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「誰かの言葉をパクればいい」秒でバズる文章を書くための必殺テクニック

プレジデントオンライン / 2021年7月11日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/scyther5

自分の書いた文章を、より多くの人に読んでもらうにはどうすればいいのか。メディアコンサルタントの東香名子さんは「大事なのは中身よりもタイトル。私は普段からいい文章やヒット曲の歌詞をメモしている。いいなと思った表現をタイトルに活用する」という――。

※本稿は、東香名子『超ライティング大全』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■これまで執筆した記事は総計で1000万PV以上

メールや企画書、提案書、オウンドメディアやブログの記事に至るまで、仕事で文章を書く機会が増えた人はたくさんいるでしょう。しかし、中には「全然読まれない……」と落ち込んでいる人もいるのでしゃないでしょうか。

文章は、頭につけるタイトルに全力を注ぐべきです。どんなに中身のよい文章でも、タイトルで読み手の心をひきつけなければ、興味を持ってもらえません。

私は「鉄道コラムニスト」として執筆活動をしており、プレジデントオンラインをはじめ複数の大手メディアで閲覧数1位を獲得してきました。個人で執筆した記事のアクセス数は総計で1000万PVは超えるのではないでしょうか。これもひとえにタイトルのおかげだと思っています。

たとえば、東洋経済オンラインで出した「『おしゃれ女性』がたくさん乗る路線ベスト10」という記事。ここには、バズるテクニックがつまっています。たとえばネットユーザーはランキングものが大好きです。だから「ベスト10」としています。また、タイトルに数字を入れると視線がひきつけれられ、他の記事よりも目立ちます。そして「通勤路線」は多くの人が日常的に関わりを持つテーマです。自分の生活に関わりのありそうなタイトルを見ると、つい覗いてみたくなりませんか?

私はある女性サイトの編集長として、魅力あるタイトル付けにひたすらこだわった経験もあります。このサイトは、私が編集長となる前まで、月間アクセス数は1万PV程度でしたが、退任するときには650万PVまで伸びました。

みんなが「読みたい!」と唸り、そしてSNSで拡散されていく、いわゆるバズる表現を身につけるにはコツがあるのです。

■ピンときた言葉はメモして、自分も使ってみる

まず心がけてほしいのは、言葉の「インプット」です。ふだんの生活で、ピンときた言葉を見つけたときは、必ずメモを取るようにしましょう。

私は毎日、Yahoo!ニュースやTwitterのトレンドをチェックして、バズっている言葉を調べています。また、「Yahoo!リアルタイム検索」というアプリのランキング上位にあるタイトルもチェックしています。

「こういうワードにみんな食いついているのか……」と噛み砕いて理解しながら、リアルタイムで脳に書き込むイメージです。

気になる表現はとにかくメモ。スマホのメモ機能を使うのもいいですが、手書きで行うとさらに記憶に残りやすくなります。あえて清書したり、利き手でないほうで書くなど、時間をかけて書くことで、より頭に残りやすくなります。

同時に、気になった表現は、積極的に使ってみることも大切です。

たとえばあるニュースサイトで「地獄の倒産連鎖」という記事がヒットしていました。「◯◯連鎖」は何かがどっと押し寄せるような勢いのある言葉です。これを自分の得意分野の課題に置き換えてみましょう。

ポジティブな記事なら「新商品の完売連鎖」、ネガティブな記事なら「地獄の失恋連鎖」など、いろんな言葉を当てはめてみます。

上手にできたと思うものは、仕事仲間と共有しても楽しいです。大喜利のように、みんなでどんどんアイデアを出し合うなどして、バズるワードを、どんどん自分のものにしていきましょう。

こんなふうに言うと、「パクりでは?」と心配する人がいます。しかし一字一句のコピペではなく、自分の伝えたいことを絡めて表現すると、必ず自分自身の色がつくものです。オリジナリティは模倣から生まれるものだと私は信じています。

■「いいな」と思った文章は書き写す

他にもネタ帳に、好きな作家やいいなと思った人の文章を書き写すこともあります。上手な人の文章を書き写すのは、文章の上達につながるのでおすすめです。

私の場合、太宰治や坂口安吾が好きで、よく本の書き写しをします。

他にも最近、雑誌『致知』(致知出版社)に掲載されている記事の見出しをメモしました(写真)。

雑誌『致知』(致知出版社)に掲載されている記事の見出しをメモしたもの
写真=筆者提供

経営者が読むビジネス誌のタイトルを考えるという仕事だったのですが、『致知』と読者層が似ていると考え、日夜メモしたのです。すると、書いているうちに見出しの雰囲気をつかむことができ、「これは言葉を変えればテンプレートとして使えそうだな」といった発想が膨らんでいきました。

もし「こんな文章が書けるようになりたいな」という憧れの人がいれば、その人の文章を写経のように写してみてください。

続けるコツは、自分が好きなジャンルの文章を選ぶことです。苦しみながら興味のないジャンルを書き写しても、意味がありません。継続することに意味があります。楽しいから続くし、身につくのです。

雑誌をめくる女性の手元
写真=iStock.com/FabrikaCr
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/FabrikaCr

■旅行記事を書く前には、旅行メディアの文章を写す

小説に限らず、自分の執筆ジャンルに関する記事を書き写すのもいいでしょう。

私の場合、ビジネス、旅行、恋愛など様々な記事を執筆していますが、それぞれ文体のテンションは異なります。

ビジネスのように硬めの記事を書いた後に、旅行のようなカジュアルな記事を書くのは、気持ちの切り替えが難しいものです。

たとえば、旅行記事を書く前には、旅行メディアの文章を写してみましょう。すると自分の中で“旅行スイッチ”が入り、それにふさわしい文章がなめらかに出てくる気がします。

なるべく、正しい日本語を書き写すことをおすすめします。新聞、雑誌、書籍、大手ニュースサイトの記事は、掲載(印刷)前に校閲が入っています。正しい日本語かどうかをプロの目で細かくチェックしているので、内容に信頼が持てます。誤った日本語表現を身につけないよう、手本となるメディア選びにも注意しましょう。

■「ヒット曲の歌詞」をメモして語彙力を高める

語彙力を増やすために、ヒット曲の歌詞をメモすることもよくあります。ヒット曲はバズる単語の宝庫で、人々の心をつかむワードがたくさんちりばめられています。

私は昭和の歌謡曲が好きで、歌詞が1000曲掲載されている書籍『思い出のカラオケ名曲1000 歌いつぎたい、日本の歌謡曲』(日本文芸社)を見ては、記事やタイトルに生かせる表現がないかをよく探しています。

有名な歌詞をもじってタイトルに生かせば、「あれ、あの歌詞に似てる」と、読者が目を留めてくれるきっかけになります。

たとえば、明るく爽やかな恋愛記事にタイトルをつけるとしましょう。単に「素敵な恋」とするのは、何だかもったいない気もします。そこで、この記事のバックグラウンドに流れている曲がないかを想像します。

たとえば、昭和に活躍した女性アイドルの歌詞を参考にして、

「珊瑚礁のように青い恋」

という表現はいかがでしょうか。

「素敵な恋」より「珊瑚礁のように青い恋」としたほうが、ぐっと表現力が増し、より透明感を感じますよね。

■歌詞を引用する際はJASRACのサイトで確認を

先日、雑誌『プレジデント』(プレジデント社)の記事で、男女が両想いになることの難しさについて調査した記事があり、そのタイトルは「いつまでたっても恋の矢があなたの胸に刺さらない理由」でした。

東香名子『超ライティング大全』(プレジデント社)
東香名子『超ライティング大全』(プレジデント社)

「あっ、あの歌だ!」とピンとくる人がいるかもしれません。とても印象的な詞であり、切なさが表現されています。私の好きなタイトルのひとつです。

他にも、情念のこもった重苦しい愛情表現、お酒についての表現は、演歌が参考になります。ただメロディを愛でるだけでなく、歌詞の奥深さを注視すると、文章を上達させるきっかけになります。

なお、個人・法人にかかわらず、JASRACが楽曲管理をしている歌詞をネットに掲載する場合は、許諾が必要です。

ただし、アメーバブログやはてなブログなど、運営事業者がJASRACと許諾契約を締結しているサービスの場合、許諾を得る必要はありません。ヒット曲の歌詞をそのまま引用する場合は、必ず事前にJASRACのサイトで確認しましょう。

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東 香名子(あずま・かなこ)
メディアコンサルタント
鉄道コラムニスト。外資系企業、編集プロダクション、女性サイト編集長を経て現在フリー。編集長時代、月間アクセス数を650倍に伸ばす。また鉄道旅行に詳しい乗り鉄としてコラムを執筆。All About旅行ガイド。メディア出演多数。著書に『100倍クリックされる 超Webライティング バズる単語300』(パルコ)ほか。

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(メディアコンサルタント 東 香名子)

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