植物性乳酸菌「ラブレ菌」のナノ化(粒子径1.0μm未満)により、これまでより約5.5倍のインターフェロンα産生能の向上を確認 「免疫賦活剤」として日本国内で本年5月に特許を取得
PR TIMES / 2015年10月15日 9時59分
~健康食品や化粧品、医薬部外品等、様々な製品への応用が可能~
信和薬品株式会社(本社:富山市婦中町、代表取締役:下村健三)は、有限会社バイオ研(代表取締役:菅辰彦)、NPO法人日本サプリメント臨床研究会(理事:船木聡)、コスモ食品株式会社(代表取締役:岡田博)と共同で植物性乳酸菌「ラブレ菌」をナノ化した乳酸菌(粒子径1.0μm以下)により「免疫賦活剤」としての特許を「日本国内」で本年5月に取得、本年7月より特許公報に公開されていることをご報告いたします。
【発明の名称】 免疫賦活剤
【特許番号】 特許第5751219号
【特許権者】 信和薬品株式会社
有限会社バイオ研
特定非営利活動法人日本サプリメント臨床研究会
コスモ食品株式会社
このナノ化技術を用いた『ナノ型ラブレ菌』の「免疫賦活剤」としての特許を取得したことにより、今後、様々な製品への応用が可能となります。また、固形状、液状等の形態を選ばないため、保健、健康維持・増進等を目的とした健康食品への利用や、ローションや乳液、クリームをはじめとする化粧品や医薬部外品への利用が期待できます。
ラブレ菌は1990年初頭に、故岸田綱太郎博士が伝統的な京漬物「すぐき漬」より分離、発見した植物性乳酸菌で免疫助長剤として知られていますが、ナノ型ラブレ菌はこのラブレ菌をナノ化した乳酸菌で、2012年に国際特許を出願、既にEPC(ヨーロッパ)、ユーラシアにおいても製造特許と共に「免疫賦活剤」としての特許を取得しております。
<本件に関するお問い合わせ先>
信和薬品株式会社 担当:小林
TEL:076-465-7755
FAX:076-465-5153
会社HP http://www.yoshindo.co.jp/company/subsidiary/shinwayakuhin
【開発の背景】
弊社は、15年前に現・財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター等と共同で、「ラブレ菌」を粉末にして添加した免疫機能助長剤を共同開発し、特許化しました(特許第2051579号「免疫機能助長剤」)。「ラブレ菌」には、体にウイルスが侵入した時に細胞が刺激を受けると産生され、ウイルスの増殖を抑えるインターフェロンの産生能を高め、ナチュラルキラー細胞(*1)(以下、NK細胞)などの免疫に携わる細胞の活動を活性化する免疫賦活作用が既に認められています。
一方で、生体における腸管免疫の主役は、パイエル板と呼ばれる腸管組織です。「ラブレ菌」のような乳酸菌は胃内で消化分解されず、大きな分子のまま腸まで到達します。
これらがパイエル板の上にあるM細胞を刺激することによってマクロファージ(貪食細胞)(*2)が活性化し、サイトカイン(*3)を放出しますが、粒子の大きさが10μmを超えるとM細胞による貪食は著しく低くなることがわかっています。つまり、免疫力を発揮するためには、粒子の大きさを小さくすることで効果を得ることが出来ますが、これまでの「ラブレ菌」においては、粒子径が9μm近くもあり、粒子径が小さい他の乳酸菌と比べるとIFN-α産生能は満足できるものではありませんでした。
【特許技術】
どのくらいまでの大きさであれば「ラブレ菌」はパイエル板から取り込まれるのか?課題となる粒子の大きさとパイエル板との関係について、これまでにも多くの研究がなされてきましたが、これまでの考えを基本に、「乳酸菌体の粒度を小さく」し、しかも「菌体同士の再凝集を防止するための条件」を検討しました。
そこで、弊社と上記3社では乳酸菌の表面がプラスに荷電していることに着眼し、培養工程および加工工程をある特定条件に調整することで、「分裂菌が接合したままの双菌状態および菌同士の再吸着が防止」でき、「乳酸菌体の粒度が1.0μm未満のナノレベルにまで小さくすること」に成功しました。一般的に、乳酸菌が培養時における諸条件によってその形態が変化することは知られていましたが、乳酸菌の大きさ自体を1.0μm未満にまで調整できるという技術を開発いたしました。
【研究概要】
《試験結果》
このナノ技術をラブレ菌に適用し、『ナノ型ラブレ菌』のINF-α産生能を測定した結果、粒子径が1.0μm未満にまで小さくなり、当該菌体をもって抗原提示細胞からのINF-α産生能を著しく増強させ、免疫賦活作用を向上し得ることがわかり、それは既存「ラブレ菌」の約5.5倍という結果でした。
<既存「ラブレ菌」とのINF-α産生能 比較>
[画像1: http://prtimes.jp/i/15738/1/resize/d15738-1-598763-0.jpg ]
<製品別の粒子径とINF-α産生能 分布図>
[画像2: http://prtimes.jp/i/15738/1/resize/d15738-1-337094-1.jpg ]
《結論》
この新しい技術によれば、通常の粒度が1.0μmより大きな乳酸菌に対しても、乳酸菌体の粒度を1.0μm未満にまで調整することができ、このようにして得られた『ナノ型乳酸菌』の菌体は、抗原提示細胞からのIFN-α産生能を増強させ、免疫賦活作用を向上し得るため、非常に有用な菌体です(この技術はすでに2013年に製造特許を取得しています(特許第5257363号))。
今回のナノ型乳酸菌は、乳酸菌の培養工程及び滅菌工程を含む加工工程における培地のpHを5~8に調整して得られる、粒度分布における最頻値が1.0μm以下であるナノ型乳酸菌を含有する免疫賦活剤であり、ラクトバチルス・ブレビスFERM BP-4693(ラブレ菌)の死菌のみからなることを特徴とし、また、培養工程における培地が、エネルギー利用性の最も高いブドウ糖を含有し、ブドウ糖が消費された時点を培養終点として得られる免疫賦活剤です。弊社では、これをナノ型ラブレ菌として商品化しております。
このナノ型ラブレ菌は、そのまま製品とすることもできますが、打錠はもちろん、風味を上げたり、必要な形状にする等のために種々の成分を添加、配合したり、更にフレーバーを添加するなどして最終製品化されます。
この『ナノ型ラブレ菌』の「免疫賦活剤」としての特許を取得したことにより、今後、健康食品や化粧品、医薬部外品など、様々な製品への応用が可能となります。
【用語の説明】
*1- ナチュラルキラー細胞(NK細胞)
感作(かんさ)されずにキラー細胞として働くリンパ球。非T・非Bリンパ球で、
悪性変化を起こした細胞や、ウイルスを殺す。ウイルス感染では免疫系の活性化
以前に第一線の防衛を行います。
*2- マクロファージ(貪食細胞)
動物体のすべての組織に存在するアメーバ状の大形細胞。細菌や異物を取り込ん
で消化するとともに、その抗原としての情報をT細胞などに伝えます。
*3- サイトカイン(cytokine):
細胞から分泌されるタンパク質の一種で、特定の細胞に情報伝達をするものをいいます。細胞に生化学的あるいは形態的な変化をもたらします。
≪会社概要≫
・社名 信和薬品株式会社
・住所 富山県富山市婦中町萩島3697-8
TEL:076-465-7755
・設立 1976年
・代表 下村健三
・会社HP http://www.yoshindo.co.jp/company/subsidiary/shinwayakuhin
・事業内容 健康食品製造(ラブレ菌製剤、クロレラ、ビタミンC、ビタミンE他、
機能性食品の企画および受託業務)
・関連会社 株式会社陽進堂、ラブレ創健株式会社、エイワイファーマ株式会社、
YLバイオロジクス株式会社
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