の働きの上がり具合をコントロールすれば、食後の疲れや眠気を抑えることが可能だ。

■眠くならないための2つのポイント

疲れない、眠くならない、昼食のとり方のポイントは二つ。

一つめは、食べる前にコップ1~2杯の水を飲むこと。二つめは、「腹六~八分目」の量を、できるだけゆっくりよく嚙みしめながら食べること。それだけで、昼食を疲れない、眠くならない「力めし」に変えることができる。でも、それはなぜなのだろうか。

水を飲む老人
写真=iStock.com/golfcphoto
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/golfcphoto

食事をすると、誰でも副交感神経が優位になる。けれども、副交感神経が優位になるのは、じつは食後から。食事中は、「咀嚼する」という行為も含めて体が活発に動いているので、体にとっては運動しているときと同じで交感神経が優位になる。

さらに、「嬉しい」「おいしい」「楽しい」というメンタルも作用して、交感神経がますます優位になっていく。つまり、食事をしている最中は、クルマにたとえれば、アクセル全開の状態。昼食をとっている最中に眠くなったという人は、ほぼいないはずだ。むしろ、食べている最中はアクセル全開で、やる気も全開である。

けれども、二つのポイントを押さえずに、ただ無意識に食べたいものをがつがつ早食いしてしまうと、食べ終わって胃腸などの消化器官が働き出した途端にさっきの元気はどこへやら、ガクンと疲れて眠くなってしまう。

それはひと言でいえば、食事をすることで交感神経が一気に優位になる、けれども食後に消化器官が動き出すことで、一転、副交感神経が優位になる、この「急転換」が、昼食後の疲れと眠気の最大の原因なのだ。

とすれば、自律神経の急転換を防げれば、心身のパフォーマンスを維持したまま、疲れも眠気も防ぐことができる。そのためのポイントが先の二つなのだ。

■「おいしい」という感覚は最初のふた口で満たされる

「おいしくない」食事ほどの害はないのだが、やはり、炭水化物のとり過ぎは、「力めし」という意味でも好ましくない。

朝、昼、夜、3食全部、炭水化物をがっつりとってしまうと、私の経験上でも、体重のコントロールが難しくなる。3回の食事のうち、炭水化物をしっかりとるのは1回だけにするなどの工夫がおすすめである。

そのほうが断然、午後の仕事がはかどる。逆に、短時間でがっつり炭水化物メインの昼食をとると、交感神経の働きが急上昇し、食後、そのリバウンドで副交感神経が一気に優位になってしまう。すると、疲れて眠くなり、午後は使いものにならないという結果を招いてしまう。

理想は朝、ごはんでもパンでも炭水化物をしっかりとって、昼は軽めのものをゆっくり食べて腸を穏やかに動かすという食べ方だ。とはいえ、昼食も、炭水化物がっつりの好きなものを食べたいという日もきっとあるだろう。

カレーライス、かつ丼、そば、うどん、ラーメンは私も大好きだ。どうしてもそういうものが食べたくなったら、我慢することなく食べている。ただ、少しだけ工夫をしている。たとえば、そば、うどんだったら、最初から麺を半分にして、スープは飲まない。

カレーライスも同じで、食べる前から、ルーもごはんもお皿のなかで、半分に分けておく。大学病院の学食で、日替わり定食を頼むときでも、ごはんは最初から半分に。いまでは、学食の人たちも、私の顔を見たら、言わなくてもごはんを半分にしてくれるようになった。

食べる前から、半分に分けておく。この方法は、一見、強い意志が必要のように思われるが、やってみると、じつはまったくそうではない。なぜなら、「食べたい」「おいしい」という感覚は、じつは最初のひと口ふた口で満たされているもので、あとは、「全部食べなくては満足できない」という錯覚で食べているだけだからだ。

■昼食を食べないのはむしろ逆効果

昼食を、午後の自律神経のバランスアップ、心身のパフォーマンスアップのための「力めし」にする食べ方のポイントの一つは、「最初から半分に分けておく」ということだ。そうすれば、特別に強い意志がなくても、誰でも、「おいしく」楽しんで食べながら、きちんと半分残すことができて、しかも満足感、幸福感も十分得られるようになる。

小林弘幸『自律神経にいいこと超大全』(宝島社)
小林弘幸『自律神経にいいこと超大全』(宝島社)

さらに、昼食のとり方をより質の高いものにし、ランチタイムを心身ともに充実させる時間に変えるもう一つのポイントは、「無理に食べない」ということである。

昼食は、3食のなかでも、もっとも軽めに適当にしても、まったく問題はない。ただし、昼食をまったく抜いてしまうというのは、やはり避けていただきたい。

私が好んで食べている納豆巻、カップの豚汁のように、控えめであっても食べたほうが、午後からのパフォーマンスにおいても、体重のコントロールという意味においても、いい結果につながる。それはなぜか。

昼食を抜いたまま夕食を食べると、血糖値が急激に上昇してしまい、夕食でとったカロリーが、エネルギーとしてうまく代謝されずに、そのまま脂肪として体内に蓄積されてしまうからである。

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小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授
1960年、埼玉県生まれ。スポーツ庁参与。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。近著に『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』、『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。

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(順天堂大学医学部教授 小林 弘幸)

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