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堀江貴文「本当のお金持ちがせっせと貯めている、お金より大事なあるもの」

プレジデントオンライン / 2021年10月6日 15時15分

撮影=的野弘路

大きな資産を築く人は、お金とどのように付き合っているのか。実業家の堀江貴文さんは「お金持ちと言われる人たちの多くは、決して貯金上手ではない。お金をあるだけ興味の対象に使い、貴重な体験を蓄え、気づいたら資産家になっている」という——。

※本稿は、堀江貴文『破戒のススメ』(実務教育出版)の一部を再編集したものです。

■ふだんの「貯金」額は1000万円を超えたことがない

いまだに、僕は資産家と思われているふしがある。

交流関係を厳選しているので最近はだいぶ減ったが、いまだに初対面の人から「堀江さん、ぶっちゃけいまいくら持ってますか?」と無遠慮に聞かれたりする。

失礼すぎない? ていうか、お前に言うわけないだろ! と、キレたくなる。

たしかに僕は、数十のプロジェクトを回し、大部分は黒字成績を挙げているので、まあまあの定期収入はある。よく、有名な経営者が謙遜して「全然、自分なんか稼いでませんよ」と言うが、僕はそんな無意味な謙虚さは持たない。

大儲けしているわけではないけれど、やりたいことをやるのに必要な資金は、ほぼ自力で工面している。ふだん使っている出費だけを見れば、おそらく日本では富裕層の部類に入るのだろう。

でも実は、手元に置いてあるお金は多くない。ふだんの「貯金」額は1000万円を超えたことがないし、現金はほぼ持ち歩かない。いくら持っているか? という意味では、大手企業に勤めて退職金を受け取ったり、地道にNISAやiDeCoに投資している人の方が、お金持ちだと思う。

では、僕は稼いだお金を何に使っているのか? スタートアップへの投資やロケット開発、海外旅行、仲間たちとの遊びにすべて注ぎこんでいる。特にロケット開発では、事業に着手してから実に60億円以上の私財を投じた。これからも投じ続けることになるだろう。

僕は、人より稼いでいる。同時に、人の何倍も浪費家だ。

それでいい。お金が足りなくて困ったことは、一度もないからだ。使えば使うほど、自由になるお金が増えていった気がする。

■「現金貯金より、経験貯金」が資産家への確実なルート

お金をお金のままで持っているのは、無意味だ。やりたいことのために使いきることで、初めて用途が活かせる。収入があったとき「ひとまず貯金しよう」などと、バカなことをしてはいけない。

実業家の堀江貴文さん
撮影=的野弘路

使うことが存在意義のお金を、使わずに貯めておくのは骨董品収集と大差ない。置いておけば市場価値が上がるかもしれないぶん、骨董品の方がまだマシだ。

1万円を寝かせておいて、1万円以上の価値になるわけがない。遊びや投資に使って、1万円以上の価値を生み出すのが人間の知恵であり、お金という便利な道具を考えついた先人への礼儀というものだ。

お金を得たら、新しい挑戦や、好奇心を満たす遊びにすべて使いつくしてほしい。そうすることで、生きた経験が身につく。経験こそが、人生を楽しく豊かなものにする。経験は、あなたのステージや、見ている景色をいまよりもはるかに高めてくれるのだ。

お金持ちと言われる人たちの多くは、決して貯金上手ではない。お金をあるだけ興味の対象に使い、貴重な体験を蓄え、気づいたら資産家になっているような人たちだ。

「現金貯金より、経験貯金」が資産家への確実なルートなのだ。

■お金より経験を得るチャンスを増やす

僕は大学生になって以降、貯金をまったくしていない。財布の中身が尽きて、手作りの粉もの料理で空腹をしのいだり、人並みに貧乏学生生活を経験した。でも、平気だった。

アルバイトで多少まとまったお金が入れば、友だちと遊びに行き、見聞を広めるために景気よく使った。使うだけ使いまくって、後悔したことはない。お金を使って得た経験によってコミュ力は上がり、優秀な人との出会いも増えた。

起業して以降、事業は急成長して、銀行口座には信じられない額のお金が入ってきた。残していれば、いまごろ悠々自適の億万長者だったかもしれない。でも、貯金額を維持するより、若いときだけに得られる出会いや運、興奮や体験をお金で取りに行くことの方が、何百倍も大事だった。

僕が身につけた数えきれないほどの体験は、もう同じ額のお金を投じても取り戻せない。不要不急を重ねて、どっさり積んだ経験こそが、僕の本物の財産だといえる。いまという時間を楽しみ、お金は好きなだけ使ってしまえ! もしパートナーが「ブロック」などしてくるようなら、僕はためらいなく別れるだろう。自分のコアとなる価値観を否定する人と一緒にいて、幸せになれるとは到底思えないからだ。ムダな貯金で、人生の価値を高めるチャンスを失ってはならない。

■「不要不急」だった借金のおかげで成功した

東大生だった23歳のとき、起業資金の600万円を当時付き合っていた彼女の父親から借りた。実業家としてのキャリアは、借金からのスタートだった。

ビジネスの経験は、当然ゼロ。何の保証もない若者が背負う借金としては、大変な金額だった。普通なら躊躇するだろう。周りの大人からは「自己資金を少しでも貯めてから始めなさい」と説教に近いアドバイスをされた。

けれど僕は、怖じ気づかなかった。本気でやりたかった、インターネットビジネスの海に飛びこむ興奮が、借金の不安を完全に上回っていたのだ。

起業直後から、IT革命の巨大なムーブメントに乗っていけた。興奮は、冷めるどころか高まる一方だった。僕は若手起業家として、急成長した。

600万円の借金は、1年ほどで完済できた。数年で、最初の借金の10倍以上ものお金を動かせるようになった。学生の僕にとって「不要不急」だった借金のおかげで、ビッグマネーの最前線を目の当たりにできた。ネットビジネスの中心で、歴史をつくっていく当事者になれたのだ。

実業家の堀江貴文さん
撮影=的野弘路

■お金はタイムマシン

借金という大きなリスクがてこになり、高いジャンプを果たせたのだ。本当に借りて良かったと思う。忙しい中、常に頭にあった「お金を返さなくては」という義務感は、いま考えると本気でやりたいことをやっている者に与えられた勲章だった。

もしあなたが、やりたいことや本気で欲しいモノがあるなら、借金してでも願いを叶えてほしい。悠長にお金を貯めている間に好機を逃したら、取り返しがつかない。

「チャンスの女神には前髪しかない」というたとえは、的を射ている。願いのサイズではなく、時間を短縮しよう! 「お金はタイムマシン」なのだ。

最初に起業したときの僕が、自分で600万円を用意していたら短くても1年くらいは費しただろう。その1年の遅れで、インターネットバブルに乗り損ね、優秀なビジネスマンたちとの出会いも逃していた可能性が高い。

困ったら借りろ! 頭を下げまくれ! と言いたい。いまは僕らの時代と違い、無名の人でもお金を借りる方法がたくさんあるのだから、利用しない手はない。

■資金集めはクラウドファンディングがおすすめ

ビジネスを始めるのに融資を求める場は、昔はまずは銀行だった。それも悪くはないが、条件設定や担保保証など、最初の借り先としてハードルは決して低くない。しかし、金融公庫の貸し付けや行政の支援制度など、近年は各自治体が積極的にスタートアップを後押ししているので、交渉しやすくはなってきている。

実業家の堀江貴文さん
撮影=的野弘路

いまおすすめできる手段は、やはりクラウドファンディングだろう。ビジネスプランが魅力的であれば、応援する人の好意で必要な資金が集められる。会ったこともない、まったく知らない人から資金の援助をしてもらえるなんて、借金のための銀行通いが当たり前だった時代からすれば夢みたいなサービスだ。

けれど、そんな便利なサービスでさえも、ためらっている人は多いという。「魅力的なプレゼンができない」「リターンを考えるのが面倒くさい」など、できない理由ばかり並べ立てる。「結局、クラファンも知名度のある人が勝ちやすい不公平なサービスだ」という意見さえ、聞こえてくる。

■開業資金が集められなければ売り上げも無理

はっきり言って、やる前からできない理由を考えたがる人は、ビジネスに向かない! 最初から1万円のリターンを他人に提示できないような人間が、仕事で1万円以上の利益を挙げられるはずがないだろう。

堀江貴文『破戒のススメ』(実務教育出版)
堀江貴文『破戒のススメ』(実務教育出版)

多くの人は理解できていない。起業時の資本金と、営業して得られる売り上げは、会計上の勘定科目は違うが、キャッシュインの意味では同じなのだ。つまり営業は、会社を立ち上げてからではなく、立ち上げの前から始まっている。開業資金を集められないというのは、売り上げを出せません、と公言しているのと変わりないのだ。

本気の熱意があれば、資金集めは必ず成功できる。逆に、プレゼン段階で失敗したりくじけてしまうようなら、本気でやりたいわけではないのだと思われても仕方ない。

クラファンのほか、SNSでの広報活動や、ビジネスコンテストへの参加など、お金持ちにアプローチする方法は数多い。いまは恵まれているのだと気づき、「でも」「だって」を禁句に、お金を貸してもらえる営業に知恵を絞ろう。

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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年、福岡県生まれ。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。また、会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』『本音で生きる』『多動力』『東京改造計画』『将来の夢なんか、いま叶えろ。』など著書多数。

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(実業家 堀江 貴文)

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