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愛子さまを「クソガキ」と呼んでいる…当たり前のように皇室を侮蔑する皇宮警察に存在意義はあるのか

プレジデントオンライン / 2022年6月29日 17時15分

成年に当たり記者会見される天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2022年3月17日日午後、皇居・御所「大広間」[代表撮影] - 写真=時事通信フォト

■週刊誌史上トップ3に入る大スクープである

あなたは自分の娘が他人から「クソガキ」「男を一人しか知らねぇとこうなっちゃうんだ」などといわれたら、どう思うだろうか。

人によっては、怒って、そういった人間を殴るかもしれない。ましてや、それが自分たちの身辺警護にあたる役目の人間だったら……。

週刊新潮(6月23日号)が、天皇皇后両陛下や皇族たちの護衛、皇居の警備などを任務とする皇宮警察の中で、皇室に対する悪口雑言が飛び交っていると報じたのである。

週刊新潮には失礼ないい方になるが、これが事実なら、驚天動地、週刊誌の長い歴史の中でもトップ3に入る大スクープである。

しかし、テレビはやるわけはないが、新聞も後追いしたところは、私が知る限りないようだが、どうしたのだろう。

各社には皇室担当記者がいるはずだが、「そんなことは前から知っていたよ」とふんぞり返っているわけではあるまいな。

戦前なら「不敬罪」だが、現代でも、自分が担当している人間の悪口を人前で公然といい放ったら、少なくとも職を辞さざるをえなくなるはずだと思う。

新聞は、そうした人間を放置するのか? 皇宮警察は警察庁の下部組織だから、お上が怖くて手を出せないのだろうか。

■遅刻した愛子さまに「このクソガキがっ!」

週刊新潮によれば、皇宮警察本部長や副本部長などは警察庁キャリア組のポストで、高卒、大卒で皇宮警察に入ったプロパーの職員が上り詰められる最高のポストは、護衛部長だという。

現在、叩き上げのトップであるその地位には、山口孝幸護衛部長(58)が就いている。

「山口が愛子内親王殿下のことを“クソガキ”と呼んでいることは、皇宮警察の内部では有名な話です。私は、山口がそう悪態をつくのを直接耳にしたこともあります」

そう証言しているのは、皇宮警察関係者だ。

山口部長が、赤坂護衛署の副署長を務めていたとき、愛子さんは学習院初等科に通っていた。学校の行き帰りの際、署員は護衛をしていたが、「愛子内親王殿下は時間にアバウトなところがおありで、40~50分の遅刻もよくありました。その際、あまりに遅くて苛立ったのか、山口は私の目の前で“このクソガキがっ!”と言っていました」(皇宮警察関係者)

まるで映画『仁義なき戦い』の広島ヤクザのようないい方である。

■皇室に敬意の念を抱いている人が応募するはずが…

皇宮警察OBはこうもいう。

「山口と同じ北海道出身で、山口のことを崇拝している40代後半の池田好彌(よしや)という警務課幹部も、愛子さまのことを“クソガキ”と呼んでいます」

池田は、天皇が皇太子だった時代に仕えていて、愛子さんも間近で護衛していた人間だそうだ。OBは、両陛下がこのことを知ったら「こんな人だったのか」とショックを受けるだろうと推察している。

週刊新潮によれば、警視庁や各県警の警察官が使う警笛用の吊りひもの色は白だが、皇宮護衛官のそれはワインレッドだそうだ。忠誠を意味する「赤心」という言葉から、この色になったという。

皇宮警察というのは、1886年(明治19年)に当時の宮内省に設置された主殿寮皇宮警察署で、1954年に警察庁の付属機関として皇宮警察本部となったそうだ。

ここで働いている人は国家公務員で、定員は1000人未満。毎年、辞めていった人数分を新たに採用するそうだ。

応募してくるのは、当然だが、「皇室に敬意の念を抱いている人しかいません」(皇室ジャーナリストの久能靖氏)

採用されると、皇宮警察学校で研修を受けるが、そこでは華道や茶道も学ぶという。

「外国の要人などを接待する皇室の方に側衛官として付いた時、外国人から話しかけられることがあり、日本の文化に精通している必要があるからです」(久能氏)

研修では、皇室についての広い知識や教養も学ぶそうだが、山口、池田両氏は、まったく身についていなかったといわざるをえない。

■「男を一人しか知らねぇとこうなっちゃうんだな」とも

本部は皇居内の旧枢密院の建物にある。ここの組織は、護衛部と、警備部という2つの大きな部と、坂下、吹上、赤坂、京都などの各護衛署、皇宮警察学校などから成り立っているという。

だが、皇宮警察OBによると、

「坂下護衛署の署長を務めた人物が、皇太子妃殿下だった当時の雅子さまを悪しざまに言うのも聞いたことがあります。しかも、コソッと言うのではなく、警部以上のミーティングの席でもそういった発言を平気でするのです」

また、秋篠宮家に対してもこんなことをいっているというのである。

「小室圭さんの問題が起こった後、眞子さまに対しては“男を一人しか知らねぇとこうなっちゃうんだな”といった悪口がよく聞かれました」

何たる誹謗(ひぼう)、何たる中傷。耳をふさぐしかない、聞くに堪(た)えない悪態である。こういう輩が皇室の人たちを警護しているというのだから、呆れ果てるよりも哀しくなる。

■悪口の矛先は紀子さま、彬子さま、瑶子さまにも…

「紀子さまについては、“車に乗れば般若の顔”などと、よく般若に例えられていました。皇太子殿下以上は交通規制がかけられ、スムーズに移動できますが、秋篠宮家の場合、以前は前後に警護がつくだけでした。渋滞にハマると表情が変わり、小言を繰り返されることから、そんな悪口に繋がったようです」

一連の問題はこれまで表沙汰になったことはないようだが、内部では処分の対象になったことがあったそうだ。

「昨年4月、護衛部護衛第二課の新進気鋭の4人が、表向きは情報漏洩の責任をとる形で辞めさせられていますが、実際はSNSのグループで三笠宮彬子さまと瑶子さまの悪口を言っていたのが当時の本部長にバレたのが原因だったようです」

皇族方への悪口が横行していたことは、このような信じられないミスにも表れている。

現在も護衛部の幹部を務める人物が三笠宮家に仕えていたとき、誰かに送ろうとしていた瑶子さんの悪口が書かれたメールを、瑶子さん本人に誤送信してしまったというのだ。

当時存命だった三笠宮寛仁殿下の知るところとなり、本部長が殿下に平謝りする事態となったそうである。

秋の昼下がりの東京・皇居東御苑
写真=iStock.com/tobiasjo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tobiasjo

■「好き嫌いで選ばれている」皇宮警察のガタガタぶり

なぜこのようなお粗末な連中が輩出されるのだろう? その理由は、「本部、特に山口や、人事を担当している池田の好き嫌いで選ばれているから。彼らに嫌われると冷遇されるだけではなく、時には組織を辞めるところまで追い込まれることもあります」(先の皇宮警察関係者)

週刊新潮は、皇族方への悪口だけではなく、皇宮警察には不祥事が頻々と起きていると報じている。ここ5、6年を見ても、

2016年には護衛第二課の男性皇宮警部補が電車内で、乗客の下着の中に手を入れて東京都迷惑防止条例違反(痴漢)で現行犯逮捕。
2017年には皇宮巡査部長が児童ポルノ所持の疑いで書類送検。
2019年には那須御用邸で行われていた皇宮警察学校の親睦会で、新人護衛官がみだらな行為に及んでいた

ことが発覚している。

その際、何も知らなかった幹部が、池田警務調査官に嫌われていたために圧力をかけられ、退職に追い込まれたそうだ。

池田警務課調査官は、嫌いな人間を辞めさせることに成功すると宴を催すそうだ。当然、本部庁舎内での飲酒は禁止されているが、ある時、スルメか何かを炙っていて火災報知機が作動し、警防係員や機動警ら車が多数出動する騒ぎになったことがあったという。

この暴言を放った幹部2人は、新潮の直撃にどう答えたのか。

■唇を噛みしめうつむき、動転した様子で…

山口護衛部長は、愛子さまに「クソガキ」といったことがあるかという質問に、

「私がそんなこと言うわけないじゃないですか」

と答えている。

だが、池田警務課調査官は、最初、皇宮警察本部での飲酒と火災報知機を作動させた件について聞くと、

「あっ……。なるほど……。(数秒の沈黙の後、声を震わせ、うつむきながら)わたくしの立場ではお答えしかねますので……。本部の広報官を通してご質問をしていただいてよろしいでしょうか」

次に、天皇が皇太子だった当時、愛子さんを「クソガキ」と呼んでいたことについてはと問うと、

「(動転した様子で唇を噛みしめてうつむき、涙をこらえるような表情で)はい……。広報官を通していただけますでしょうか」

自分がしでかした“過ち”の重さに、今さらだが気がついたようである。

新潮が、皇宮警察本部にも取材を申し込んだところ、「事実関係の有無を含めてお答えを差し控えさせていただきたい」と広報官が答えるだけだった。

だが、次週の週刊新潮(6月30日号)は、皇宮警察内部が大騒ぎになっている様子を報じている。

■民間に委託すればこれ以上にひどいことになる

「警察庁キャリアである片倉秀樹・皇宮警察副本部長が、ことの経緯を説明した上でお詫びするため、いち早く秋篠宮邸に参じていました」(さる皇宮警察関係者)

説明を聞いた秋篠宮は、「ご不快の念を隠せないご様子だった」という。もちろん、両陛下や他の宮家にも「お詫び行脚」をしているようだ。

「皇宮警察からは、侍従職の庶務を担う侍従職事務主管に記事について連絡があり、そうした中で両陛下のお耳にも入りました。庁内では皇族方への影響を心配する一方、『困ったものだ』と呆れる声が上がっています」(宮内庁関係者)

同じ宮内庁関係者が、警備の対象者である皇族たちに陰で悪口をいっていたという事実が明らかになり、「皇室への裏切りであるとともに、今後は皇族方も、皇宮護衛官には疑心暗鬼にならざるを得ません」と語っているが、当然である。

秋篠宮悠仁さんを警護している実直そうな人間たちが、陰に回ると「あのガキは」といいふらしているのではないか。本人はもちろんのこと秋篠宮夫妻が不信感を持てば、十全な警護などできなくなるはずである。

週刊新潮によれば、皇室の護衛や警備を民間に委託したらいいという案が出ているというが、私は賛成できない。なぜなら、皇室を軽んじ、陰で悪口をいう人間が増えているのは、民間人のほうが圧倒的に多いからである。曲がりなりにも、皇室の警備をやろうと考えて入ってくる人間たちのほうが、皇室への尊敬の念を持っているのではないか。

民間委託したら、秋篠宮佳子さんとお知り合いになりたいからという、不心得者が紛れ込まないとも限らない。

■眞子さんの被害に「侮辱罪」を適用してはどうか

ではどうするか? 少なくともキャリア、ノンキャリのトップの者たち全員の首を挿(す)げ替え、一新する。そうして、皇室の人たちからの信頼を今一度回復する努力を続ける。長い時間がかかっても、そうするしか「名誉回復」はできないのではないか。

もっとドラスティックなやり方があるかもしれない。6月13日に成立して7月に施行されるという「侮辱罪」の改正刑法を、暴言を吐いた幹部たちに適用してはどうかという考えである。

親告罪、公訴時効が1年という制約はあるようだが、相手の社会的評価(外部的名誉)を著しく毀損(きそん)したことは間違いないのだから、皇族方がやりにくければ、民間人になった小室眞子さんが訴えればできるはずではないか。

「男を一人しか知らねぇとこうなっちゃうんだな」というのは、眞子さんに対する明らかな侮辱である。しかも、ほかの人間のいる前で公然といい放ったというのだから、侮辱罪を適用できるのではないかと考える。

政府はプロレスラーの木村花さん(当時22)がSNSの誹謗中傷で自殺したケースなど、ネット上の誹謗中傷が深刻化しているのを抑止するためだとしているが、この法律を急いで成立させた本音は別にあることは間違いない。

暗闇の中に佇むうつろな女性のシルエット
写真=iStock.com/Favor_of_God
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Favor_of_God

■皇族を守るはずの皇宮警察官に科せられるとしたら…

衆院法務委員会で、閣僚を侮辱した人間が逮捕される可能性はあるのかという質問に、二之湯智国家公安委員長は「可能性は残っている」と答弁している。

新聞、テレビは腰抜けばかりだから、権力者を侮辱する表現などするはずはないが、週刊誌を含めた雑誌や、ネットメディアにとっては、「言論の自由を圧迫する悪法」になる可能性が極めて大きい法律だと、私は思っている。

これからは「森喜朗はノミの心臓、サメの脳みそ」「嘘つきは安倍晋三の始まり」などという“表現”が使えなくなるのではないか。著しくメディアを委縮させる効果はあるはずだ。

初の「侮辱罪」が、皇族を守るはずの皇宮警察官に科せられるとしたら、日本中の耳目を集めることになり、同時に、この法律の真の危険性を国民が知る機会になるのではないか。

小室眞子さん、訴えてみませんか?

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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(ジャーナリスト 元木 昌彦)

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