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「お宅は年収、どのくらいあるの?」無礼な質問を一発で黙らせる"銀座ママのひと言"【2021編集部セレクション】

プレジデントオンライン / 2022年5月17日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/liza5450

2021年にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2021年12月31日)
プライバシーに関わる失礼な質問には、どう答えればいいか。銀座の高級クラブ「クラブ由美」のオーナー・伊藤由美さんは「そういうときは『で、あなたは?』と聞き返せばいい。聞かれたくないことを聞き返すことで、失礼な質問をかわすことができる」という――。

※本稿は、伊藤由美『銀座のママが教えてくれる「会話上手」になれる本』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。

■聞かれたくないことをやたらと聞いてくる人をどうかわすか

誰にでも、できることならあまり話をしたくない、顔を合わせたくないという人がいるものです。やたらと個人的なことを聞いてくる、人のプライバシーに土足で踏み込んでくる。よく言えば好奇心旺盛、悪く言えば“はた迷惑な個人探偵”のような「詮索好き」もそうしたタイプのひとつでしょう。

とくに奥さん同士、ママ友同士のお付き合いなどでよくある光景かもしれませんね。貯金はいくらあるのか。ローンは月々いくらくらいなのか。子供はどの学校を受験するのか。あなたはどこの学校を出たのか。実家は何をやっているのか。旦那さまの出身大学はどこか。どこに勤めていて役職は何か。ボーナスはいくら出たのか――。うんざりしてしまいますよね。

誰にだって答えたくないことはあります。「親しきなかにも礼儀あり」という言葉を教えてあげたくなるようなしつこい詮索屋さんは、傍からどれだけ「無遠慮な人」「面倒くさい人」と思われても、当人にはまったく自覚がないことも多いもの。

私などはストレートな性格ゆえに、こんな状況に遭遇しても「お答えする必要がありますか?」と切り返せると思われがちですが、いえいえ、なかなかそうもいきません。こういうタイプは、こちらが露骨にイヤな顔をしたり無下に拒絶すると、根も葉もないうわさ話を広めたりする可能性もあります。ですからできるだけ穏便に、うまくかわしたいものです。

■「で、あなたは?」と聞き返すのが効果的

こうしたときに試してほしいのが「and, you?」の切り返しです。「and, you?」とは訳すと「で、あなたは?」という意味。考えるふりやあいまいな相づちのあとで、同じ質問を相手にそのまま投げ返すのです。

「お宅は年収、どのくらいあるの?」
「え、どうだったかなぁ。で、お宅は?」
「ご主人、どちらの大学を出られたの?」
「ええ、まあその辺の……。で、お宅のご主人はどちらでしたっけ?」
「あなたのご実家は何をやっているの?」
「うちはまあ、たいしたことありませんが……。で、お宅のご実家は?」

もし相手が「ウチは○○大学」「実家は農家」などと答えてきたら、答えてもいいような質問には答えてあげればいい。でも、年収やローンなど絶対に答えたくないときは、「どうだったかな。でも大変ですよ」と、具体的なことを明かさないで切り抜けましょう。

万が一、「ウチは年収2000万円で――」などと自慢げに言われたら、「そうなの! セレブねぇ」とあからさまに驚き、「ウチなんかとてもとても」と下手に出ながら退散すれば、それ以上は突っ込んでこないでしょう。相手は自慢したいだけなんですから。

基本的には、こちらが答えたくない質問は、相手だって同じように答えたくないはず。返す刀で同じ質問を投げ返して相手の出ばなをくじいてしまえば、苦笑いで解散、となる可能性が高いと思いますよ。

■「無礼講」はどんな無礼でも許されるわけではない

「今夜は無礼講だ!」――要するに、「役職とか立場の違いを抜きにして楽しもう」という意味で、会社内の宴会や飲み会、上司と部下との“飲みニケーション”のときに使われます。ひょっとしたら最近はあまり聞く機会のない言葉かもしれません。若い方には「意味を知らない」という人もいるでしょう。

ただビジネスパーソンならば、上司や目上の人とお酒の席を共にする機会は少なくないでしょう。そんなとき、「今日は上司部下関係なく、楽しく飲もう」「堅苦しいことなしで飲もう」と言われることはよくあると思います。

居酒屋での乾杯
写真=iStock.com/taka4332
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/taka4332

それがまさに無礼講なのですが、問題なのは「今日は無礼講だ」と言われたとき、どの程度まで“無礼”でいいのか、です。無礼講と言われて、ベロベロに酔っぱらった新人が上司にタメ口をきき、しまいには頭をひっぱたいて大事になった――コントのようなシチュエーションですが、実際に似たような騒動はあちこちで起きています。

勘違いしてはいけません。本来の無礼講とは、「役職や上下関係を気にしてなかなか会話をする機会がなかった者同士が、楽しくお酒を飲んで、お互いにコミュニケーションを取り合いましょう」というもの。どんな無礼でも許されるわけではありません。決して「礼儀・礼節などなくていい」という意味ではないのです。

学生気分が抜けなくて、つい「そうなんっすよ」といった若者言葉が口をついてしまい、あわてて「す、すみません」となったときに、上司が「いい、いい、今日は無礼講なんだから」といったことはあるでしょう。でも、最初から「今日は若者言葉で話してもいい」ということではないのですね。

■「無礼でいい」ではなく「格式張らなくていい」

考えてもみてください。役職や立場の垣根を取り払ってみんなで楽しく飲もうという飲み会で、誰かが不愉快な気持ちになるような無礼な態度をとることが許されるでしょうか。

誰も「酒の席のことだから」などと許してはくれません。無礼講で無礼を働く、実は、これこそが本末転倒なのです。無礼講という言葉は、「無礼な講」ではなく「無な礼講」という意味なのだそうです。

伊藤由美『銀座のママが教えてくれる「会話上手」になれる本』(ワニブックスPLUS新書)
伊藤由美『銀座のママが教えてくれる「会話上手」になれる本』(ワニブックスPLUS新書)

日本古来のご神事では、神様に捧げたお酒を、身分の上の人から順に授かる「礼講」という儀式があったといいます。そして上下関係重視の格式張った「礼講」の後には、身分を気にしないでお酒を楽しむ“二次会”的な宴席の場が催されました。これが「礼講ではない宴会」という意味で無礼講になったのだとか(諸説あり)。

そもそも無礼講という言葉自体が、「無礼でいい」のではなく、「格式張らなくていい」という意味なのですね。お酒は楽しく飲むことが何にも勝る大前提。私のお店でも「無礼講」の雰囲気になることはありますが、勘違いした無礼な振る舞いは当然、御法度です(みなさまジェントルマンばかりなので、まずそんなことはないのですが)。

社会人としてのマナーを守って、その上で、肩ひじ張らない会話とほどよいお酒を楽しむ。それが真の飲みニケーションなのです。この世の中、無礼が許される場など存在しません。無礼講を勘違いして、ただの「無礼者」にならないように、くれぐれもお気をつけください。

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伊藤 由美(いとう・ゆみ)
銀座「クラブ由美」オーナー
東京生まれの名古屋育ち。18歳で単身上京。1983年4月、23歳でオーナーママとして「クラブ由美」を開店。以来、“銀座の超一流クラブ”として政治家や財界人など名だたるVIPたちからの絶大な支持を得て現在に至る。本業の傍ら、「公益社団法人動物環境・福祉協会Eva」の理事として動物愛護活動を続ける。

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(銀座「クラブ由美」オーナー 伊藤 由美)

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