「ボーナスには手をつけず全額貯蓄」1億円貯めた人が徹底している"最強の仕組み"の作り方
プレジデントオンライン / 2022年1月21日 8時15分
■お金持ちはボーナスにまったく手をつけない
会社員にとって、ボーナスは楽しみの一つではないでしょうか。多くの人が冬のボーナスを12月に受け取ったと思いますが、そのお金はいまどうなっていますか? 1億円が貯まる人は、ボーナスの使い方にも特徴があります。
そもそも1億円貯まるようなお金持ちには「節約家タイプ」と「投資家タイプ」「高年収タイプがあります」。
節約家タイプは、住居費や通信費などの固定費を見直して貯まる仕組みをつくっています。夫婦仲がよく協力し合いながら、貯蓄額を増やしています。また、夫婦共働きの場合には、夫か妻か、どちらか一方の収入で生活費を賄い、もう一方の収入は全額貯蓄に回しているパワーカップルもいます。
投資家タイプはあまり消費に興味を示しません。お金を使うくらいなら、1円でも多くを投資に回したいと思っています。金額にかかわらず、1円、10円であっても無駄遣いはしたくないのです。
高収入タイプには、いくつかのパターンがありますが、たとえば、積極的に自己投資して転職しながらキャリアップしていく人がいます。最近は、契約社員や派遣社員として働く人が増えて、そもそも正社員として働くことをあきらめてしまう人が多いのですが、それでは高収入は望めません。
働いて貯めたお金を自分に投資して知識、経験を積んだり、資格取得をしていきます。契約社員から正社員、中小企業から大企業、あるいは国内企業から外資系企業へとより高収入が得られる舞台を目指します。あるいは副業でチャレンジしながら、起業を目指す人もいます。もちろん簡単なことではありませんが、チャレンジしなければチャンスはつかめません。
このうち、節約家タイプと投資家タイプはボーナスにはまったく手をつけず、全額を貯蓄や投資に回している人が多いのです。
冬のボーナスが「ほとんどなくなってしまった」「行き先が決まっている」という人は、1億円が貯まるどころか、家計が破綻しかねません。コロナ禍では、それを思い知らされた人も多いのではないでしょうか。
ボーナスがすぐになくなってしまう人の多くは、月々の赤字補塡(ほてん)に使っています。毎月の家計が赤字で、それが徐々に積みあがっていき、ボーナスを受け取った時に赤字を相殺して何とか生活を維持している形です。
■住宅ローンのボーナス払いも利用しない
しかし、コロナ禍で企業業績が悪化して、「ボーナスがほとんどなくなってしまった」という人も少なくないでしょう。本来、ボーナスは企業の業績によって増えたり、減ったりするものですが、多くの企業、とくに大企業では「年間○カ月」との目安があり実質的に生活給として払われてきた歴史があるので、ボーナスを当てにして消費してしまいがちです。
今回も、ボーナスを当てにして買い物をしていた人や住宅ローンのボーナス払いを利用していた人は、ボーナスの減額でピンチに陥ったはずです。
一方で1億円貯まる人は、生活費は毎月の収入の中でやりくりしていますから、ボーナスはプラスαの収入になります。景気が悪くなって、ボーナスが予定よりも減ったとしても、家計への影響は最低限に抑えることができます。
■「ボーナスで旅行」は問題なし。その理由は
私のところに家計相談にやってくる人も、ボーナスに手をつけている人は2、3割しかいません。残り人たちはまったくボーナスを使っていませんし、住宅ローンのボーナス払いも利用していないのです。
なかには、旅行などの費用として使っている人もいますが、それは問題ありません。ボーナスが減ってしまったら、旅行を取りやめにすればいいだけです。しかし、先行して消費したものをボーナス払いにしたり、住宅ローンのボーナス払いを利用していたりすると、どんなにボーナスが減っても支払いを止めることはできません。ボーナスを使うなら、実際に受け取ってから金額に見合った消費をすればいいのです。
■ボーナスを貯蓄に回せば4年で年収分が貯まる
仮にボーナスを全額貯蓄に回すことができたら、どうなるでしょうか。年間のボーナスが給与の4カ月分とすれば、年収の25%を貯蓄できることになります。この貯蓄パワーはあなどれません。金利がゼロでも4年で年収分、8年で年収の2倍の貯蓄ができることになります。
コロナ禍では残業代が減って苦しい思いをしている人も多いのではないでしょうか。残業代を除いた給与の手取り額で毎月の収支が黒字になっていれば、残業が減っても乗り切ることができます。それができなくても、せめてボーナスに手を付けない生活をしていれば、残業代のマイナス分をボーナスで補うことができます。
■お金が貯まる人は決断力と行動力が違う
お金を貯めるには、ボーナスを当てにせず、毎月の給与だけでやりくりすることが重要になるわけですが、既婚者の場合、夫婦の考え方が違っていてはうまくいきません。1億円貯まる家庭では夫婦仲がよく、将来のことについてもよく話し合っています。その結果、お金の価値観を共有できて家計管理がうまくいくのです。
この記事を読んで、「ボーナスに頼らない家計を目指そう」と決断し、すぐに行動に移せる人は1億円を貯められる可能性があります。一方ですぐに決断ができない人はお金が貯まりません。
それはお金を稼ぐことでも同じです。お金を稼ぐことが上手な人で、決断が遅い人は見たことがありません。決断ができない人は、思い悩んでいる時間が長いのですが、そうしているうちに忘れてしまったり、あきらめてしまうことも多く、行動に移せません。石橋を叩きすぎて、石橋をたたき割ってしまうのです。
■決断力が遅い人は貧乏神に取りつかれている
決断力が遅い人は貧乏神に取りつかれているようなものです。貧乏神を追い出して、福の神に好かれるようにならなければお金は貯まりませんが、決断力はすぐに身につくものではないでしょう。地道に訓練をするしかありせん。失敗をおそれず、どんどん決断する習慣をつけましょう。ただ、いきなり大きい決断をして失敗すると立ち直れないこともあります。
そこでお勧めなのは、小さな決断からはじめてみることです。たとえば、レストランに行ったとき、メニューを開いたら3秒以内に食事を選ぶ訓練をするのもいいでしょう。そのとき、なぜ選んだのか、理由も明確にしておきましょう。
最初のうちは「失敗したなあ」と思うこともあるでしょうが、大きな影響はありません。どうすればよかったのかを考えて次に生かしましょう。
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ファイナンシャルプランナー
生活デザイン代表取締役社長。2001年に家計の見直し相談センターを設立以来、3万世帯を超える家計診断を行ってきた。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。
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(ファイナンシャルプランナー 藤川 太 構成=向山 勇)
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