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「すみません、今日は予定があって」相手を不快にしないで済むかを決める"次の一文"

プレジデントオンライン / 2021年9月28日 9時15分

※写真はイメージです。(写真=iStock.com/fizkes)

相手を不快にさせずに断るにはどうすればいいのか。『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』(アスコム)を出した心理研究家の津田秀樹さんは「角を立てずに『ノー』を伝えるには4つのポイントがある」という――。

※本稿は、津田秀樹、西村鋭介『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』(アスコム)の一部を再編集したものです。

■断るスキルを身につけて自分を守る

会話やコミュニケーションの悩みにはさまざまなものがありますが、特に難易度が高く悩む人が多いのが、相手からの誘いや依頼を断ることです。

みなさんのなかにも苦手としている人が多いのではないでしょうか。

しかし、きちんと断ることができないと、余計なことまで引き受けてしまって後悔したり、相手を怒らせてしまい人間関係に問題が生じるなど、より大きなストレスの原因になってしまいます。できないことをできないと伝えるのは、特に仕事においては、かなり重要なコミュニケーションスキルと言えるでしょう。

今回は拙著『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』(アスコム)より、相手を不快にさせることなく、上手に断るコツをお伝えしたいと思います。

■断り下手がやってしまいがちな2大失敗パターン

何かを断るときにまず大事なポイントは、こちらの2点です。

ポイント(1)返事を引き延ばさない
ポイント(2)本当は嫌なのに我慢して引き受けたりしない

断るのが苦手な人がついやってしまいがちなのが、「ちょっと考えさせてください」「あとでお返事します」などの時間稼ぎです。

断り切れなくて、とりあえずその場を逃げようとしてしまう、あるいは時間を稼いで断るためのうまい言い訳を考えよう、という場合もあるでしょう。

でも、そのあいだ相手はほかの人を探したりほかの策を考えたりせず、ずっと待っていることになります。ですから、断られたときに「だったら最初から言ってくれればいいのに。時間を損した」と思ってしまいます。待たせた分だけ、かえって相手の感情を害してしまうのです。

断るのが苦手な人が、さらによくやってしまいがちなのが、本当は嫌なのに我慢して引き受けてしまうことです。相手から嫌われたくなくて、「自分が我慢すればいいんだから」と、自分の気持ちや都合を犠牲にしてしまうのです。

それで我慢できるうちはいいかもしれませんが、いつかは限界がきてしまいます。

あなたの手に余ることを頼まれても断れず、結局こなせなくて信頼を失うかもしれません。あるいは、あなたの中に、頼みごとをしてくる相手を恨む気持ちが生まれ、より大きなストレスになってしまうかもしれません。

また、いったん引き受けておいて「やっぱり無理です」とあとから断れば、最初から断る以上に相手の怒りを買うのはいうまでもありません。

いずれにせよ、大切にしたいはずの他人との友好的な関係を、自分の手で壊してしまうことになるのです。そうならないためには、断りたいことは、最初からきっぱり断ることが大切です。

■相手を不快にさせない「ノー」の言い方

では、うまく断るためにはどうしたらいいのか。

人に何かを頼んで断られたとして、腹が立たないのはどういうときか……相手の立場に立って考えてみることが大切です。

最初から無理だということがはっきりしていて、その事情が納得でき、断った側も申し訳なく思ってくれていて、なおかつ断られても困らないときです。これなら、しょうがないなと思えるでしょう。

つまり、断るときには「最初からはっきり断る」+「断る理由や事情をちゃんと説明する」+「謝る」+「相手が困らないように代案を出す」というやり方を取ればいいということです。

例えば、用事があって早く帰りたい日に、上司や同僚から残業を頼まれてしまった場合。

× すみません、今日は無理です
○ すみません、今日は予定があって無理ですが、明日なら大丈夫です

×の例のように、「無理です」とだけ言われてしまうと相手はムッとしてしまうかもしれませんが、○の例のように「はっきり断る」+「理由」+「謝罪」+「代案」という4つのキーワードが入っていれば、相手もこちらの気持ちや事情を理解してくれるはずです。

順番はこの通りでなくて構いませんので、4つを上手く盛り込むようにしてみましょう。断り上手な人は、このキーワードをうまく使うことで、角を立てずに断ることができているのです。

肯定的なフィードバック
※写真はイメージです。(写真=iStock.com/anyaberkut)

相手が困らないような代案を出せないときには、「相手が損をしないように」という視点で考えてみましょう。断られることで相手は当てが外れるわけで、損をしたと感じます。それを別の形で埋め合わせすることを提案するのです。

例えば、「すみません、今日は予定があって○○業務のお手伝いはできないのですが、代わりに来週の××会議の資料は私の方で準備しておきます」というような言い方です。

これなら、相手は損をしないので、嫌な気持ちになることもないでしょう。

なお、代案も埋め合わせも難しい時には、困っている相手と一緒になって、どうしたらいいかを考えてあげるようにしましょう。親身になって考えてあげれば、あなたのその気持ちが伝わり、それだけでも相手の気持ちはほぐれます。

■それでも相手の機嫌を損ねてしまったら…

「はっきり断る」+「理由」+「謝罪」+「代案」で、どんなにきちんと断っても、中には機嫌を悪くしてしまう人もいるでしょう。もし気まずい雰囲気になった場合でも、継続的にコミュニケーションを取らなければいけない相手であれば、できるだけその人を避けたりせずに、こちらから積極的に話しかけていくことが大切です。

それでも相手の態度がひどいものだったら、どうすればいいか?

対人関係は、車の運転のようなものです。こちらがいくらきちんと交通ルールを守って走っていても、相手が勝手に暴走してぶつかってくることがあります。トラブルを完全に避けることは、誰にも不可能なのです。

暴走車だなと思ったら、なるべくそばに寄らない、関わらないようにするしか手はありません。

■一番大切なのは相手も自分も傷つけない「言葉の選び方」

ここまで、上手な「断り方」についてお話をしてきましたが、人との会話やコミュニケーションにおいて一番大切なのは、人を傷つけたり・傷つけられたりしない言葉の選び方、使い方を身につけることです。

津田秀樹、西村鋭介『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』(アスコム)
津田秀樹、西村鋭介『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』(アスコム)

何かを断る場合でも、相手を不快にさせない、傷つけない伝え方ができれば、自分自身も相手から傷つけられたりすることなく、良い人間関係を続けていくことができるでしょう。

本書では、今回お話した「断り方」以外にも、上司や部下、同僚や友達、夫婦や親子の会話などさまざまなシーン別に、人を傷つけてしまう「損する言葉」を「好かれる言葉」に言いかえる方法をご紹介しています。詳しくは書籍の中でご説明していますが、「極端語を使わない」「質問形式で責めない」など、ちょっとしたコツを取り入れるだけで、人間関係はぐんとスムーズになります。

「傷つく」と「傷つけられる」は表裏一体です。相手を傷つける攻撃的な言葉を使えば、傷ついた相手から同じようにきつい言葉で攻撃されるという悪循環に陥ってしまいます。

逆に、人を傷つけない言葉、やわらかい言葉を使うようにすれば、相手からもあたたかい言葉や反応を返してもらえるようになり、職場や家庭、友人関係など、さまざまなところで好循環が生まれるようになるでしょう。

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津田 秀樹(つだ・ひでき)
心理研究家
筑波大学卒。『anan』や『non-no』などの雑誌の心理テスト作成、携帯公式心理サイトの主宰、心理学的映画紹介、心理マンガ(原作)、就職適性検査の対策本の執筆、ニンテンドーDSのソフトのディレクションなど多方面で活躍。著書に『迷いがなくなる心理学 人生のサンタク』(PHP研究所)、『ジーパンをはく中年は幸せになれない』(アスキー新書)など。

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西村 鋭介(にしむら・えいすけ)
精神科医
精神保健指定医、精神科専門医。東京大学中退、国立大学医学部卒業。現在は理論的心理学と、科学としての精神医学を統合させ、悩みに潜む心理学的背景を解析するとともに、それを病院での臨床の場に実際に応用。「心理学」と「精神医学」の二方向からのアプローチで、人の悩みの真の解決を目指し、日々活動中。携帯公式心理サイトで、「ココロコラム」と「お悩み相談」のコーナーを長年担当。

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(心理研究家 津田 秀樹、精神科医 西村 鋭介)

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