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たった一言で不採用が決定する…転職活動で絶対に言ってはいけない4つの地雷フレーズ

プレジデントオンライン / 2022年6月9日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

転職活動の面接ではなにに注意すべきか。人材コンサルタントの井上和幸さんは「キャリアや実績がある人でも、面接での失言が原因で不採用となってしまう。面接を成功させるには、冷静に、自信を持ってコミュニケーションをすることだ」という――。

■「年収と肩書を上げ、キャリアアップしたい」

現在、転職市場は全世代で売り手市場といえます。ですが、即戦力ともいえる実力がありながら、転職活動がうまくいかない人たちがいます。彼らに共通するのは、面接における失言です。

某中堅メーカー勤務、40代の営業部長Aさんは、商材は異なるものの営業先が重なる企業の法人営業部門責任者の求人にエントリーしました。求人情報を見ると、現職よりも100万~200万円アップする可能性がありそうです。無事に書類選考を通過し、人事部長との面接に進みました。

そこで人事部長から「Aさんは今回、どうして転職をお考えなのですか」と聞かれたそうです。

Aさんは即座に「年収と肩書を上げ、キャリアアップしたいと考えています」と回答しました。

1週間後、転職エージェント経由で来たのは「ご縁がなかった」という連絡でした。Aさんのなにがいけなかったのでしょうか?

もちろん、より多くの収入が欲しい、より大きな権限が欲しいと望むこと自体は悪いことではありません。しかし、この年収や肩書は、あくまでも結果です。

私自身は日々、マネジメント層の人たちからも転職相談を受けていますが、彼らがよく口にする「より経営に近い仕事に就きたい」も同じです。

転職失敗者は、結果にこだわる発言に終始してしまっていることが多いのです。

まず先に応募先企業に提供すべきものは、あなたの仕事力やテーマ、貢献可能性です。

それが魅力的で価値あるものとすれば、先方から見返りとして、やりがいと責任のある職務、相応の年収が、結果としてついてくるのです。

■「会社に違和感があったから退職した」

転職の相談を受けた際、前職の退職理由について「現職企業の経営者や上司のやり方が間違っている」「自分の考えと合わない」「会社に違和感があった」ということを、滔々(とうとう)と語る40~50代のベテラン世代は珍しくありません。

お気持ちはわからないでもないですが、実際の面接を受ける前に次の2つのことを確認してほしいのです。

①間違っているのは自分、という視点を持つ

あなたの視界からは間違って見えることも「経営レベルからは正しい」といえるかもしれません。ご自身の見方についていま一度確認してみるべきです。

②そのことについて経営陣に相談や提案をしたのか

仮に会社の間違った判断や行動があったとしても、黙って見過ごしたのでは困ります。会社や部署のことを考え、改善改革の提案をできてこそ、有能な社員です。

こうしたケースで、改めて社長や上司に相談や提案をしてみたところ、ちゃんと理解され、受け入れられて良い方向に向かい、現職に踏みとどまることになったケースもあります。

2つのことを確認せず、ただ前職への不満を面接でぶつけるとどうなるでしょうか。相手の方は確実に「うちに来ても、同じことを言うんじゃないの」と思うはずです。結果は言うまでもありません。

頭を悩ませる採用担当
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

■「なんでもやります」は「なにもできない」と同じ

面接でやりたい仕事を聞かれ、「なんでもやります」と答えるのも問題です。

一見、とても前向きで良い回答に思えるかもしれません。20代が新卒面接で本気でそう答えるならば、これはベストアンサーになるでしょう。

しかし、30~40代のミドル世代がこう答えるということは大きな間違いです。

「なんでもやります」=「なにもできません」と思われるだけです。冷たい言い方に聞こえるかもしれませんが、「これまで長年仕事をしてきて、自分の専門性や強みも作ってないの?」というのが面接者の共通見解です。

転職面接では、新卒のとき以上に自分の強みを絞り込み伝えなければいけません。「私は、これしかできません」くらいのほうが良いのです。その上で、「これについてはお任せください。必ず成果を出して貢献してみせます」という明確な言葉を面接官に伝えましょう。

■「大丈夫です」「興味あります」

1次面接から最終面接に進み、それを終えるまで、応募企業側から(間に人材エージェントが入っている場合は担当者を経由して)、折々に、その会社に対する志望度を聞かれるでしょう。

その際に、漠然と「大丈夫です」「興味あります」と答える人もまた、非常に多いのです。これは若手も中堅もベテランも、世代を超えて共通です。

総論的にしか答えない(答えられない)ということは、「興味なさそう=わが社にコミットしてもらうことを期待しにくい」、「深く掘り下げない=業務理解力や職務遂行力に不安を感じる」という判断になります。

いずれにしても転職面接で、こうした人を最終的に採用することはまずありません。世代に関係なく、ほぼ同様に判断されますので、くれぐれもお気をつけください。

では、志望度を聞かれたときどうすればいいのか。

思ってもいないのに「御社が第1志望です!」などと伝える必要はありません。

それよりも、これまでの選考を経て、具体的になにを感じ、どのようなところに魅力を感じているのかを伝えるべきです。懸念点があるならば、ここが不明だ、自分の希望する条件と合致しない可能性がある、などを具体的に伝えるべきです。解消できる可能性があれば企業にしっかり検討してもらいましょう。

こうしたコミュニケーションが最終段階でしっかりできることで、応募企業との良縁にグッと近くづくのです。

■「転職面接は商談だと思え」

最後のアドバイスとしては、面接に不必要に力みすぎないでください。

力が入りすぎるばかりに、職歴書を見れば分かるようなプロフィールを長々と話し続けたり、応募しているポジションとは関係の薄い話を続けてしまう。それでいて、相手のことを全く聞いていないケースは本当に多くあります。

想定外の質問を受けたりすると、頭が真っ白になりシドロモドロ。「この年齢でこれでは、ちょっとなあ……」と面接官は鼻白んでしまいます。

私が転職面接に向かう人たちに常々話しているのは、「面接に臨む際に、転職活動と思わないでください。商談に赴いたと思ってください」ということです。

新卒採用と異なり、転職面接で求められていることは、具体的な職務遂行力や専門性、それらを通じて期待できる即戦力性です。

平素、職場でそれらを発揮しているからこそ、ベテラン世代の皆さんは現在までやってこられているはずです。その持てる力を面接・面談の場でアウトプットするためのフックが、「商談だと思って臨む」ことなのです。

■採用する側の心境を理解する

通常の商談であれば、相手(クライアント)に対して、「いま御社には、どのような課題がおありですか」「今後、どのようなことをされたいとお考えですか」といったテーマ設定から入ります。

そして、相手と「会話」して、その上で先方が求めることに対して、「なるほど。であれば、このような形で解決できると思うのですが」「○○を導入されると良さそうですね」といった「提案」をするはずです。これこそが、転職活動で求められていることなのです。

転職活動で行うのは、先方が今回求めているポジションに就いた際、その職責において、テーマや課題の解決を成し遂げられる人材であることを提案することです。

そもそも、企業がわざわざ外部から人を招聘(しょうへい)するということは、自社のなにがしかの事業や部署を「ローンチ(新規立ち上げ)」「ストレッチ(成長・拡大)」「ターンアラウンド(変革・テコ入れ)」のいずれかをやろう(やらねばならない)という状況です。

「ただ椅子に座る人」を採用するはずがないということを、念のため、しっかり認識しなければなりません。「応募するポジションを通じて、改善・改革できることが見えたとき」が、採用が決定されるときです。

また、「商談型の面接」の良いところは、「普段の姿」が相手に見えることです。

転職先とのご縁は、「人間性的な部分でのフィット感(一緒に働きたいと思えるか否か)」と「本人の情熱、コミットメント(任せた職務を困難を乗り越えてでもやり遂げてくれそうか否か)」の2つをしっかり感じられるか次第で決まります。

冷静に、自信を持ってオトナのコミュニケーションをすることが転職成功につながります。

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井上 和幸(いのうえ・かずゆき)
株式会社 経営者JP、人材コンサルタント
早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。その後、リクルートエグゼクティブエージェントのマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援などを提供している。著書は『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)など。

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(株式会社 経営者JP、人材コンサルタント 井上 和幸)

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