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飲みに誘われただけで「きっと私を好きに違いない」と勘違い…婚活沼にハマる女性に共通する残念な思考法

プレジデントオンライン / 2024年12月13日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Satoshi-K

婚活がうまくいかないと悩む女性には、似たような傾向があるという。アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんは「婚活がうまくいかない女性には、相手の行動から、自分に都合のいいストーリーを作り上げてしまっている人が多い。たとえば『毎週飲みに誘うのは自分のことが好きだからだろう』という解釈は、ただの妄想に過ぎない」という――。

■「婚活沼」にハマりやすい女性の共通点

婚活沼とは、結婚すると決断しないままずるずると婚活し続け、異性との間に起こる現実に一喜一憂する状況を指す。

婚活沼にハマってしまう理由は人によってさまざまだが、根拠のない楽観的な妄想により、現実が見えなくなっている人は意外と多い。今回は、自分の思い込みが原因で「失恋」してしまった2人の女性の事例を紹介する。

■まさか彼女がいるなんて

M子さんは、食品メーカーに勤める38歳。婚活セミナーを受講されたときは、「つき合っている人はいないけれど、親しい男性はいる」と話していた。その相手は、同じ職場の2歳上の先輩。よく仕事帰りに飲みに行くのだという。約束をしているわけではないが、金曜日になると「今日、飲みに行こうか」と先輩の方から声をかけてくる。ほかの人が加わることもあるけれど、二人きりで飲むことも多い。

初めのうちは、M子さんに恋愛感情はなかった。けれど、毎週のように飲みに行っているうちに、「この人となら、つき合ってもいいかな」と思うようになった。毎週金曜日に誘ってくるということは、彼は自分のことが好きなのだろうと思っていた。

「いつ告白してくるんだろう」と毎回ドキドキしていたが、一向にその気配はない。同じ職場にいることもあって、相手も慎重になっているのだろうとM子さんは考えていた。

そんなある日、ふとした会話から、先輩に彼女がいることが発覚する。M子さんが好物のホタルイカをオーダーしたとき、「それ、彼女も好きなんだよね」とサラリと口にしたのだ。

M子さんはびっくりした。まさか彼女がいるなんて!

「今までのことはなんだったの?」と怒りすらわいた。

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写真=iStock.com/loveshiba
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/loveshiba

憤慨するM子さんの話を聞いて、「どうして、先輩が自分のことを好きだと思っていたんですか?」と問うと、「だって、毎週のように飲みに行くんですよ? しかも彼から誘ってくるんですよ」とM子さん。「飲んでいるときに口説かれたことはあるんですか? 休みの日にデートに誘われたことは?」と尋ねると、「それは、ないです」という。

「だったら、単にお酒を飲むのが好きな人なのでは? M子さんのことは、いい飲み相手だと思っていたのではないですか」というと、「確かに……」と言葉をなくしてしまった。

■一夜を共にしたのに…

A美さんは、商社に勤める42歳。海外部門でキャリアを積んできて、仕事は楽しんでいた。人によって態度を変えない正直さがA美さんの魅力で、上司からも部下からも気軽に声をかけられるタイプ。

そんなA美さんは、同じチームにいる後輩男性のことが気になっていた。年齢は13歳下だが、そう思えないほど成熟していて、頼りになる。仕事帰りに食事に行くこともあるが、映画や音楽の趣味も合うから話が尽きない。

あるとき、A美さんは彼と二人で海外出張に出かけることになった。仕事を終えて帰国する日の前夜、二人はベッドを共にした。二人とも酔っていて、なりゆきだったとはいえ、「誘ってきたのは彼のほうだったと思う」とA美さんはいう。その出来事をきっかけに、A美さんの気持ちは大きく変化した。彼を好きだと自覚したし、てっきり彼もそう思ってくれていると思った。

異性愛者
写真=iStock.com/Maria Dorota
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Maria Dorota

しかし、帰国してからも彼の態度は変わらない。これまでと変わらず「信頼しているいい先輩」として接してくる。二人で食事をしたときに、冗談めかして「私とつき合いたいの?」と聞いてみたが、やはり冗談めかしてやんわり否定された。

「失恋してしまいました」と嘆くA美さんだったが、私からみれば、失恋も何も、まだ恋は始まってもいない状態だ。

■令和に「暗黙の了解」は存在しない

M子さんとA美さんに共通しているのは、相手の行動から、勝手に「私のことを好きに違いない」と思い込んでしまったことだ。

結婚相談所で出会った相手であれば、二人きりでお酒を飲みに行くとか、ベッドを共にするという行動は、「結婚を前提におつき合いを深めたい」という意思の表れだといえる。

しかし、独身の人みんなが婚活をしているわけではない。性別を問わず、楽しくお酒を飲むのが好きな人もいるし、交際を前提としない肉体関係を望む人もいる。恋愛観や結婚観が多様化している社会では、「暗黙の了解」は存在しないと考えていい。

自分の意向も相手の意向も、行動から推測するだけでは誤解が生まれるばかりだ。

だからこそ、言葉でお互いの意向を確かめ合うことが必要だ。

M子さんは、二人で飲みに行ったときに「彼女はいないんですか?」と確認すればよかったし、A美さんは、彼から誘われたときに「つき合うつもりがないのに、こういうことはできない」と伝えるべきだっただろう。

もちろん、M子さんやA美さんに相手とつき合いたいという意向がなく、「一緒に楽しいお酒を飲めればいい」「一夜だけの関係を楽しめればいい」と思っているなら別だ。せつない片思いに浸るのも、「もしかして、彼は私のことが好きなのかも」というふわふわした関係を楽しむことも、個人の自由だ。

肝心なのは、自分はどうしたいのかをはっきりさせること。そうすることで、だったらどうするのかも自ずと決まってくる。お付き合いや結婚をしたいなら、相手の意向を確認したり、ときには思いを伝えたり……うまくいけばハッピーだし、うまくいかなかったとしたら、次なる相手を探すしかない。

妄想や思い込みの世界に止まっていると、現実はなかなか変わらないため、モヤモヤした期間を多く過ごすことになる。

■本音が導いたそれぞれの道

改めて自分の気持ちに向き合った結果、M子さんは「やっぱり、結婚したい」という思いに気づいた。それからは、先輩の誘いに毎回乗ることはやめた。

仕事の帰りに会社の人と飲みに行くことはあるが、「婚活をすることにしたので、誰かいい人がいたら紹介してください」と積極的に伝えるようにした。そのおかげで、独身の男性を紹介されたり、食事会に誘われたりすることが増えたそうだ。

一方、A美さんは、自分が年下の彼と真剣につき合いたいと思っているわけではないことに気づいた。彼に好意は持っているし、13歳下の男性から、女性として求められたという事実は素直に嬉しい。今は仕事も楽しいし、プライベートも充実している。今は、自分の生活を変えてまで、誰かと一緒に生活したいとは思えない。

自分の気持ちを自覚したA美さんは、彼が自分とつき合いたいと思っていないからといって、落ち込む必要はないと気づいた。出張先での出来事も、「いい経験だったな」と振り返る余裕ができたという。

■「言葉で伝え合う」ことは結婚後も必要

心から「結婚したい」と思っているなら、言葉にしてそれを伝えることが婚活の第一歩だ。

「結婚したい」といえば、すぐに結婚できるというわけではない。けれど、私のところに相談に来て結婚した方たちは、もれなく自分の本当の気持ちに向き合い、「私は結婚する」と決意している。

中には、「結婚したいと公言するなんて、かっこ悪い」などといやがる人がいるが、「結婚したい」という意思を表明することは、かっこ悪いことでもなんでもない。むしろ、お互いの気持ちを言葉にして伝え合うコミュニケーションは、結婚生活でこそ求められる。

まずは、自分の本当の気持ちを確認して、認め、言語化することから始めてみてほしい。

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伊藤 友美(いとう・ともみ)
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー
1970年生まれ、東京在住。約9年間の婚活中には、条件を下げたり、妥協を重ねることで「婚活ウツ」を発症。そこから研究を重ね、数々のワークを生み出し、実践。39歳から再開した婚活では、出会いから2カ月でプロポーズに至るスピード婚を果たす。自身の経験を通じて構築した〈最短最速で理想通りの男性と結婚する方法〉を伝える「3ヶ月で全員婚活卒業!婚活塾」は全国から参加の受講生で毎回即満席となる。受講生の成婚年齢は40代が一番多く、平均44歳。50代の成婚者も少なくない。結婚相談所Lulu Spacesの代表も務める。近著は『結局、理想を下げない女ひとが選ばれる』(フォレスト出版)。

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(アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー 伊藤 友美)

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