「35歳の時に『情熱大陸』に出演する」夢がかなう人は"未来年表"に何を書いているか
プレジデントオンライン / 2021年11月28日 11時15分
※本稿は、原邦雄『毎日が、ストレスフリーになるための「自分ほめ」』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
■エモーション(感情)は、モーション(体の動き)から
「原さんはとても行動力がありますよね。毎日すごいやる気満々なんですか?」
私はよくこう聞かれます。実は私には、あまり「やる気」がありません。トライアスロンのトレーニングもいつも全力というわけではなく、ずっと35点ぐらい。途中から徐々に、やる気を出す感覚です。
というのも、体を動かしているうちに、自然とやる気はわいてくるから。「エモーション(=感情)は、モーション(=体の動き)から」というのが私の信念。無理にやる気を出さなくてもいい。まずは体を動かしてしまえというわけです。
だから、トライアスロンのためにおこなっている朝7時からの水泳も、最初は眠たい目をこすりながらのスタート。どう見ても、やる気はありません。そんな調子で、最初はボーッとしながら泳ぎます。
ところが800メートルほど泳ぐと、変化が現れます。水中で全身を動かすので血流が良くなり、気持ちものってきます。本人にやる気がなくても、体が「さぁ、行こう!」とい感じ。そうなったらしめたもの。「じゃあやろうか!」と、乗っかっていくのです。
「パワフルに物事を進めるにはやる気が必要」と思っていたなら、今日からその考えを改めてください。やる気とはカンフル剤のようなもの。あれば刺激にはなりますが、必ずしも必要なものではありません。やる気がないなら、まずは行動すればいい。そうすれば、必ず感情もついてきます。
■未来年表をつくる
ある時、「家族で世界一周したいね」と盛り上がった、とあるご夫婦。それを思い出したダンナさんは、奥さんにこう聞きました。
「今年は世界一周するんだよね?」
「いや、今年は無理じゃない? だって、お姉ちゃんが受験でしょ。お金はどうするの?」
「確かにそうだよね……」
思いつきで壮大な計画を遂行しようと思っても、このような会話が繰り広げられ、おそらく実現は難しいでしょう。
もし、家族で世界一周すると決めたら、準備期間がたったの1年では少し厳しいと思うのです。しかし、4年後に行くと決めれば、今から準備すれば実現の可能性は高くなります。ただし、その4年間を何もせずに過ごしていたら、明らかな段取りミスとなってしまうでしょう。
私の場合、4年後は無理ですが、二人の子どもが19歳と17歳になる7年後に行くと決めれば、家族4人での世界一周は充分射程圏内になります。準備さえ進めれば、年齢的にも予算的にも可能性は高まるのです。
どこに行くかは今から考えればいい。7年間は、目的地を選定するのに充分な時間です。そしてこのあいだに、親やご近所にも根回しします。いよいよ行くとなれば、周りの人にも心の準備ができていますから、「不在のあいだ、留守をお願いします」と甘えることもできるでしょう。
それができなかったのは、潜在意識の中で「家族で世界一周のための行動」の優先順位が低かったから。そして、未来を見ていなかったからです。
世の中には、未来を見るのが得意な人と、目の前を見るのが得意な人がいます。
未来を見ることが苦手な人は、3年後のことも考えられないといいます。でも未来のことを考えることができなかったら、欲しいものがあっても計画的に貯金できませんし、自分の人生を充実させるための資格もとれませんね。未来を考えられないのは、考える習慣がないだけ。であれば未来を見る習慣をつければいいのです。
そこで、ぜひつくってほしいのが「自分の未来年表」です。未来に向かって1年単位で年表をつくっていきましょう。書ききれない場合は、ご自身でエクセルに落とし込んでみてください。
まずは、自分の年齢、人生のゴールや挑戦することなど、自分の予定を書き込んでいきます。次に家族の年齢、そして子どもの進学や親の長寿祝い、結婚記念日など、ライフイベントを書き込みます。
何となく書き込んだ内容があっても大丈夫です。変更になったり、より具体的になったときは、あとから書き換えればいいのですから。
例えば、「美容講師の32歳の女性」の場合です。
33歳で婚約して、自分の美容メソッドをまとめた書籍を出版。34歳で結婚し、健康美容の伝道師として「セブンルール」(フジテレビ系)に出演。続けて、35歳で1人目の子供を出産するとともに「情熱大陸」(TBS系)に出演、さらに36歳で「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK)に出演。翌年には2人目の子供を出産。そうやって知名度を上げ、43歳で自分のブランドを立ち上げ、仕事の活躍の場を国内外に広げる……。
いい意味で大風呂敷を広げることで、自分の人生を前進させることができるのです。
■「自分ほめリスト」に行動を落とし込む
自分の中の夢を言語化したら、今度はそれらの夢を行動に落とし込むための「自分ほめリスト」をつくります。
私が提案する自分ほめリストは、ロジックツリーの構造になっています。ロジックツリーとは、ロジカルシンキングの手法の一つ。事象の分析や問題の原因特定、目標設定、問題解決など、さまざまなビジネスのシーンで使われます。
自分ほめリストのロジックツリーは、まず一日の行動を分解し、具体的に書き出します。そして、自分が決めたことを行動に移すと、それに対して自分ほめします。このルーティンが夢を叶える行動になるという構造です。
特にここでお伝えしたいのは、一日をどのように過ごすのかを見直すこと。これが、あなたの日々のマネジメントになります。
では、自分ほめリストを作成してみましょう。
大項目は、目的です。今回は自分ほめが目的なので、その文字があらかじめ入っています。もし明確な一つの目標がある人は書き込んでもいいでしょう。私なら、「トライアスロンを完走する」「TEDに登壇する」と書き込むでしょう。
中項目は、起きてから寝るまで、あなたが一日に何をするのかを書き込みます。今回は、10項目の空白を埋めてみましょう。
小項目は、中項目で書いたことを、さらに細かくしていきます。今回は、3つに分けて、行動を書き込みます。
「ほめるポイント」は、何ができたらOKなのかを書き込みます。
「ほめるセリフ」は、具体的な自分ほめの言葉です。具体的な言葉のほかに、短い簡潔なセリフもつけてください。例えば、ほめるときは、「すごい!」「ステキ!」。励ますときは、「大丈夫だよ」「明日があるさ」「まだできる!」。容認するときは、「いいよ」「なるほど」などがあります。「もう一人の自分がいて、その人が自分をほめる」と考えればほめ言葉が出やすくなります。
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ほめ育グループ代表
日本発の教育メソッド「ほめ育」を開発し、世界18カ国、延べ50万人に広めている。大手コンサルタント会社から飲食店の洗い場に転職し、4年間住み込み、店長を経験。実際に現場で通用した教育に脳科学と心理学をミックスさせ、「ほめ育」という教育メソッドを完成させた。300社以上の企業や、幼児教育をはじめとした教育現場にも導入され、また起業家支援もおこなっている。著書は20冊(英語、中国語、韓国語にも翻訳)。テレビ朝日「報道ステーション」、N K、「The Japan Times」などに登場、海外TEDxにも登壇。さらに、自ら財団法人を設立し、カンボジアや宮崎、秋田の児童養護施設に寄付活動をしている。趣味はトライアスロン。モットーは「意志があるところに道はある」。
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(ほめ育グループ代表 原 邦雄)
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