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「今日はどうやってここへ来ましたか?」奇妙な質問をする面接官が求めている本当の答え

プレジデントオンライン / 2022年5月4日 12時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

採用面接にはどんな準備をすればいいのか。就活ライターのトイアンナさんは「エントリーシートをもとに、事前に面接官のツッコミを想定するのが一番の対策だ。その際には“情緒不安定な恋人”からの質問だと思って考えてみるといい」という――。

※本稿は、トイアンナ『改訂版 確実内定 就職活動が面白いほどうまくいく』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■「面接官のツッコミ」をあらかじめ妄想しておく

ここでは実際の会話を書き起こす形で、よく出る質問への対策をお伝えします。原則として、面接ではどの企業でも、エントリーシート(ES)で出題された設問と同じ質問が問われます。したがってESで万全の対策をしてから提出していれば、そこまで困ることはありません。逆にESを適当に出してしまうと、面接で四苦八苦することになるでしょう。

あなたがしっかりと準備したESを提出できている場合、そのESをもとに、実際に面接で聞かれるであろう質問を想定しておきましょう。自分が提出したESを見直しながら「面接官ならどこを突っ込むだろうか?」と妄想しながら赤ペンで書き込んでいくのです。

■ESへ追記する妄想ツッコミの例:
へえ、バイト頑張ったんだね。でもどうしてこんなに売上が落ちてたの?
部活で金銭トラブルがあったと書いてあるけど、警察沙汰にしなかったのはなぜ?
すごく多彩な活動をしてるけど、ここまで頑張ったのはなんで?

■情緒不安定な恋人からの質問を想像してみる

とはいえ、最初は正確な「面接官のツッコミ」を妄想できないかもしれません。そんなときは極端な例ではありますが、こんな風に想像してみてください。

あなたには情緒不安定な彼氏・彼女がいます。

「好き?」と聞かれて「好きだよ」と答えるくらいでは、あなたの恋人は不安でたまらなくなってしまいます。ましてや「顔がかわいいから」と表層的な理由を伝えたら「じゃあ、もっと好みの顔の人がいたらその子にしちゃうの?」と喧嘩になることでしょう。

そこであなたは「出会ったときはこう思ってたけど、しだいに○○だと知ってますます好きになったんだ。そして最後に○○があって、君のことしか考えられないって思ったんだよ」と実体験に基づく具体的な理由を答えることになるでしょう。

■「本当にウチがいいの? 適当に合わせてない?」

実を言うと企業の面接では、情緒不安定な恋人を説得するのと全く同じ文法を求められます。あなたはESでも、面接でも、しつこいくらいにその会社が本当に第一志望なのか、それはなぜか、どこが好きなのか、どういう経緯で知ったのか、どんなことをしたいのか……と深掘りされます。

うっかり他社とかぶりそうな理由を伝えれば「それって他社でもいいんじゃないの? 本当にウチがいいの? なんで?」と言われてしまうのです。

そう思えば、面接官のツッコミもわかりやすいのではないでしょうか。

「『自営業の父を見て自分もモノづくりをしたいと思った』ねぇ……。そんなにお父さんを尊敬しているなら、なぜ跡を継がないの? 本当は数年でウチなんか辞めて、跡継ぎになろうって算段でしょ?」
「大学でマーケティングを勉強したのに、なぜ商社で営業をしたがるの? 本当はマーケティング系の業種が本命で、うちが商社だからって適当に合わせてるんじゃない?」
「夢は納得できたけど、それってウチじゃ実現できないかもよ? それでも弊社のこと、好きって言える?」

……ほら、面接官がちょっとラノベのキャラに見えてきませんか? ここまで想像がはかどればしめたもの。あなたはすでに面接対策の達人です。

もし不安が残るならば、OBOG訪問で「このESをもとに面接なさるとしたら、どういう質問をされますか?」と相談してみましょう。

■ダメESを出してしまったときは面接で即謝る

さてここまでは、理想的なESを提出できた場合の対策です。いくら真剣に就活に臨んでいる人であっても、何十社もエントリーしていたら、期限に迫られてつい他社のコピーで提出してしまった適当なESや、急ぎすぎてろくに調べ切れなかった企業もあるでしょう。それをここでは一切責めません。

私は学生時代に70社以上エントリーしていましたが、浅はかなESで面接へ向かってしまったことは一度や二度ではないからです。

もしもあなたがダメESを出してしまったのなら、提出したESの内容は忘れましょう。どこをどう弄っても、ダメなESはどうにもなりません。

面接でも開口一番に、「ESを書いたときは自分の言葉足らずで、志望動機をうまく説明できませんでした。申し訳ございません! まっさらな状態で再度、志望動機を聞いていただけないでしょうか」

……と、謝ってしまったほうが通過率も上がります。素直さは好印象を与えられるからです。

下手に取りつくろって失敗を覆い隠すよりも、ミスはミスと認めてしまうこと。それが準備不足になった企業への突破口です。もちろん準備万端の学生と比べて採用される確率は下がります。しかし数百人、数千人単位で内定を出す企業であれば「お目こぼし」を狙えるのです。

面接官の手
写真=iStock.com/TAGSTOCK1
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/TAGSTOCK1

■準備不足に対する上手な切り抜け方は就職後も役立つ

その際、必ず「どうして準備ができなかったのか」と質問されるかと思います。うまく切り抜ける答えは、あらかじめ考えておきましょう。たとえば、

「貴社への憧れは強くありましたが、実際にどう会社で勤めるかのイメージができないままESを書いてしまいました。その後、OBOG訪問で社員さんから直接お話を伺うことで、実際に働く像が掴めました。そのうえで本日あらためて志望動機を申し上げます」

こんな風にまとめられれば、体裁を保てます。

これから社会へ出て、資料不足のままプレゼンへ挑んだり、本社からの情報を得られないまま取引先へ現状を説明したりせねばならない日もくるでしょう。

そういった事態へ対応するのがこういった「上手な切り抜け」です。実際、面接へ行きたくなるくらい惹かれたのは嘘ではないのですから、ESで書いたことをひっくり返してでも、状況を切り抜けましょう。

ただし切り抜けるときは「体調不良で集中できず」などと心身の不調を言い訳にしないよう注意してください。体が弱いと誤解されて、せっかく通る面接も落とされかねません。

心身の不調以外で切り抜けるすべを思いついたら、あらためて前項の「面接官は『情緒不安定なラノベのキャラ』と心得よ」の項目を読んでください。

そして自分が口頭で伝える志望動機や学生時代に力を入れたことを書き起こし、ツッコミを書いてみましょう。

■変わった質問で見られているのは「余裕があるかどうか」

そして、面接のあとに毎回必ずやっておきたいのが、「面接で『できたこと』『改善できること』を3つずつリストアップすること」です。面接のたびに振り返りを行うことで、自分の面接力をどんどんブラッシュアップすることができます。

面接で登場する過去問は、「外資就活ドットコム」や「ワンキャリア」などの就活サイトで調べることができます。

それらを読んでいると、一部業界で「何が目的で聞かれているのか、全くわからない質問」が見られるはずです。

トイアンナ『改訂版 確実内定 就職活動が面白いほどうまくいく』(KADOKAWA)
トイアンナ『改訂版 確実内定 就職活動が面白いほどうまくいく』(KADOKAWA)

有名なものでは、以下の質問があります。

・自分を動物にたとえると?
・弊社で上司2名が異なる指示を出したらどうする?
・死ぬときに何を考えると思う?
・今日はどうやってここへ来ましたか?
・何かすべらない話をしてください。
・あなたのキャッチフレーズは?
・あなたが日本1位だと思うことは?
・100万円あったら何に使う?
・無人島に1つだけ持って行くなら何を選ぶ?

なぜこういった「応用問題」が出されるかといえば、全般的にあなたの「余裕」を見ているのです。どんなに突飛な質問が来ても、まずは「ひるまない」ことだけを意識しましょう。

もちろん、頭の中ではパニックを起こしていても構いません。顔だけ余裕の表情をしておけばよいのです。

そのうえでせっぱつまってしまったら「30秒、考えるお時間をいただけますか」と交渉してみましょう。

これらの質問に正解はありません。

まずは「大丈夫だ、落ち着け!」とだけ念じてください。

■理路整然と答えるための極意は「少しのへりくだり」

では、「理路整然とした答え」とは何でしょうか? 簡単に言えば「なるほど」と相手がとりあえず納得する答えです。たとえばあなたが自らのキャッチフレーズを聞かれたとしましょう。

「“みんなの友”です。私は誰とでも仲良くなれるからです」

という言葉は、少しうさんくさいですよね。しかし代わりに

「“社交マシーン”です。パーティや交流会で一時も休まず人と絡みたがる寂しがりだからです」

こんな風に、少し自分をへりくだって説明できれば、説得力も生まれます。

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トイアンナ(といあんな)
就活・恋愛ライター
1987年生まれ。慶応義塾大学卒業後、P&GジャパンおよびLVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパンでマーケティング職として約6年間勤務。その後フリーライターに転身し、就活媒体支援、大手企業の採用ページ執筆などを行う。主な担当は就活対策のほか、婚活、マーケティング。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、『モテたいわけではないのだが』(イースト・プレス)など。

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(就活・恋愛ライター トイアンナ)

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