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「結婚を迷ったらコイン・トスで決めろ」本田健がそう力説する納得の理由

プレジデントオンライン / 2021年6月30日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/MaximFesenko

起業、就職、転職、結婚、出産……。人生は選択の連続で、迷ってなかなか決められないことが多い。作家・投資家の本田健さんは「特に若い人は迷ったら、飛び込むことが大事です。私のメンターで“ソース王”として世界的に有名な吉田潤喜さん(71)がいいお手本です」という――。

※本稿は、本田健『20代にとって大切な17のこと』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

■いっぱい迷うことが多いのが人生

これからの人生で、あなたは、「想定もしなかったようなこと」をたくさん体験していくでしょう。それが、人生の楽しさでもあり、苦しいところでもあります。

恋愛でも仕事でも、いろいろなハプニングを体験することになるでしょう。住む場所にしても、10年後には、国すら変わっているかもしれません。

いまと違うパートナーと一緒にいて、違う街に住み、違う仕事をしている自分の未来をあなたは想像できるでしょうか。ひょっとしたら自分の性別さえ、変わっているかもしれませんよね。

20代は、ほんの10年で、いまでは想像もできないような人生を送る可能性があるのです。これからの人生で、あなたが決めることがたくさん出てきます。

□新しい仕事を引き受けるかどうか
□転職するかどうか
□独立するかどうか
□「つき合ってくれ」と言うかどうか
□「つき合ってくれ」と言われて、「はい」と言うかどうか
□結婚するかどうか
□子どもを持つかどうか

■人生は「選択肢の掛け算」によってできている

これから、「新しいプロジェクトに誘われる」といった小さなことから、「プロポーズされる」という大きなことまで、あなたは、何百回も決断を迫られます。それをすべて、いつも2秒で決められたら理想ですが、そんな人はいません。たいていの人は、決める前に迷うものです。

「これは引き受けたほうがいいのだろうか」
「これは、やったほうがいい」
「これは、言わないほうがいいかな」

「YES」と言うか「NO」と言うかで、その後の展開は全然違ってきます。

目の前の選択肢に迷いながらも、選択をしてきます。その選択肢の掛け算によってできてくるのが、あなたの人生になることを理解しておきましょう。

迷っているのは、あなただけではありません。世界的な偉人も、いろんな分野の第一線で活躍している人も、みんな迷っています。一国の首相や大統領だって、大会社の社長だって、いろんな決断に迷っています。

あなたのお父さんもお母さんも、迷いながら生活していると思います。いまは、人類全体が迷っているといっても過言ではありません。若いうちは特に、迷うのが普通です。なので、あなたが迷うのは当たり前なのです。

でも、迷ったときに、どうやって決めるのか、自分なりの方法を考えておくことは大切です。それについてお話ししましょう。

■答えがどうしても出ないときはコイン・トスをして決める

さんざんに迷った挙げ句、どうしても答えが出ないことがあります。

そうしたときには、どうすればいいのか、僕のとっておきの秘訣を教えちゃいます。そのやり方を一つ知っておくと、気持ちが楽になると思います。

僕は、そういうときにはコイン・トスをして決めています。

やり方は簡単です。

コインを投げる前に、表が出たらどうするかを決めておきます。表が出たら「YES」、裏が出たら「NO」と決めて、たとえば、

「新しいプロジェクトをやるかどうか、運命の神様、決めてください!」

と言ってコインを投げるのです。

テーマは、「プロポーズを受ける」「引っ越しする」「海外旅行に行く」と、何でもいいので、コインを投げてみるのです。

そして、コインの結果を見て、決めます。

コイントスをしようとしているビジネスマンの手元
写真=iStock.com/DNY59
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/DNY59

「そんなことで決めていいんですか」と思うかもしれませんが、もう少し説明してみましょう。

コインの答えが「YES」となったとします。その結果を見て、「だったら、やってみよう」と思ってワクワクするのか、「いや、それはやっぱりやりたくない。神様、ごめんなさい」と思うのか。その感覚によって、自分の本当の気持ちがわかります。

コインの出た通りに、「やってもいい」と思うなら、それは「YES」です。逆に、「どうしてもイヤだ。コインには従いたくない」と思ったら、それが本音です。

コイン・トスは、「運の神様に決めてもらう」ためにやるのですが、それをやることで、自分の本当の気持ちが浮き彫りにされるのです。

■「迷っても、最大1日」期限を決めるまでのリミットを決める

方法はコイン・トスでも何でもいいのです。自分の本音がわかるやり方を一つ、決めておくのです。

迷ったときには「期限を決めておく」というのも、一つの方法です。たとえば、「迷っても、最大1日」とするのはどうでしょうか。1日で答えが出ないものは、1週間、1カ月迷っても、やっぱり答えは出ないものです。ずるずる先延ばしにはしないほうがいいでしょう。

僕は、一晩はおいて、次の日の朝に決めるのがちょうどいいと思っています。頭で考えずに、より直感で決めやすいからです。

どう選ぶか、どう決めるか、それを行動に移すのも、移さないのもあなたです。慣れてくれば、たいていのことは、だいたい1分で決められます。これからの長い人生、迷うことの時間が減らせたら、何十日も得することになります。

20代のうちから、あなたなりのシステムをつくっておきましょう。成功している人は、だいたい自分のやり方があるので、聞いてみるのもいいと思います。そのうちにピンとくるのを、あなたのやり方として採用すればいいのです。

■失敗しない計算ばかりしていると、人生がつまらなくなる

「失敗したら、それが汚点となって、のちのち恥ずかしいんじゃないか?」
「告白して断られたら、みんなに知られてしまうんじゃないか?」
「転職するといったら、上司は何と言うだろうか?」

何か行動を起こそうと思うと、頭の中で、いろいろなシミュレーションが始まります。どうすればリスクをとらないですむか。恥ずかしい思いをしないですむか。さまざまな計算が働きます。とくに若いときほど、計算してしまうものです。

僕のメンターのアメリカ在住の吉田潤喜さんは、19歳のときに単身京都から渡米、ゼロからヨシダソースを世界中に展開し、ソース王と言われる人物です。経営は直感だという話をいつもされています。対談させていただいたとき、

「アメリカでMBAを取っていたら、どんな経営者になっていたと思いますか?」

と聞いたところ、

「それだけ賢かったら、ワシ、ソース屋なんかやらへんかったと思う」

と言われたので、会場が爆笑になりました。

「どう考えても、素人がつくったソースが、スーパーに並んでいるキッコーマンとかハインツと同じ棚に入っていけるはずがない」というのです。

■「情熱に99パーセントはない。100パーセントが情熱だ」

計算したりシミュレーションしたり、「失敗したらどうしよう」と思っているうちは、絶対に起業することはできないと言っていました。うまくいくかどうかではなく、「失敗してもいいからやりたい」という気持ちにならないと、道は開けないのです。

本田健『20代にとって大切な17のこと』(きずな出版)
本田健『20代にとって大切な17のこと』(きずな出版)

吉田さんは、「情熱に99パーセントはない。100パーセントしか情熱とは言わない」と思って、ものすごい熱量で仕事をしてきたそうです。

そういう一生懸命な姿を見たのが、当時まだ2店舗しかなかったコストコの創業者ジェイムズ・セネガル氏でした。吉田さんの情熱に感動したセネガル氏は、

「自分にも夢がある。世界中にコストコのお店を展開できたら、すべての店舗で吉田ソースを並べるから!」

と約束してくれたそうです。

それから40年近くがたちましたが、コストコは世界に約800店舗に拡大しました。いまだにセネガル氏の約束通り、吉田ソースは世界のコストコのすべての店舗に入っているそうです。素敵な話ですね。

米国カリフォルニア州シトラスハイツにあるコストコ(2011年5月20日)

それは、吉田さんが計算なしに情熱で走り抜いた結果、起きたことです。

人目を気にして、自分の頭の中でシミュレーションして、失敗しないようにすると、たしかに失敗が少ない人生にはなるでしょう。でも、それでは、つまらない人生になってしまいます。

それが成功するかどうかを気にしないぐらい情熱的にやってみないと、幸せな人生、面白い人生にはならないのです。

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本田 健(ほんだ・けん)
作家
神戸生まれ。経営コンサルティング会社、ベンチャーキャピタル会社など、複数の会社を経営する「お金の専門家」。著書に『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房)などがある。

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(作家 本田 健)

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