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「どうせ」は絶対に言ってはいけない…なぜか人生がうまくいく明るい人に共通する"ある口癖"

プレジデントオンライン / 2022年7月14日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Chinnapong

いつも気持ちが明るい人はどんな言葉を使っているか。精神科医の和田秀樹さんは「『どうせ……』は絶対に言ってはいけない。何かを試す前の段階で、『たぶん失敗するだろう』と決めつけ、勝手に暗くなる。そうではなく、別の口ぐせを心がけたほうがいい」という――。

※本稿は、和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■口ぐせには、その人の「人生観」や「物の見方」が表れる

「気持ちが明るい人」や「表情が明るい人」に共通しているのは、世の中を否定的に見ていないということです。

否定的に見ていないから、様々な可能性を探して「いろいろなことを試してみる」という行動に出て、楽しそうに毎日を過ごしています。

それとは対象的に、暗い気分でいる人に共通しているのは「どうせ……」と考えて、実際にその言葉を頻繁に口にしていることです。

和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)
和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)

口ぐせには、時として、その人の「人生観」や「物の見方」が表れます。

「どうせ……」と言っている人は、何かを試す前の段階で、「たぶん失敗するだろう」と決めつけ、それによって勝手に暗くなっているのです。

「どうせ……」という口ぐせには、「やる前から諦めている」という姿勢が示されていますから、ある意味では「自己否定」とも受け取れるネガティブなニュアンスがあります。

現在の日本には、この「どうせ感」が蔓延しているような気がします。

「一生懸命に働いても、どうせ給料は上がらない」
「起業しても、どうせ失敗する」
「投資なんかしても、どうせ儲からない」
「何をやっても、どうせモテない」

国政選挙のたびに投票率の低さが話題になるのは、多くの人が「誰が議員になっても、どうせ世の中なんて変わらない」と最初から諦めて、投票に行かないからです。

■『ドラゴン桜』で起きた「にわか東大受験ブーム」の実態

この「どうせ感」は、若い世代にも蔓延しているように感じられます。

2021年に放送された阿部寛さん主演のテレビドラマ『ドラゴン桜2』の反響を知って、私はそんなことを考えました。

このドラマは、劣等生の高校生たちが、熱血教師の指導によって勉強法を学んで東大に合格するというストーリーです。

東京大学安田講堂
写真=iStock.com/mizoula
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mizoula

このドラマの第1シリーズ『ドラゴン桜』は2005年に放送されましたが、その後に「にわか東大受験ブーム」が起こり、東大にチャレンジする人が増えました。

「俺だって、やれば東大に合格できるかも」
「私も、東大生になれる気がする」

こう思った受験生が多かったようで、番組に関連した参考書や問題集もヒットしました。

ところが、続編の第2シリーズが終わっても、東大を志望する人が増えた様子はありません。

番組に関連した商品が特別に売れたという気配もないようです。

平均視聴率は第1シリーズが16.4%、第2シリーズが14.8%ですから、ほぼ同じくらいの人たちが番組を見ているのです。

いくら若者のテレビ離れが著しいとはいえ、不思議な現象に思えたのです。

■実際にあれこれとやると、楽しいことが増える

私は受験勉強法の著作を数多く出版していますが、最近は昔ほどには売れなくなっています。

もちろん、少子化の問題や若者の活字離れ、親の経済事情などの影響があるかもしれませんが、それ以上に「勉強法を変えたって、どうせダメだ」と最初から諦めている高校生や受験生が増えているように感じています。

『ドラゴン桜2』が東大チャレンジに火をつけなかったことも、同じ理由ではないでしょうか。

「私も受かるかも」と思って明るい気持ちで勉強に励めば、仮に東大に合格できなかったとしても、現在の実力以上の大学に進める可能性があります。

「どうせダメだろう」と最初から諦めてしまうことは、あらゆる可能性をゼロにすることとイコールなのです。

気持ちを明るくして、楽しく毎日を過ごすためには、「どうせ……」という口ぐせをやめて、「とりあえず……」という新たな口ぐせを心がける必要があります。

似たようなフレーズで、「ひとまず……」というのでもいいでしょう。

「とりあえずやってみよう」
「ひとまず試してみるか」

こう考えれば、どんなことでもやってみる気になります。

実際にあれこれとやってみれば、楽しいことが増えますから、自然と笑顔になっている自分に気づくはずです。

■「まぁ、いいか」はメンタルに優しい言葉

仕事や勉強で失敗したり、人のミスで被害を受けたりすると、ガッカリして気分が落ち込むことがあります。

そんな時に効果的なのが「まぁ、いいか」というフレーズです。

ビジネスでこれだけの儲けしかなかったとか、試験で思うような点数が取れなかった時などに「まぁ、いいか」と思えれば、失敗した自分を許すことができますから、メンタルに優しい言葉です。

「まぁ、いいか。次はもっとうまくやろう」

自分を許した後に、こんなフレーズが続けば、言葉の効果は倍増します。

「まぁ、いいか。今回は許してあげよう」

こう思うことができれば、自分を許すだけでなく、ミスをした人を許すことができます。

このフレーズが口ぐせになれば、無用な感情のトラブルを最小限に抑えることができますから、自分を完璧主義者だと自覚している人に適した言葉です。

楽しさや面白さに完璧を求め始めたら、キリがなくなります。

旅行に行って、いいホテルに泊まり、窓外に壮大な風景が見えた時、完璧主義者はこんな皮肉な感想を持ちます。

「思ったほどでもないな」
「10万円も出したのにこれかよ」
「こんなの当たり前だよ」

完璧主義者の人は、なかなか素直に喜べません。

「(確かに10万円は高いけれど)こんなスゴイ景色が楽しめたのだから、まぁ、いいか」

こう言えれば旅行が楽しくなり、一緒に行った人も明るい気持ちになれるのです。

■苦手な上司の話を「聞き流す」ために役立つ言葉

勝ち負けにこだわる人や物ごとの白黒をハッキリとしたがる人は、「それもそうだね」というフレーズを口ぐせにすると、対人関係がスムーズになります。

「それもそうだね」というのは、「そういう考え方もあるよね」ということですから、自分の意見を強く主張しているわけではありません。

そうかといって、相手の意見を全否定しているわけでもなく、全面的に受け入れているわけでもないという便利なフレーズです。

言葉のニュアンスとしては、「あなたの意見は確かに聞きましたよ」というくらいの曖昧さがありますから、どんな場面でも使えます。

あなたが自分の意見を言ったら、相手が反論してきたとします。

それを聞いたあなたは「確かに、それもそうだね」と言ってから、ひと呼吸あけて「でもね……」と自分の意見を言えばいいのです。

相手もとりあえず自分の意見を聞いてもらえているので、落ち着いてあなたの意見に耳を傾けることができます。

この「それもそうだね」は、苦手な上司の話を「聞き流す」際にも役に立ちます。

部下を叱る上司
写真=iStock.com/SrdjanPav
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SrdjanPav

「確かに、それもそうですね」

こう言えば、上司の話をきちんと聞いていることが相手に伝わりますから、通常はあなたが聞き流しているとは思いません。

肯定も否定もしていないので、お互いにストレスを溜め込むことはないのです。

これと似た言葉に、「なるほど」があります。

使い方は「それもそうだね」とほぼ同じと考えていいでしょう。

カーリング女子日本代表が使って流行語になった「そだねー」というのも、同じ部類に入る言葉です。

いずれの言葉も肯定的なニュアンスがありますから、自分や周囲を明るい気持ちにさせてくれるのです。

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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医・国際医療福祉大学赤坂心理学科教授
1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院・浴風会病院の精神科医師を経て、現在、国際医療福祉大学赤坂心理学科教授、川崎幸病院顧問、一橋大学・東京医科歯科大学非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長。

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(精神科医・国際医療福祉大学赤坂心理学科教授 和田 秀樹)

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