「好かれる人が絶対しない"質問"とは」読書家に人気のビジネス書ランキング
プレジデントオンライン / 2021年7月7日 9時15分
第2位:『考えることこそ教養である』(竹中平蔵著、クロスメディア・パブリッシング)
第3位:『1 on 1ミーティング』(本間浩輔/吉澤幸太著、ダイヤモンド社)
第4位:『GAFA部長が教える自分の強みを引き出す4分割ノート術』(寺澤伸洋著、世界文化社)
第5位:『仕事と人生』(西川善文著、講談社)
第6位:『学び方の学び方』(バーバラ・オークレー/オラフ・シーヴェ著、宮本喜一訳、アチーブメント出版)
第7位:『タイムマネジメント大全』(池田貴将著、大和書房)
第8位:『「自己肯定感低めの人」のための本』(山根洋士著、アスコム)
第9位:『読書大全』(堀内勉著、日経BP)
第10位:『絶対忘れない勉強法』(堀田秀吾著、アスコム)
第11位:『本物の気づかい』(井上裕之著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第12位:『いまこそ知りたいDX戦略』(石角友愛著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第13位:『超影響力』(メンタリストDaiGo著、祥伝社)
第14位:『転職2.0』(村上臣著、SBクリエイティブ)
第15位:『「いそがない人」が、いい人生を送る』(斎藤茂太著、三笠書房)
第16位:『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』(三谷宏治著、三笠書房)
第17位:『THE HUNGRY SPIRIT これからの生き方と働き方』(チャールズ・ハンディ著、大嶋祥誉監訳、花塚恵訳、かんき出版)
第18位:『爆速成長マネジメント』(イラッド・ギル著、浅枝大志/大熊希美訳、日経BP)
第19位:『リーダーの「挫折力」』 (冨山和彦著、PHP研究所)
第20位:『「顧客消滅」時代のマーケティング』(小阪裕司著、PHP研究所)
※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2021年6月の閲覧数ランキング
■「なぜか好かれる人」のコミュニケーション術
今月の第1位は、『なぜか好かれる人がやっている 100の習慣』でした。
本書は、心理学やカウンセリングを学び、キャリアカウンセラーとして講演も行う著者が、良好な人間関係を築くためのポイントを解説する一冊です。
「話し方・人づき合い」の章では、「相手の気分がよくなる質問をすること」の重要性が紹介されます。人は、ネガティブな質問をされればネガティブな気分に、ポジティブな質問をされればポジティブな気分になるもの。例えば、「なぜミスが起きたのか?」という原因追及の質問は、人間関係においてはいい結果を生みません。建設的な結果が得たいなら、それよりも「どうすればミスがなくなるのか?」という解決型の質問をするべきなのです。
怒りが収まらない相手に対峙するときのテクニック「ペース&リード」も、多くの方が知りたかったものでしょう。これは、まず相手にペースを合わせ、それから自分のペースにリードするというもの。
例えば、新型コロナウイルスの影響でマスクが品薄になり、ドラッグストアで「どうしてマスクが品切れなんだ!」と怒る人がいたとしましょう。ここで店員が「すみません。入荷していなくて……」と申し訳なさそうに謝っても、相手の怒りは収まりません。ならば相手の勢いに合わせてペーシングし、「本当に、どこに行ったんですかね、マスク! 困りますよね!」と勢いよく返答してみるのです。すると、相手は「そうだよな」とおとなしくなるでしょう。
こうしたテクニックは、オンラインのコミュニケーションでも使えます。「好かれる人」になり、ビジネスやプライベートでのコミュニケーションを円滑にしたいなら、読んで損はない一冊です。
■現代における賢さは「CPU的な思考」である
第2位は、『考えることこそ教養である』でした。
「頭のいい人」とは、どのような人のことをいうのでしょうか。一昔前までは、「頭のいい人=知識をたくさん覚えている人」だったかもしれません。しかし今、「知識をたくさん覚えていること」がさほど価値をもたなくなり、「頭のいい人」の定義も変わってきています。本書で著者は、情報や知識をどのように使い、どのようにつなぎ合わせて活用するかという「CPU的な思考」こそが、現代における賢さだといいます。
そのような考えのものと、自分の頭で考えて、自分なりの意見や結論を出していくには、「川を上り、海を渡ること」が重要だといいます。川を上るとは、「そもそもそれってなんだろう?」と、成り立ちや歴史的経緯を探ること、海を渡るとは、「他の国ではどうしている?」と他国と比較すること。一つの情報をただ知るだけではなく、その裏側にある事実、データ、歴史、関係性を料理の材料のように並べた上で、自分の中に蓄積された経験や肌感覚をスパイスにして、考えを巡らせることこそが、「考えること」なのです。
これからの時代、「考える力」は間違いなく必須のスキルになるでしょう。考える力をつけるためのヒントとして、学生から大人まで、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
■「定期的な1on1」が上司部下の信頼関係を築く
第3位には、『1on1ミーティング』がランクインしました。2017年3月に刊行され、多くのビジネスパーソンに1on1の重要性を説いた『ヤフーの1on1』の続編ともいえる一冊です。
1on1とは、上司と部下の間で行う、1対1の対話のこと。ヤフーでは原則週1回30分、上司が聞き役に徹して部下の話を傾聴する1on1の時間を設けています。
ヤフーはなぜ、貴重な時間を投資して、1on1を続けているのでしょうか。
1on1の目的の一つは、「部下との信頼関係の構築」です。1on1の基本動作である「上司が部下の話をよく聞いて、部下の思いを理解する」によって、上司・部下間の信頼関係が築かれます。人は最後まで話を聞いてくれた人に心を開くものですが、普段のやり取りの中で、常にこれを意識するのは簡単ではありません。定期的に1対1で向き合うことで、信頼関係が自然と築かれるのです。
コロナ禍においてテレワークを導入した結果、上司・部下や同僚とのコミュニケーション不足に悩んでいないでしょうか。1on1が、その課題を解決する特効薬となってくれるかしれません。
■人生を変える「タイムマネジメント」のコツ
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第7位は『タイムマネジメント大全』でした。
「時間の使い方を変えることは、生き方を変えること」。本書には、そのようなメッセージが込められています。著者は、本気で人生を変えたいと思ったら、まずは時間の使い方を変えなければいけないとした上で、時間の使い方をデザインする方法を指南してくれます。
では、どのように時間の使い方をデザインすべきか。本書でまずすすめられているのは、自分が「何に」「どのくらい」時間を使っているかを把握すること。自分の1週間の生活をTwitterやWebカレンダー、アプリ、手書きなどで記録し、仕事・食事・睡眠・ゲームなど、自分が過ごしている時間の内訳を可視化します。そうすれば、「食事の後にだらだらしてしまいがち」「ネットサーフィンに夢中になって就寝時間が遅れてしまっている」などと実態を把握でき、時間の使い方に意識的になれるはずです。
自分の時間の使い方を可視化したら、時間のデザインに移りましょう。著者がおすすめするのは、「朝時間をサンクチュアリにする」こと。1日の仕事を、深い思考が必要なもの(ディープワーク)と、作業として取り組めるもの(シャローワーク)に分け、午前中は、その日最も大切なディープワークに取り組みます。1日の始まりはもっとも集中力が高いため、ディープワークを効率よく処理できるのです。このように、時間の使い方をデザインすることで、エネルギーと時間を効率的に使えるでしょう。
本書にはその他にも、「作業系のタスクをタイマーによってゲーム化する」「終わらせたくなるTo-Doリストを作る」など、今日から使えるタイムマネジメントのメソッドが詰まっています。あなたも時間をマネジメントして、よりよい人生をデザインしてみませんか?
■自己肯定感が低くても悩まなくていい
第8位の『「自己肯定感低めの人」のための本』にもご注目ください。
本書はタイトルの通り、「自己肯定感低めの人」のために書かれた本です。といっても、テーマは自己肯定感の高め方ではありません。自己肯定感が低くても悩まない方法が書かれています。
本書で著者は、自己肯定感が低いのは現在のあなたの行動や能力のせいではなく、幼少期の経験から潜在意識に刻みつけられた「メンタルノイズ」が原因だといいます。メンタルノイズは、ついやってしまう、心のクセのこと。自己肯定感が低いなら、まずは自分のメンタルノイズのタイプを把握するのです。すると、何かあっても「メンタルノイズのせいだから仕方がない」と思うことができ、自分を責めずにいられるでしょう。
本書では、14種類のメンタルノイズが紹介されます。例えば「ダメ出しノイズ」は、「自分は重要でないほうがいい」と考えて責任ある立場を避けたり、すぐに妥協したりしてしまうノイズ。「ありのままの自分封印ノイズ」は、人と比べて劣等感を抱いたり、自分の軸がわからなくなったりするノイズです。
自己肯定感の低さに悩んでいるなら、まずは本書を読んで、自分がどのメンタルノイズにとらわれているのかを把握しましょう。そして、自分を責めるのはやめて、ノイズのせいにしてみること。少し心に余裕ができたら、本書で紹介される思考法やエクササイズを試してみるのもおすすめです。
■なぜ日本企業はDXに失敗するのか
最後にご紹介したいのが、第12位の『いまこそ知りたいDX戦略』。
現在、日本ではDX(デジタルトランスフォーメーション)ブームが起こっています。DXという言葉を耳にする機会が増えたり、DXのプロジェクトにアサインされたりした方もいるでしょう。
ですが実際のところ、多くの日本企業において、DXは失敗に終わっています。その原因は何なのでしょうか。
これまで100社以上の企業のDXを支援してきた著者は、日本企業のDXが成功に至らない原因を「FOMOの壁:何から手をつければいいかわからない」「POCの壁:なかなか実現フェーズに進まない」「イントレプレナー(社内起業家)の壁:リソースが足りない」の3つの壁として定義しています。
例えば「FOMOの壁」に直面している企業は、DXに関心を抱きつつも、何から始めればいいかわからず、実行できない状況にあります。DX室を新設したものの、アジェンダ、ビジョン、目的やロードマップなどが明確になっておらず、社内のヒアリングに時間を費やすばかり――これが典型的な、「FOMOの壁」の前に立ち尽くしている状態です。
このような企業がDXを進めるには、「何をやりたいのか」「どんな課題を解決したいのか」を明確にすることが大切だと著者はいいます。現場の抱える課題をヒアリングしていくと、「事務業務を自動化したい」「カタログの改訂を効率化したい」などといった課題が見えてきて、DXへの一歩を踏み出せるでしょう。
このように本書では、日本企業がDXに失敗する原因(壁)を特定するとともに、その壁をこえる方法を提示しています。「何から始めればいいんだろう」「思ったようにプロジェクトが進まない」と悩む前に、本書を手に取り、DX推進の足掛かりとしていただければと思います。
今月も、勉強法や読書法からマーケティングまで、幅広いジャンルの本がランクイン。ほかにも、先月第20位だった『学び方の学び方』(バーバラ・オークレー/オラフ・シーヴェ著、宮本喜一訳、アチーブメント出版)が第6位、第2位だった『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』(三谷宏治著、三笠書房)が第16位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。
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(flier編集部)
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