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「アルプスの雪がとけるように肩こりが治る」唱えるだけで即座に効く"魔法のフレーズ3"

プレジデントオンライン / 2021年9月24日 10時15分

イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』

肩こりの根本原因は「姿勢の悪さ」「筋緊張」だといわれる。しかし、よい姿勢を筋緊張なしで保つのは難しい。理学療法士で、アレクサンダー・テクニーク国際認定教師の大橋しん氏は「あるフレーズを唱えると、脳が錯覚を起こして、リラックスしたままでも、よい姿勢をつくることができる。その結果、肩こりは即座に改善していく」という——。

※本稿は、大橋しん『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

■無意識に首回りの筋肉を緊張させてしまう

私は多くの方の体を診てきましたが、自覚のない方も含めて9割以上の方は無意識のうちに首回りを緊張させていました。その原因は大きく2つあります。

まず、肩をいからせたりすぼめたりしていること。首が縮こまってしまいます。そして、胸を張ろうとしすぎること。背中が狭くなって、首の筋肉も引きつってしまうのです。

左右の肩を離し、首回りの緊張をゆるめていきましょう。

イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』
イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』

その際のポイントは、頑張りではなく脱力によって、自然と正しいポジションに導かれていくようにすること。これを「脱力しよう!」という努力で実現させるのは難しいので、言葉の力を借りていきます。言葉を唱えると、頭の中でイメージが生まれます。そのイメージは感覚的な体験をもたらし、本当にそのようになっていくのです。

■縮んでかたまった首・肩を解放するフレーズ

【魔法のフレーズ1】春、アルプスの雪がとけるように、両肩がゆっくり離れていきます。

イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』
イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』

姿勢以外に改善できる症状

・肩こり・首こり
・頭痛
・息切れ
・不眠
・自律神経失調症
・更年期障害

日本アルプスなど山すその雪は、春になって暖かくなってくると、日に日に雪解けが進んでいきますよね。そうして、ゆっくりと緑の面積が増えていきます。

魔法のフレーズをとなえながら、その雪解けに合わせて、ゆっくり、ゆっくりと両肩が広がっていくのをイメージしてみてください。コツは、左右はもちろん、四方八方に広がっていくようにすることです。

良い姿勢を保つには体がユラユラとゆらいでいることが大事なのですが、この「ゆらぎ」は、1つの方向に限定されるものではありませんから、肩や首、背中も、雪解けに合わせてゆっくり、いろいろな方向へ流れていったほうがよいのです。このイメージがつかめると、縮こまっていたり、ひきつっていた首回りの筋肉の緊張がとけたように消え、首がゆるやかに伸びて、姿勢もすっと立ってきます。

■目の緊張も肩こりの原因

目は、知らず知らずのうちに力が入ってしまう場所です。無意識にパソコン画面を凝視したり、イライラして目を吊り上げている人も多いでしょう。

日頃から酷使しがちな目は、体の筋緊張を呼び起こす原因になっています。目の緊張は、首、頭、そして全身に広がっていきやすいのです。眼球は、緊張しているとき、眼筋によって後ろから引っ張られています。

このフレーズでは、奥のほうに押し付けられた目玉がぷかぷかと浮かぶイメージによって、目を緊張から解放していくものです。

イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』
イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』

■目の疲れと緊張をとるためのフレーズ

【魔法のフレーズ2】目玉はいつも水の中で漂(ただよ)っています。

イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』
イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』

姿勢以外に改善できる症状

・目の疲れ
・ドライアイ
・目の充血
・緊張性頭痛
・目尻や眉間のシワ

私たち人間には、視覚で体のバランスをとろうとする神経回路が走っています。姿勢と目は相互に影響し合っているため、どちらかが緊張すれば、もう一方も緊張してしまいます。その悪循環を断とうというのが、このフレーズです。

ものを見るとき、対象をつかみにいくかのように「見よう見よう」としすぎると、どうしても目は緊張してしまいます。目は、映像を脳に送るだけのレンズにすぎません。ぷかぷかと浮かんでいるかのようなくつろいだ目を通って、映像が入ってくるままに任せてみましょう。

この感覚がつかめると、目があまり疲れなくなります。また、ドライアイ、目の充血、緊張性頭痛などに悩まされることも少なくなるはずです。それに、目尻のシワや眉間のシワも少なくなり、いつも険しい表情をしていた人が別人のようにやさしい表情に変わることもあります。

■人はストレスがかかると歯を食いしばる

目と同様に、口も無意識に力が入りやすい場所です。ストレスがかかると、知らないうちに歯を食いしばっていたり、口の中がカラカラに渇いていることがありますよね。これは、口や口の中が緊張している証拠です。

実はあごの筋肉と舌の筋肉(あまり知られていませんが、舌は筋肉のかたまりです)は、首の筋肉と密接な関係があるので、背骨と頭の位置関係に影響します。これらは、必ず連携して動いているのです。

ですから、口や口の中をかためて、あごと舌の筋肉を緊張させてしまうと、つられて首の筋肉も緊張して下に押しつぶされてしまいます。すると、「姿勢の急所」が緊張から解放されないのです。その結果、体の緊張やこわばり、そして姿勢の悪化を招いてしまいます。

イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』
イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』

■あごや口元の緊張をとるフレーズ

【魔法のフレーズ3】歯茎(ぐき)に血液が通い、舌はおもちのようにふっくらしています。

イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』
イラスト=『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』

姿勢以外に改善できる症状

・顎関節症
・ドライマウス
・虫歯
・口臭

この魔法のフレーズがもたらすイメージは、口や歯、舌を動かす筋肉の緊張をほぐしてくれるので、口の中のスペースが広くなっていきます。それにともない、あごの筋肉がほぐれて、「姿勢の急所」が解放されやすくなります。したがって、ゆらぎ状態の中で、骨で立つことがしやすくなるのです。

また、唾液がほどよく分泌されるようになり、口の中が潤います。口や舌もなめらかに動くようになると、口やのどの免疫機能が高まって感染症にもかかりにくくなっていくのです。

■緊張から解放されれば姿勢は勝手によくなる

「もう辛くて、オルガンを弾くのはやめようと思っているんです」

ある日、私にそう訴えかけた女性がいました。硬直した腕の痛みに耐えかねて訪ねて来られたのです。

彼女は毎週私のところに通われ、半年後、フランスのルルドで、世界遺産の教会にあるオルガンを演奏する夢を叶えました。それを報告してくださったとき、彼女の姿勢は凛としたユリのように美しく、輝いて見えました。体の形の話ではなく、その人そのものの印象としてです。きっと今も専属の教会で弾き続けていると思います。

大橋しん『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)
大橋しん『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)

僕は医療の手から溢(こぼ)れた人々を見続けてきました。さまざまな理由で僕のところへ流れ着き、思いの丈を吐露します。救われる当てのなかったことを、医療にも、そして僕にも期待していないことを。僕はそんな人々の体に手を乗せ、体は何を訴えているのか、耳を澄ませます。

体は体で言いたいことがあり、それはいつも筋緊張として現れています。その望みを聴き、僕ができることを手伝います。怖くて目を開けられない子どもに、「大丈夫だから、目を開けてごらんよ、一緒にいるから」というような具合に。

自由にしていいことがわかると、体は天に向かって伸びて、花開いていきます。それを見て他人は「姿勢がよくなった」と言うのです。

本当は、姿勢にこだわる必要なんてないと思っています。緊張から解放されれば、体は勝手に望む方向へ行くので、姿勢はよくなっていく。条件さえそろえば、人は勝手に美しくなっていく。

カギは、「こうしなきゃ」「これじゃダメだ」という、頭の支配から体を解き放つこと。そのためのヒントを満載したつもりです。魔法のフレーズが、あなたのこれからの人生の一助になれば幸いです。

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大橋 しん(おおはし・しん)
理学療法士、アレクサンダー・テクニーク国際認定教師
岐阜生まれ、神戸在住。(株)フローエシックス代表取締役。ドイツでチェロの修業中にアレクサンダー・テクニークを知り、帰国後に理学療法士とアレクサンダー国際認定教師の資格を取得(両資格の所有者は国内初)。救急病院勤務を経て、整形外科クリニックにて「特命理学療法士」として数々の難しいケースを解決。2020年に独立し、リハビリと太極拳を中心としたスタジオを開設。姿勢改善の研究成果を積極的に学会で発表しており、医療だけに頼らない健康とケアのあり方を提案している。著書に『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)がある。

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(理学療法士、アレクサンダー・テクニーク国際認定教師 大橋 しん)

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