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「まだひらがなも読めないの、遅いわね」子育てに口出しする義母が一発で黙る"質問フレーズ"

プレジデントオンライン / 2022年7月13日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SunnyVMD

夏休みを前に、そろそろ帰省を考え始める時期ではないでしょうか。夫の実家への帰省は、義母との関係に頭を悩ませる人もいるかもしれません。話し方コンサルタントの阿隅和美さんは「言いたいことを言わずに溜め込むのはストレスになる。関係を悪くせずに上手に返す方法がある」といいます――。

■義実家への帰省は何かとストレスが溜まりがち

今年の夏休みは久しぶりの帰省を考えている方も多いのではないでしょうか。中でも、夫の実家への帰省は、義父母との関係がうまくいっている人でさえ、「仕事より疲れる」と、何かと気を使うもの。特に子どもを連れての帰省は「義母の一言にイライラ」という本音も聞こえてきます。

当然ながら親世代と若い世代の教育の違いや、価値観の違いが存在しているうえに、年に何回かしか会わない間柄となると相互理解を深めるのは難しいものです。イライラすることは多くても、夫の大事な親だし、関係を悪くしたくないから、何とか我慢している……という方も多いはず。

ただ、我慢をして、言いたいことを言わずに溜め込んでしまうのはストレスになりますし、逆に強く言い返し過ぎて大人げなかったと後悔もしたくないですね。そこで、今回は、帰省中の心ない義母の一言にもストレスを溜めない会話術について取り上げます。

■子どものしつけへの口出しは「質問返し」

それでは、ありがちな義母の一言とその対処法について具体的に見ていきましょう。

子どもが生まれると、「まだオムツとれないの」「まだひらがなも読めないの、遅いわね」と成長について、とやかく言われることがあります。

また、親戚の集まりで、子どもが言うことをきかないとか、少し騒ぐと、「あなたがちゃんとしないから」「なんで泣き止まないの。落ち着きがないわね」「ちゃんとしつけなさい」と義母から言われてしまう人も。「まあ、○○ちゃんは大人しくていい子ね」と親戚の子を褒めて、遠回しに嫌味を言われたという声も聞きます。

こんな風に言われると、相手に悪気はないにせよ、一生懸命に子育てをしているのにいい気はしませんよね。おそらく義母には子育てのベテランという自負があるのでしょう。

そこでこんなときには、「育児は初めての経験なので教えてください」というスタンスで義母を立てながら、話題の矛先を夫の子どもの頃に向ける「質問返し」はいかがでしょうか。

例えば、「(夫は)子どもの頃、どうだったんですか?」「こんなときどうしたら機嫌よくなっていましたか?」と夫の子どもの頃の話を振るのです。すると、「そう言えば、○○も手を焼いたのよ」と、思い出話に花が咲いて、関心をそらすことができます。

その延長線上で「私があなたくらいの頃は……」と義母から昔の苦労話が出てきたらしめたもの。「昔は大変でしたね」と話を聞いてあげると、それだけで満足する場合もあります。

ただし、もししつけについて価値観が違うことを押し付けられそうになった場合には、迎合せずに「考え方が違う」と伝えたいところです。

例えば「それは昔のやり方で、今は違うんです」ではなく「昔はそうだったんですか。今とだいぶ違うんですね。勉強になります」と言えば角が立ちにくいでしょう。

また、子どもの機嫌が悪いときには、「いつもはとってもいい子なんですよ。どうしてか、こうなってしまうんです。なぜなのでしょう……」とやんわりと普段と違う環境のせいにしてもいいでしょう。

■やたらと比較してくるときには「イエスバット法」で切り返す

「親戚の○○ちゃんは、賞をもらうほど優秀だ」などと、何かと成長や勉強を人と比較されてあれこれ言われると、言葉には出さなくても暗に「母親がちゃんとしていれば」と言われているようで嫌な気持ちになるという方も多いと思います。

また、それを子どもの前で言われると、子どもまで嫌な気分になっていないか気になりますね。

そんなときに活用したいのが「イエスバット法」での切り返しです。

人は、まず自分の意見を受け入れてもらえると、相手の話にも耳を傾けようという気持ちになります。そこで「へえ、そうなんですね」という興味なさそうな返事や、「よその子と比較しないでください」「うちの子だって頑張っています」と正面から否定するのではなく、義母の話を一旦受け入れてから、お子さんの良いところをしっかり伝えてあげるのです。

例)「そうなんですね。○○ちゃん、優秀ですね。きっと勉強が好きなんですね/○○ちゃん、今何年生なんですか?」
「そうそう、うちの○○は、サッカーが好きなんですよ! こないだも、サッカーの試合で……」

こんな風に、まずは、義母の話につきあってから、たっぷりとお子さんの良いところを褒めて聞かせましょう。

腕相撲をしながらにらみ合う母と娘
写真=iStock.com/Motortion
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Motortion

■教育方針の違いには、感謝+意思を伝える

孫がかわいいのはわかるのですが、受験や家庭での教育方針にまで口うるさく意見をしてくるという場合も困りますね。

「お言葉ですが、うちはこういう教育方針なんです」「ご心配には及びません」とビシッと言いたくなりますが、やはり波風が立たない言葉選びも大切です。

一方、我慢をして黙っていたり、「あ~、はい、そうですね」と曖昧な返事をしたりすると義母の介入がどんどんエスカレートする恐れがありますので、そうならないうちにしっかり意思を伝えたいところです。

まず、意見を言う前には、緩衝材として「○○(子どもの名前)に期待してくれてありがとうございます」「○○(子どもの名前)を大切に思ってくれてありがとうございます」と感謝の言葉を伝えておくとよいでしょう。これで、「孫をかわいく思う気持ちは、ありがたく受け取っています」と伝えることができます。

次に、育児に関する世代間ギャップがある場合です。今では、夫も育児に積極的に参加している家庭が多いですが、親世代は子どもの教育は、母親の役目という家庭が大半でした。

そこで、「二人で相談して決めた、これがうちのスタイルなんです」「夫と話し合いながら一緒に子育てしているので安心してください」と夫婦一緒に子育てをしているということをわかってもらいながら、干渉せずに温かく見守っていてほしいと意思を伝えてはいかがでしょうか。

それでも、まだ、あなたに向かって口うるさく言うようでしたら、「私より、夫のほうがしっかりしているので、何かあれば夫に言ってくださいね」と、夫に間に入ってもらってもいいですね。ただし、この場合、夫と事前に打ち合わせをしておくことをおすすめします。

■働くことへの価値観の違いにはIメッセージで気持ちを伝える

「こんなに小さいうちから保育園に行くのね。かわいそうに」「そろそろ仕事を辞めて子育てに専念したら?」など、母親が働くことに否定的なことを言われ、理解がないことにイラっとすることも少なくないようです。特に、自分自身が、まだ子どもと一緒にいたいという気持ちが強いと、悪気がない一言でもナーバスになるものです。

そもそも、こうした発言は時代錯誤もいいところですが、長年その価値観を持ち続けてきたので今さら変わりません。自分とは違う価値観だと受け入れることも大切です。

とはいえ、嫌な気持ちになったら我慢をせずに言い返したいところです。そこでおすすめなのが「I(アイ)メッセージ」です。Iメッセージとは、主語を私=Iにして気持ちを伝える方法です。例えば「お義母さんは、どうしてそんなひどいことを言うんですか!」と、お義母さんを主語にしたYOUメッセージで話すと、批判的、攻撃的な印象になります。

一方、「(私は)そんな言い方をされると、つらいです/悲しくなります」と、私を主語にしたIメッセージにすると、相手への文句にならず、気持ちを伝えることが出来ます。あくまで、フォーカスするべきことは相手をやり込めることではなく自分の気持ちを伝えることです。

■嬉しかった義母の一言、義母との良い関係づくりにやっていること

もちろん、世間には、帰省先でのイライラ体験だけではなく義母との仲良しエピソードもたくさんあります。ワーママが特に嬉しかったというのが、「いつも、仕事しながら子育ては大変ね、お疲れ様」「いつも忙しいでしょ、少しは休んでね」とねぎらいの言葉をかけてもらった時だそうです。思いがけない優しい一言に、うるっときた、という声も多くあります。

また、義母との良い関係づくりのためにやっているのが、マメな連絡。物理的に距離が離れていると頻繁に会うのは難しいですが、母の日や誕生日など大事なイベントには、贈り物をするなど大切に思っていることを伝えたり、子どもの運動会などのイベントがあったときには動画や写真を送ったりLINEをしたりと、連絡をマメにしているそうです。

もし親戚や近所づきあいがあるようなら帰省のたびに、親戚やご近所さんにもちょっとした菓子折りを持っていくといった礼儀と心遣いを忘れないようにするのもいいですね。気が利く嫁だと評判になれば、あなたも帰省中の居心地が良くなります。

そもそも世代も常識も違う親世代、考え方が違うのは当たり前。お互いを尊重しつつ良い関係を保ちたいところです。ただ、わかっていても心ない義母の一言に何かモヤモヤするときには、「私さえ我慢すれば」と溜め込まずに、適度なガス抜きをするのがうまくつきあう秘訣(ひけつ)です。

言い返しのフレーズを上手に活用して、義母はもちろん、どんな相手ともうまくつきあえるコミュニケーションスキルを磨き上げましょう。

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阿隅 和美(あすみ・かずみ)
WACHIKAコミュニケーションズ代表
青山学院大学経営学部卒業。中部日本放送アナウンサーを経て、NHK衛星放送キャスターとして、株式市況、世界のトップニュースを10年担当。20年にわたり、スポーツ、経済、情報番組に関わる。アナウンサー名は瓶子和美。現在は、TV現場で培った技術を活かし、ビジネス現場でコミュニケーション力を発揮し、成果を出す人材を育成する研修、講座、講演を行っている他、経営層・管理職、エグゼクティブリーダー向けプレゼン・スピーチのパーソナルトレーニングやコンサルティングなどを実施している。著書に『心をつかみ思わず聴きたくなる話のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)、『仕事ができる人の話し方』(青春出版社)があり台湾でも翻訳されている。ホームページ

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(WACHIKAコミュニケーションズ代表 阿隅 和美)

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