ひろゆき「給料のいい仕事よりストレスのない仕事を選ぶほうがいい理由」
プレジデントオンライン / 2021年8月26日 10時15分
※本稿は、ひろゆき『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)の一部を再編集したものです。
■逃げたぶんだけプラスが増える
僕は、何かをするための時間を無理やり確保しようと思ったことはありません。
ただ、「イヤなことに時間を使わない」ということは昔から意識しています。
日本でひとり暮らしをしていたころ、僕はバイクに乗っていたのですが、これもイヤなことに時間を使わないようにするためでした。
たとえば、夜にミーティングがあった場合、終電を逃してしまうと、「もう帰りたい」と思っても朝までいる羽目になります。
バイクなら「じゃあ、そろそろ帰りますね」と言って、自分が帰りたいタイミングでさっさと帰れます。
要するに、当時の僕にとって、電車は自分の行動を制限するものだったので、自由に行動できるようバイクに乗っていたわけです。
イヤなことをする時間は、間違いなく自分にとってマイナスです。
そこから逃げればゼロになるし、きっと逃げた先では楽しいことに時間を使うはずだから、プラスになる。
ということは、とりあえずイヤなことから逃げ続ければ、自動的にプラスが増えていくんじゃないかと思うのです。
■ジワジワ系のストレスが一番厄介
生活コストが上がる理由の第1位は、おそらくストレスです。
たとえばキャバクラで働いている女性は、赤の他人の酒臭い息を浴びたり体を触られたりと、基本的にストレスが多い仕事です。
そのぶん、もらえるお金も多いのですが、ストレス解消のために高い洋服を買ったりとか、ホストクラブに通ったりとかするから支出も多くなる。
支出をまったく増やさずに暮らせるタイプだったら、相当お金が貯まるのでしょうけど、実際問題どうなんですかね。
こんなふうに、自分にとって「イヤな思いが伴う仕事」をしている人は、たとえ給料がよくてもストレス発散のための支出が増えて、結局、生活コストが上がってしまう場合が多いのです。
実際問題として、ストレスには、いいところがひとつもありません。
困難や逆境は、後から「あの出来事があったから今があるんだよね」と思える可能性もありますが、ストレスは、それとはまったく別種のものです。
たとえば、どこかに頭をぶつけると痛いですよね。こういう強い痛みを感じるとき、脳内ではアドレナリンが分泌されて、瞬間的にストレスが消える作用があるんだそうです。
それと同じで、困難や逆境などダメージの度合いが大きいとき、むしろストレスは溜まりません。一度に受けるダメージは大きくても、必死に乗り越えたり過ぎ去って忘れたりしてしまうので、気持ちをリセットできる場合が多いんだと思います。
厄介なのは、日々、ジワジワと自分を苛むストレスです。これは、まず精神、さらに肉体へと悪影響を及ぼします。
■「貧乏だけど幸せ」な人は無敵
よりラクに暮らすために、給料のいい仕事を探すのもひとつの方法ですが、そこで生じるストレスのためにお金がなくなるとしたら本末転倒じゃないでしょうか。
仕事のストレスを抱えていると、「パーッと買い物しよう」とか「レジャーに行こう」「おいしいもの食べに行こう」とか、必ず気分転換したくなります。
前にも話したように、ストレスは、お金をかけずに楽しむことで発散できるといい。これはとても有効な方法です。だけど、もうひとつ踏み込んだ考え方として、そもそもストレスがなければ、お金を使ってストレス発散する必要もないわけです。
となると、ストレス発散のための支出が増えないから、それほど給料が高い仕事じゃなくても幸せに暮らしていけます。
ストレス発散にお金を使えるくらい、給料のいい仕事を探すよりも、それほどストレスを感じずにすむ道を探る。取り組む順序を逆にしてみるのも、いいんじゃないかと思います。
■「お金が好き」は不幸のもと
「あの人はお金が好き」と言われる人が、「お金を貯めるのが好き」と考えていることはあまりありません。たいていの場合、貯めるためではなく、使うためにお金が欲しいわけです。
「あるだけお金を使う」というクセがある限り、当然、お金は貯まりません。そんな人が少しでも収入が減ったら、以前のようにお金を使えなくなって、ストレスが溜まります。
つまり、「お金が好き=お金を使うのが好き」な人たちは、すでに多かれ少なかれストレスや不安を抱えていることになります。
「欲しいものが買えないストレス」や「収入が下がったら使えるお金が減ってしまうという不安」がつきまとっているわけです。
こんな具合に、幸せにお金を介在させると、不幸になる率は確実に高くなります。
お金を使うことがそれほど好きでなければ、こんな不幸は最初から味わわずにすむんじゃないでしょうか。
だとしたら、「お金があると、お金を使える。すると楽しくて幸せになれる」という魔の公式から、早めに抜け出したほうがいいと思います。
■月3万円で生きていける
実際、お金を大して使わなくても事足りることは多いし、楽しい思いだって十分できますよ。
たとえば僕は、飛行機に乗るときはエコノミーシートを選びます。
仮にパリから東京に飛ぶとして、シートに座っている時間の長さは同じなのに、ビジネスクラスとエコノミークラスとでは10万円以上、値段が違います。
見方を変えれば、25万円のビジネスクラスではなく10万円のエコノミーを選んだことで、「15万円トクした」とも言えるわけです。
たしかにビジネスクラスのほうが乗り心地はいいだろうし、機内サービスも充実しているだろうとは思います。でも、少なくとも僕は、ちょっといい席とサービスのために、15万円もの差額を払う気には到底なれません。
それよりも、エコノミークラスを選んだことで「よし、最低限のコストで目的を果たした」というトクした気分で乗れてしまう。「ビジネスクラスだったら、もっとよかったのに……」とは全然思いませんね。
あと、日本で友だちと飲んだりして終電を逃したときなども、たいていは歩いて帰ります。歩いていれば、その時間にいろいろ考えられるし、健康的だし、タクシー代が何千円も浮いてトクすることだらけだと思うと、3時間とかでも平気で歩けてしまいます。
こういう考えだと、生活費もあまりかかりません。1日1食程度で外食もほとんどしないし、遊びと言えば家で好きなことをやることなので、僕の生活コストはかなり低いですよ。
僕ひとりだったら、海外旅行や東京への渡航費などイレギュラーな出費を除いたら、生活費としては月に3万円もあれば十分楽しく暮らせます。
■「欲しい」の本質を考えてみる
お金と幸せを切り離して考えるっていうのは、こういうちょっとした見方とか暮らし方の違いなんじゃないかなと思います。
たとえば、すごく欲しい高級ブランドの洋服があるけれど、自分の給料では買えないとします。
「その洋服を自分のものにしたい」と思っている限り、「買えない」という事実を不幸せに感じてしまいますが、「自分は、その洋服を着て外出したい」「だったらレンタルでもよくない?」という見方ができれば、不幸は感じないでしょう。
そもそもの欲求は、「その洋服を着て外出すること」です。だったら、同じものを持っている友だちを探してもいいし、もっと極端なことを言えば、友だちや兄弟姉妹にうまくすすめて買わせたうえで、自分が着たいときだけ、ちゃっかりと借りたっていいわけです。
僕も、読みたい本は友だちに借りる、というのが割と普通です。
別に狙ってやっているわけではないのですが、「こういう本があって、すげえ面白そうなんだよ」とか話すと、みんな、「へえ、じゃあ読んでみようかな」なんて言って、けっこうすぐに買ってくれます。
でも、そういう人って「積ん読」が多いんですよね。だから「すぐに読まないんだったら、貸してよ」っていう感じで、よく借りています。
自分が読んで面白かったら、本来の持ち主である友だちにもすすめるし、イマイチだったら率直にそう伝えます。
そうすれば、その友だちはイマイチな本を読まずにすむ。ある意味、「ウィン・ウィン」なのです。
まあ、面白いかどうかは、あくまでも僕フィルターだし、イマイチだった場合、その友だちは本を買った金額ぶん、損するわけですが。
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2ちゃんねる創設者
本名は西村博之。1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、『無敵の思考』『働き方 完全無双』(大和書房)、『論破力』(朝日新書)などがある。
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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)
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