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「これが始まったら確実に落ちる」面接で一発で不合格が決まる人に共通する"ある話し方"

プレジデントオンライン / 2022年7月6日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

就職や転職の面接のコツとは何か。人材コンサルタントの井上和幸さんは「自己アピールなど一方通行のプレゼンになっていると失敗する。双方向のコミュニケーションになるように、共通の話題を見つけられるといい」という――。

■敗因は「自己アピールをしっかりしなければ」

就職や転職の面接では「自己アピールをしっかりしなければ」と気合を入れて臨む人が多いでしょう。ところが、これが結果として敗因になっているケースを、これまで嫌というほど、見てきました。

面接で失敗する人は共通して、相手が聞いていようがいまいがお構いなしに、怒濤(どとう)のごとく自分の話をします。もちろん面接はあなたの話をする場ではありますが、面接相手があなたの「何を」聞きたいと思っているのかを認識せず、一方的に話をするのがこのタイプの特徴です。

面接に同席していてヒヤヒヤするのは、面接官が明らかに「もうその話はいいよ」と思っている表情です。聞かされる側は冗長な話にイライラしているのが分かるのに、当の本人は緊張で舞い上がっているのか、それに気づくどころか、輪を掛けて切れ目なく話し続ける人も……。このコミュニケーションだけで、既に負けは確定です。

■面接に受かる人がやっているうまい会話の回し方

この手の人に企業が疑念を持つのは、平素でも「自分がどう思われているか」を感じ取ることができない人だと見るからです。

対外的にも(クライアントやベンダー)、対内的にも(部下や上司、同僚)望ましいコミュニケーションを行うことは難しく、結果として仕事の質に期待できないだろうと判断されます。

優秀な人は、面接相手が求める質問にだけ回答します。

相手がどう感じているかを、常に表情から探り、場合によっては「このお話でよろしかったでしょうか?」などと、しっかり確認を入れます。

面接で自己プレゼンテーションを求められている場合であっても、相手とのキャッチボールを欠かしません。

■「コミュニケーション能力が高い」とは

面接で嫌われてしまう人の共通項に、「話が盛り上がらない」「会話していてつまらない」ことがあります。

面接官が何を聞いても、「はい……」「いいえ……」「そうですね……」。

会話が続かず、こちらから何かを聞かないと沈黙が続く……。「あ〜ぁ、この人、入社しても実際、いつもこんな感じなんだろうな」

面接結果は明らかですね。

前回の記事で「商談のような面接」の大切さを紹介しました。

面接を受ける立場であっても、面接相手に「良い質問」ができるのが、どの企業からも「ぜひわが社に来てほしい」と言われるコミュニケーションに優れた人です。

「私は~なのですが、Aさん(面接官)はどう思われますでしょうか?」「現職ではこうなのですが、御社ではどのように取り組んでいらっしゃいますか?」など、自分が答えながら、自然と相手にも質問を投げかけていく。

一方通行のプレゼンではなく、会話・対話になるように持っていく。

そこから相手の情報を得ることもでき、それを踏まえて次に自分が話すことの内容の取捨選択や軌道修正もできます。

本来、優秀な人材は無意識的に自然とこうしたコミュニケーションをしています。「質問上手」で「聞き上手」。極論をいえば、面接官と応募者の立場が逆転するような聞き上手こそが、採用される条件の一つです。

■全面的な同意をする人=付加価値がない人

面接で面接官が話すことに「全面同意的な相づち」を打ちまくる人がいます。

「はい、おっしゃる通りだと思います」「ほんと、その通りですね!」といった具合です。

もちろん、相手の話を聞き、それに前向きな反応をすること、共感・合意することは大切なことです。ただし、ミドルやリーダー層の場合、これが行きすぎると逆効果になります。留意してほしいのは「合意だけしている人はいらない」ということです。

特に社長や役員クラスの面接官だと、あまりに過剰な迎合と映ると、内心では「本心か?」と勘ぐります。

面接側が知りたいのは、それだけ共感・合意してくれるなら、あなたが会社に参画したら、具体的に何をしてくれるのかということです。そして、その有無こそが、採用したいと思うか思わないかの分かれ目なのです。

■受かったと勘違いする人に限ってできていない

要は、あなたの付加価値。その応募先企業があなたを採用する意味は何なのかということです。単なる相槌ではなく、自分の意見やアイデアを乗せて返答、会話しているか。

面接側が伝えている現在の会社の考えや施策は、既に現体制で実現できていることといえます。

若手や中堅社員の採用であれば、それをしっかりやってくれるだけの人でもOKかもしれませんが、ミドル、リーダー層の人たちに求めるのは、プラスアルファでわが社に持ち込んでくれる付加価値があるのかどうかです。

面接の際、自分としてはとても盛り上がったので、きっと合格だと思っていたら、NGの連絡が来たという経験のある人は、ぜひ、この部分がどうだったかを確認してみてください。

おそらく相手先企業からすると、「良い人だとは感じるが、当社に参画してもたらしてくれる付加価値がない(見えない)」と感じられたはずです。次回以降、そのようなことのないよう、心がけてください。

頭を抱えるスーツの男
写真=iStock.com/Paul Bradbury
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Paul Bradbury

■すべての人を不愉快にさせる“ある態度”

応募企業とあなたには、何らかの〈交点〉があります(そうでなければ面接に進むことはありませんよね)。

例えば、募集しているポジションとあなた自身の経験、専門性、知見、人脈などです。だから、まずは応募職務についての共通項から話を展開し、自分の得意技へと自然に話が進めば、あなたのものです。

ところが時折、面接において「私はあなたがたとは違う世界で生きてきたのだ」ということを滔々と自慢し、ご高説を垂れるような話し方をする人がいます。

大手企業の人が“格下”の企業の面接を受けるときや、発注側やコンサルティングする側の企業に所属していた人が、受け手側の企業に応募する際に起こることが多いです。

自分を上に見せたいという意識なのでしょうか、面接の場で面接者にマウントを取りにいく人すら、時折います。なんの意味があるのでしょうね。

嫌われる人は、自分と相手を別の世界にいる者とします。

「一緒にするな」と思っているような人を、どの企業が快く仲間に入れようとするでしょうか。

■仕事のできる人は共通の話題を見つけるのが早い

いつも好かれる人は、どのような立場の違いや差があったとしても、相手との間に共感の橋を架ける人です。

こうした人は、面接のような初見の場で、まず何よりもお互いの「共通の話題」を見つけ出して会話しようと試みます。何か具体的な接点はないか、面接の冒頭や前半で話をしながら探るのです。

過去に所属した部署で取引先だった人が応募先企業に転職していた、面接官の人脈と自身の人脈に共通の知人がいた、など、こうした具体的なつながりが見つかると、それだけでお互いの心理的距離はぐんと縮まります。

談笑するスーツの若い男性
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/west

付随した話題としては、面接相手との間で、趣味やバックグラウンド、出身地・出身校などでの共通項が見つかればしめたもの。

それだけで場が打ち解けますし、「知り合いモード」でその後の面接を進めることができます。できる人は、こういう情報を見つけ出すのもうまいですよね。

■採用が絶望的な人の口癖

面接で自分にとってのメリットしか話せない人は、採用側からすれば不要と判断されるでしょう。

「これをやらせてくれなかったので、前職を辞めました」「部長を希望します」「年収~万円以上を希望します」「キャリアアップが目的です」

自分の要求を持ってはいけないということではありません。転職で得られる役割や機会、諸条件は非常に重要なことです。

ただし、これらの自分の要求“しか”頭にない人が採用されることは難しいでしょう。

■主語は「私」ではなく「私たち」

ミドルやリーダークラスの人たちには、「私が」これを欲しいではなく、「私たちが」これを成し遂げたいという態度が求められています。

「この部門でこのような経験も生かして、これこれの貢献をしていきたいです」「こうした事業チャンスがあると思っているので、この役割でそれを具体化、成し遂げてみたいのです」といった言い方になるでしょう。

主語は、「私が」ではなく、「私たちが」です。

何回かの面接で、まだ採用が決まったわけではないのに、自分の中で移籍後のイメージがありありと湧いていて、「当社はこうすべきですよね」「われわれなら、絶対にこうできるはずです、やりましょう!」というような「勝手に入社モード」で話す候補者も私は多く見てきました。こうした人たちの多くは転職に成功し、入社後に活躍しています。

あなたが同じ方向を向いて業務に邁進してくれる人か、貢献マインドがある人かを、特に経営者は厳しく見ています。

■「ぜひともわが社に来てほしい」人の特徴

総じて言えば、会話の視点、ベクトルが「自分に向かうばかり」の人は相手の心に刺さらない。それ以上に「こんな人、うちの会社に入ってきたら嫌だな」と嫌われます。

そうではなくて、会話の視点、ベクトルが「相手や外の世界に向かう」人はどのような場面でも好かれ、周囲に人が集まってきます。転職で応募先企業から「ぜひわが社に来てほしい」と求められるのもそういう人です。

今回ご紹介した5つのコミュニケーションにおいて望ましいスタイルを満たす人は、このコロナ禍の中でも一貫して引く手あまたです。

ぜひ、皆さんには面接で、どこに行っても「好かれる」「乞われる」人材側に立っていただければと思います。

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井上 和幸(いのうえ・かずゆき)
株式会社 経営者JP、人材コンサルタント
早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。その後、リクルートエグゼクティブエージェントのマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援などを提供している。著書は『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)など。

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(株式会社 経営者JP、人材コンサルタント 井上 和幸)

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