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オタク専門の結婚相談所が大盛況…婚活コンサルタントが「オタクは結婚に向いている」という3つの理由

プレジデントオンライン / 2022年7月20日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kkshepel

恋愛経験が乏しいのに結婚したい人は、どうすればいいのか。オタク専門の結婚相談所を経営している横井睦智さんは「恋愛経験がなくても、婚活はまったく不利ではない。むしろ恋愛経験の乏しいオタクのほうが結婚や婚活には向いている」という――。(第1回)

※本稿は、横井睦智『オタク婚活はじめます』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

■日本社会では「未婚」より「既婚」が優遇される

結婚は恋愛とは無関係です。結婚は社会システムの一部です。

結婚をして、家族というコミュニティーを作れば、戸籍が変わります。税金も優遇されます。天下国家から一人前と認められ、新たなる社会的ステータスを得ることができます。税や社会保障などが既婚者に優しい制度になっているのは、国家は結婚する人を増やしたいからです。婚活とは、そんな国家から認められるための行為と言えます。

私はしばしば結婚を学歴に喩(たと)えます。大卒と高卒を比較すると、能力の有無にかかわらず、大卒が優遇されるのが社会の現実です。それと同じように、未婚と既婚では、既婚が優遇されるのです。

結婚が恋愛の延長線上にあるものだと考えている人は、結婚は国に認められるための行為だという考えに及びません。恋愛をしたいならば、結婚などしなくてもいいと思います。

婚活をする際は、結婚を社会的ステータスだと捉え、恋愛感情に流されず、ある意味システマティックに判断することが大切です。

好き嫌いの恋愛感情ではなく、この人となら「一緒に生きていけるか?」「幸せな家庭を築けるか?」「一緒にいて安らげるか?」を判断材料にすることが大事なのです。そこに燃え上がるような恋愛感情は不要です。恋愛の駆け引きも不要です。

基本スタンスをそう設定しておけば、お見合いでうまく話せなくても、交際が始まって違和感を覚えても、ムダに悩むことがなくなります。その人とは「一緒に生きていけない」のだから、バッサリ切って次に進んでいけばいいだけです。

■婚活をシステマティックに考えればいい

フラれても傷つくことはありません。恋愛なら傷つきますが、婚活は単に社会的ステータスを得るためのもの。傷つきようがないですよね。

だから、恋愛経験がなくても、婚活はまったく不利ではないのです。むしろ向いています。

目標意識の高いオタクは、結婚を目標に据えると、婚活に対しても真剣に向き合い、愚直なまでに頑張る傾向にあります。だから、1年以内に成婚に至る人が多いのです。

もしあなたが異性と接するのに苦手意識があっても、婚活なら何度でもチャレンジできます。

恋愛は減点法、お見合いは加点法とよく言われます。恋愛は、一番初めの「好き!」という感情が100だとすれば、相手のイヤなところを知るにつれ、80、70……と減点されていくのが常です。

一方、お見合いなどの意図的な出会いは、恋愛感情がないため0もしくはマイナスからスタートしますが、相手のいいところを知るにつれ加点されていきます。

だから、恋愛で感情を揺さぶらなくても、婚活なら誰にでも勝算があるのです。

恋愛感情に左右されず、婚活をシステマティックに考えること。これが、オタクが婚活を成功させるポイントだと言えるでしょう。

■一般女性にとって、無害で「器が大きい」存在

オタクは恋愛に向いていなくても、結婚には向いています。

その理由は、結婚に求められる三大要素、三つの「安」がオタクに備わっているからです。三つの「安」とは、「安心」「安全」「安定」のこと。女性に結婚したい男性の特徴を聞いてみると、必ずこの三つの「安」が挙がります。

まず、一つ目の「安心」について。

一緒に過ごして安心できる人、ありのままの姿でいられる人、いいところも悪いところもわかってくれて気が安まる人のことです。メンタル的に安定して接することができます。

庭でおしゃべりするカップル
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

恋愛では一緒にいてドキドキしたり、気分が高揚したり、会えないと寂しくなったりと、気分の高低差があり安心できない場合がありますが、特に女性は結婚を考えるとき、そういった感情を求めていないのです。

女性の多くはオタクと接するとき、あまり身構えなくていいと言います。初めのうちは緊張しても、気持ちがうちとけさえすれば、何一つ文句を言わないため、自分をさらけ出しやすいそうです。

オタク男性は一般女性にとって、無害で「器が大きい」存在なのです。

■借金や浮気などのトラブルを極力避ける傾向がある

二つ目の「安全」について。

借金や浮気などのトラブルを家庭に持ち込まない人です。トラブルを持ち込む人は、家庭や夫婦関係を破綻させます。

酒癖が悪い人、ケンカっ早い人、借金癖がある人、ギャンブルをする人は、「安全」ではない人と判断されて嫌われます。趣味としてギャンブルを挙げるのはタブーです。

私は10年以上この仕事をしていますが、借金や浮気などのトラブルを抱えているオタクとほとんど出会ったことがありません。ごくまれにいますが、あなたは結婚に向いていないと相談をお断りしています。

そもそもオタクはトラブルを極力避ける傾向があります。「嵐が去るまでうずくまるタイプ」なのがオタクです。

ギャンブルも好みません。ギャンブルで不安定なスリルを楽しむよりも、きちんとお金を貯めて趣味に注ぎ込みたいと考える人がほとんどだからです。

■会社員や公務員が多く、定収のある人が大半

三つ目の「安定」について。

定期的に収入があり、予定調和なきちんとした生活を送れる人です。結婚生活は、当たり前ですがお金がなければ持続できません。一時的に大金が入っても、翌月はどうなるかわからないような不安定な生活は誰も望みません。

そのため、個人事業主・フリーランス・起業家・投資家などは、高収入でも敬遠される傾向にあります。収入が多少少なくとも、毎月一定の金額が安定して入ってくる人のほうが、結婚相手として重宝されます。

オタクは会社員や公務員の人が多く、定期的に収入がある人が大半です。基本的にリスクや変化を嫌うため、今の職場に問題がなければ継続して働くことを望みます。転職する場合は、キャリアアップで引き抜かれる場合が多いです。独立や起業などリスクを負って何かをしようとする人は少ないため、特に安定収入を望む女性に好まれます。

あなたがこの三つの「安」を備えており、それを相手にアピールしていけば、必ずと言っていいほど婚活は成功します。「恋愛」の出番はどこにもありません。

オタクが結婚に向いているのは、三つの「安」を備えている人が非常に多いからです。

手をつないでいるカップル
写真=iStock.com/monzenmachi
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/monzenmachi

■異性にモテないから、浮気という発想にすらならない

以前、SNSで「オタクは浮気をしない」とつぶやいたら、「そんなわけないだろう」「オタクでも浮気をするだろう」「オタクに浮気されました」などの反応がありました。

実際のところ、オタクでも浮気する人はいます。でも、それは例外です。

たとえば、オタク評論家として有名なある方の浮気が記事になったことがあります。その人はもはや、ただのオタクの枠を超え、実業家として成功しています。だから、オタクとして浮気したのではなく、成功者だから浮気したと考えるべきでしょう。オタクの成功者は全体の1割程度でしょうか。

また、モデルのような容姿をしたコスプレイヤーのみなさんは、男女ともにモテます。だから一般的なオタクとは異なり、恋愛弱者ではありません。だから、浮気することもあるでしょう。こちらもオタク全体の1割程度でしょうか。

成功しておらず容姿は冴えなくとも、コミュ力が高いオタクがときどきいます。ガチオタなのに、なぜか異性にモテる人です。モテると浮気の一つや二つしたくなるのかもしれません。多くても全体の1割ほどでしょう。

まとめると、「成功者である」「容姿端麗である」「コミュ力が高い」オタクは浮気をする可能性がありますが、残り7割の普通のオタクは、浮気をしようという発想にすらなりません。なぜなら、異性にモテないからです。

■浮気をする暇があるなら、趣味に没頭したい

一般的なオタクは、成功者ではなく、容姿端麗でもなく、コミュ力も低く、コンプレックスを抱えていて自信がない人が大半です。自信がない人には異性、特に女性は寄ってきません。だから浮気する機会もありません。

また、オタクは趣味に集中しているため、浮気など趣味の妨げでしかないと考えます。だから浮気に興味がありません。

秋葉原電気街
写真=iStock.com/LeoPatrizi
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/LeoPatrizi

このように書くと、オタクは魅力の乏しい人物にも思えてきますが、そんなことは決してありません。オタクは能力があるのに、それをアピールしたり自慢したりせず、自己完結する傾向があるのです。

私はよくコミックマーケット(コミケ)で同人誌を買い漁るのですが、漫画やイラストの実力はプロと遜色のない人がたくさんいます。けれどプロデビューする人が限られているのは、アピールや自慢することが苦手なのも一因でしょう。

つまりオタクは、能力はあるのに謙虚なのです(もちろん例外はいますが……)。

その姿は、日本人ならではの職人気質にも通じます。浮気にうつつを抜かしている暇があったら、趣味に没頭したいというわけです。

オタクのそんな特性は、結婚においては強力な武器になります。結婚相手に誠実さを求めない人は、どこにもいませんからね。

■同じジャンルのオタクは、付き合わないほうが無難

私のオタク向けの結婚相談所は、当初はオタク同士をマッチングさせるのが目標でした。同じジャンルのオタク同士がカップルになるほうが、相性がいいと思ったからです。

しかし、これがなぜか、うまくいきません。趣味が同じで話題は豊富なのに、交際を始めてもあっさり別れてしまうのです。本人たちに事情を聞くと、オタク話に酔いしれるばかりで、人と人との絆を築けなかったことがわかりました。

オタク話だけでは、結婚につながる絆は築けません。オタク話は、それぞれの自己主張が激しくなる傾向にあります。普段どんなに冷静な人でも、オタク話で議論しようものなら、常軌を逸するくらい白熱します。オタク話は「人をおかしくする」のです。だからこそ、オタクなのです。

わかりやすい例が、プロ野球オタク同士のカップルです。お互い野球は好きでも、かたや阪神ファン、かたやアンチ阪神だった場合、議論をしたら大ゲンカになる危険性があります。それを避けるために、「プロ野球の話はタブー」になります。

同一の趣味を持つことは、結婚に向けて何らメリットをもたらさないばかりか、どちらかというとムダな衝突を生む原因になります。同じジャンルのオタクは、付き合わないほうが無難です。「まぜるな危険」です。

■ジャンルがずれていれば、マウントの取り合いもない

私の相談所では、オタクと非オタクのカップルが半数、もう半数がオタク同士のカップルで結婚しています。オタク同士のカップルでも、ジャンルがずれています。女性は腐女子で、男性は特撮オタクといった具合です。

横井睦智『オタク婚活はじめます』(すばる舎)
横井睦智『オタク婚活はじめます』(すばる舎)

オタ趣味がずれていると、互いのジャンルのことはわからないので、争うこともないし、マウントの取り合いもありません。それぞれが自分のオタ趣味を満喫することができます。相手の趣味を尊重して干渉しないようにすれば、いい関係性を築けます。

オタクと非オタクのカップルも同様に、非オタクがオタクの趣味に干渉しないようにすると、いい夫婦関係を築けるようです。

とにかく! あなたが「戦略的オタクの婚活」を始めるなら、同ジャンルのオタクだけは相手に選ばないでください。それがまず最初の「戦略」です。

婚活は結婚相手を探すためにするもので、楽しくオタク話をするためのものではないことを肝に銘じておきましょう。

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横井 睦智(よこい・むつとも)
オタク婚活コンサルタント
1971年、岐阜県生まれ。オタク専門婚活戦略コンサルタント。幼少の頃からアニメや漫画に興味をもち、学生時代にはオタクといじめられ、社会人となる。友達の紹介から婚活パーティーやコンパに参加するもうまくいかず、数々の結婚相談所に相談に行くも、強引な営業に嫌気がさす。そこで、自ら女性との会話や接し方を研究。努力の甲斐あり、2000年に結婚。2012年、日本で初めてオタク・腐女子に特化した専門の結婚相談所ミューコネクトを立ち上げる。著書に『オタク婚活はじめます』(すばる舎)、『ガチオタが1年で結婚できたわけ』(デザインエッグ社)がある。

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(オタク婚活コンサルタント 横井 睦智)

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