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「これといった実績がない」そんな35歳が転職面接で逆転するために語るべきたった一つのこと

プレジデントオンライン / 2022年1月20日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tadamichi

30代半ばになるけれど、転職の面接で語れるような華々しい実績がない。そんなときは自分の何をPRすればいいのでしょうか。35歳以上の転職に詳しい転職コンサルタントの黒田真行さんは「企業は30歳以上の人には、20代には求めない能力を厳しく見る。それは課題解決能力です。解決した経験がなければ、解決に向けて挑戦した経験を語ればいい」といいます――。
◆今回のお悩み
現在の会社に勤務して10年以上になりますが、昇格したこともプロジェクトリーダーを務めたこともなく、今後のキャリアに不安を感じています。自分を成長させるためにも、もう少し活躍の余地がある会社へ転職したいと思うようになりました。
ただ、はっきりとした成果や実績を出した経験がないため、自分には面接でPRできることがないのでは……と悩んでいます。企画提案をしたことは何度もありますが、いずれも実現には至りませんでした。実績がない場合、やはり転職はあきらめたほうがいいのでしょうか。(35歳・不動産会社勤務)

■「課題発見力」だけでは評価されない

転職市場では、年齢帯によって求められる能力が変わってきます。20代なら特に目立った実績がなくても、積極性や意欲などが買われて採用に結びつくことは少なくありません。しかし、そうしたケースは30歳を過ぎたあたりから徐々に減少し、代わりにある能力が問われるようになっていきます。

その能力とは「課題解決力」。仕事上の課題を「発見」する力だけでなく、それを「解決」する力まで求められるようになるのです。

30代以降の人は20代の人に比べれば実務経験が豊富ですから、日々の業務の中で「ここに問題があるのではないか?」「ここは改善したほうがいいな」と気づくことも多いでしょう。つまり、課題“発見”力はある程度鍛えられている可能性が高くなります。しかし、課題“解決”力は本人の意識や行動力が重要になるため、どうしても個人差が大きくなります。30代以降の人材を採用する企業側は課題を解決してくれる力に期待して人選をする傾向がありますから、面接でも「この人は前職でどんな課題を解決してきたのか」を見極めようとします。

火事で例えると、20代なら「火事を発見できる」だけでも採用される可能性はあります。でも、30代以降はそれだけではダメで、火事を発見した後「消火できる」力までが求められるのです。

■「評論家予備軍」は要らない

30代以降の転職面接では「発見も消火もできる」、あるいは「消火した経験がある」としっかりアピールできるかどうかが合格の決め手になってくると言えるでしょう。

従って面接では、業務上の課題や改善点を発見した経験を伝えるだけでは意味がありません。もし「以前の業務はここが課題だった」「商品をこう改善すべきだと思っていた」というように課題感だけを語ったとしたら、極端に言うと「文句ばかり言う人だ」という印象を与えてしまいかねません。

採用側が求めているのは評論家予備軍ではなく、その課題を解決して事業を前に進めてくれる人です。その意味でも、面接ではぜひ解決経験をPRするよう意識してほしいと思います。

■実績がない場合にPRすべきポイント

では、解決した実績がない場合はどうすればいいのでしょうか。この場合は、面接官に「この人なら、今は解決経験がなくても将来的にできるだろう」と思ってもらうことが大事になります。そのためにも、解決にチャレンジした事例や試行錯誤した過程があれば、そこをしっかり語ってください。

チャレンジした結果が失敗に終わったからといって、その経験や試行錯誤した過程がゼロになるわけではありません。目に見える成果や実績がなければ、「自分は解決に向けて行動できる人材である」とPRすることはできます。

同時に「前回は実現に至りませんでしたが、次はこうやって成功させようと思っています」と言うことができれば、失敗から学べる人だと印象づけることもできます。

ただし、失敗に終わった理由を会社や上司のせいにするのは避けるべきです。「会社の風土がよくなかった」「上司が無理解だった」などと言うと、それもまた課題のひとつになりますから、どうすれば解決できたと思うのか、そこまでセットで伝えないとただの批判になってしまいます。

■課題解決への「トライ経験」に価値がある

繰り返しになりますが、企業がほしがるのは評論家予備軍ではなく、課題を解決できる人です。30歳を過ぎてからの転職面接では、この部分は特に厳しく見られていると思ってください。

そこさえしっかり押さえておけば、成果や実績がないからといって「面接でPRできることがない」と転職をあきらめる必要はありません。例えば企画提案をしたことがあるのなら、そこには何らかの課題を解決しようという思いがあったはずです。その思いや試行錯誤の過程を、ぜひ面接で語ってください。

課題解決は、たとえ失敗に終わってもトライすることに価値があるのです。採用側もそこを見ています。「前の会社でトライしたのならきっと自社でもそうしてくれるだろう」「トライし続けてくれれば成功の可能性も高まるだろう」と考える企業は少なくないはずです。

もちろん成功経験があるに越したことはありません。でも、そうでなくてもあきらめる必要はなく、PRできることはたくさんあるのです。

こうした「課題解決のために試行錯誤した経験値」は、近年、個人差が大きくなる一方です。言い換えれば、その経験があれば転職活動において大きな強みになるわけです。この強みを生かさない手はありません。

将来的に転職を考えている人は、今のうちに課題解決に向けて試行錯誤する習慣を身につけておくことをおすすめします。そして「実際にトライした経験」をできる限り多く積み重ね、自分の課題解決力を第三者に語れるようにしていってください。それが面接でのしっかりした自己PRに、ひいては転職活動の成功につながっていくのではないかと思います。

若い男はコンクリートの壁にジャンプ
写真=iStock.com/sot
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sot

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黒田 真行(くろだ・まさゆき)
転職コンサルタント、ルーセントドアーズ代表取締役
1988年、リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。2014年ルーセントドアーズを設立、成長企業のための「社長の右腕」次世代リーダー採用支援サービスを開始。35歳からの転職支援サービス「Career Release 40」、ミドル・シニア世代のためのキャリア相談特化型サービス「CanWill」を運営している。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』『35歳からの後悔しない転職ノート』『採用100年史から読む 人材業界の未来シナリオ』など。

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(転職コンサルタント、ルーセントドアーズ代表取締役 黒田 真行 構成=辻村洋子)

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