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運動しなくても若返りの特効薬になる方法はこれ…88歳医大名誉教授が指摘「声を出す」ことの驚きの効果

プレジデントオンライン / 2024年9月25日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/NicolasMcComber

高齢者にとって、いい運動とは何か。浜松医科大学名誉教授の高田明和さんは「『運動』は、必ずしも大きな動作で手や足を動かすことばかりではない。『声を出す』だけで意外と筋肉を使っているし、それなりのエネルギーが消費され、筋肉の硬化を防ぐ効果も期待できる。ガーデニング、料理、洗濯物を干す作業、楽器の演奏、掃除、器具の修理などの日常的な動作も筋肉や神経と脳のつながりを最適に保つうえで必要である」という――。

※本稿は、高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■日常のこんな小さな動作も「運動」になる

「運動」というと、走ったり飛び跳ねたり持ち上げたりと、本格的にやればスポーツにもなる激しく大胆な動きをする行為を想像しがちです。

でも、脳や若返りにいい運動とは、手足をブンブン振り回すような大きな動きばかりではありません。小さく繊細な動きも、筋肉や神経と脳のつながりを最適に保つうえで必要なのです。

この小さな運動にこそ、私たちはもっと関心を向けるべきでしょう。「繊細さを伴う小さな動き」は、それこそあげればキリがないほど、たくさんのことが当てはまります。

ガーデニング、料理、洗濯物を干す作業、楽器の演奏、掃除、器具の修理……などなど。しかも、どれもけっこう足腰も使うのですよ。

私はマンションのルーフバルコニーに、草花や木を植えています。日々の水やりや剪定や雑草取りなどに気をつかっており、これが指先の動きの鍛錬としても、精神衛生にもいいと感じています。

また料理も、妻を亡くしてからは現在まで、全部自分でつくっています。

食料の買い出しにはじまり、細かく切ったり皮をむいたり、食後の片づけも自分でしており、日常の楽しみにもなっています。

医学的な知識を生かして、考案したメニューは書籍内で紹介することもできますから、まさに一石二鳥の実利を兼ねた趣味になっているわけです。

■大声で読経は若返りの特効薬になる

さらに、無心で掃除をすることも、心を癒やす大きな効果があります。拭き掃除などの反復運動は、脳内に「幸せホルモン」の異名を持つセロトニンを放出させます。また、部屋がきれいになれば、自己肯定感も高まります。

掃除による心理的効果は、禅の修行でも認められていますね。「作務」といって、ひたすらお坊さんがお寺をきれいに掃除していますが、どうしたら効率よく塵が取れるかなどを考えながら体を動かすことは、修行と心身の健康維持と、衛生管理という実益を兼ねた一石三鳥の習慣でしょう。

さらに「運動」は、必ずしも手や足を動かすことばかりではないことも覚えておいてください。体は動かしていないのに、意外と筋肉を使っている――そんな人間の活動に、たとえば「声を出すこと」があります。

声を出すと、それなりのエネルギーが消費されますし、それ以上に腹筋や胸筋の筋膜が緊張したり緩んだりするので、筋肉の硬化を防ぐ効果も期待できます。

とくに腹筋や胸筋は体の中心にある筋膜ですから、ここを緩めると年寄りじみた動きがなくなり、若々しい印象を与えるようになります。

ということは、散歩をしたりストレッチをしたりするだけでなく、カラオケで歌うことだって十分に体にいいのです。私はなかなかカラオケに行く機会がありませんが、現在は大声で読経をしています。これだって若返りの特効薬になるでしょう。

■試す価値のある心地いいこと

そのほかのおすすめの運動や筋肉強化法について、試す価値のあるものをいくつか述べておきましょう。

① 世界から注目を集めている「ヨガ」

今、世界の医学界がアンチエイジング法として大注目しているのが「ヨガ」です。よく紹介されるのは、「老化による筋肉の硬化を防いでくれる方法」としてであり、日本以上に海外でブームになりつつあるようです。

ただ、ヨガにも初心者向けから高度な技術を要求するポーズまでさまざまな難易度と、バリエーションがあり、本格的にやるとなったら、それなりの練習をして習得する必要があります。地域の体験教室などもありますから、いろいろなレベルのものを試して自分にあったヨガを見つけましょう。

② 脚だけ逆立ち

「ヨガ」でも実践されていますが、両手と頭を地面につけて3点で体を支える逆立ちの効能が、今、医学会でも唱えられています。

逆立ちをすると、普段あまり経験しない刺激を体に与えることで、リンパの流れも刺激されてよくなり、精神力が高まるともいわれています。

また、逆立ちは、いつもは血流が少ない部分にまで血液が行く効果があります。とくに脳に送られる血液量が増すことで、体が活性化するのは確かでしょう。

ただし、逆立ちは一人でやって、ひっくり返ったら大ケガのもととなりかねません。必ず指導者の管理のもとで行なってください。

実際、血流の面からだけなら、壁際で仰向けに床の上に寝転び、お尻を上に上げ、足を壁につけて心臓より高い位置にする体勢になることだけで、安全を確保したうえで、同じ効果が十分に得られます。

名づけて「脚だけ逆立ち」。頭より高いところに足をつけて、そのままゆっくり5つ数えて元の状態に戻ります。

次の図表1を参考にしながら、決して無理をせずに、簡単にできることから、徐々に試していってください。

脚だけ逆立ち
出所=『20歳若返る習慣』

■動作の繰り返しにより体にくせがしみつく

③ 普段の姿勢とくせのチェック

私たちの体の使い方にはくせがあり、長い年月、その使い方の差が積み重なって、体の一部に、ゆがみやねじれが生じているものです。

右利きであれば、左腕より腕が太いでしょうし、いつも右側で食べ物を嚙むくせのある人は、顎や顔のエラも右側のほうが発達しているものです。前かがみの姿勢ばかりとってきた人は、腰椎がすり減り、腰痛持ちになるでしょう。

そうした体の使い方のくせは、繰り返し行なう運動においても発生します。ラケットやクラブを右手でばかり使っている、いつも左足で踏み込む、同じ方向にばかり体をひねる――こうした動作を繰り返すことで体にしみついたくせが、正常な動きをするのに必要な筋肉や関節の動きに影響を与えますので、修正するに越したことはありません。

ですが、「なくて七くせ」というように、自分のくせには気づきにくいもの。長年のくせを発見するには整体院や接骨院などに行き、専門のインストラクターにチェックしてもらうといいでしょう。

姿勢の矯正も、自己流で間違ったやり方をすれば、ますます状態は悪化し、大ケガをするもとともなります。ですから必ず、専門家の意見を仰ぎましょう。

④ サウナ&マッサージで体を柔らかくする
高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)
高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)

筋膜とは、筋肉をラップのように包んでいる薄い膜です。

筋肉と同様に、年をとるにつれて筋膜も硬くなっていきます。硬くなった筋膜が病気を引き起こす直接的な原因になることはありませんが、動作がぎこちなくなったり、ケガをしやすくなったり、年寄りじみた雰囲気になってしまったりするのも事実です。ならば筋膜を柔らかくするには、どうしたらいいのでしょうか?

一つは専用の器具「筋膜ローラー」で伸ばす方法があります。筋膜ローラーは、安価なものなら2000円程度で市販されています。もっと簡単なのは、サウナに入ったあとでマッサージ師によるマッサージを受けることでしょう。

また、ぬるめの風呂に入り、湯船の中でストレッチをすることも、筋膜の硬化を防ぎます。

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高田 明和(たかだ・あきかず)
浜松医科大学名誉教授 医学博士
1935年、静岡県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了。米国ロズウェルパーク記念研究所、ニューヨーク州立大学助教授、浜松医科大学教授を経て、同大学名誉教授。専門は生理学、血液学、脳科学。また、禅の分野にも造詣が深い。主な著書に『HSPと家族関係 「一人にして!」と叫ぶ心、「一人にしないで!」と叫ぶ心』(廣済堂出版)、『魂をゆさぶる禅の名言』(双葉社)、『自己肯定感をとりもどす!』『敏感すぎて苦しい・HSPがたちまち解決』(ともに三笠書房≪知的生きかた文庫≫)など多数ある。

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(浜松医科大学名誉教授 医学博士 高田 明和)

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