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2017年度 「国際交流基金賞」 受賞者決定

PR TIMES / 2017年9月4日 16時26分

アレクサンドラ・モンロー氏、フレデリック・ショット氏、アンドレイ・ベケシュ氏

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、1973年以降、毎年、学術や芸術などのさまざまな文化活動を通じて、日本と海外の相互理解促進に長年にわたり顕著な貢献のあった個人または団体に対し、「国際交流基金賞」を授与しています。

このたび、第45回の授賞となる2017年度の受賞者が下記の通り決定しましたのでお知らせいたします。

なお、授賞式は、10月16日(月)18時より、ホテルオークラ東京にて開催いたしますが、授賞式および各受賞者の講演会につきましては、後日ご取材に関する詳細をご案内いたします。何卒よろしくお願い申し上げます。



記                       

【受賞者】
■アレクサンドラ・モンロー(ソロモン・R・グッゲンハイム美術館 アジア美術上級キュレーター/グローバル美術上級アドバイザー)
<草間彌生から「具体」まで、日本を中心とするアジアの現代アートを世界に紹介>
■フレデリック・L・ショット (作家、翻訳家、通訳者)
<手塚治虫作品をはじめ、日本の漫画を世界に発信>
■アンドレイ・ベケシュ (リュブリャナ大学名誉教授(日本研究))
<スロベニアにおける日本語教育・日本研究の第一人者>

■国際交流基金について(http://www.jpf.go.jp/j/index.html
国際交流基金は世界の全地域において、総合的に国際文化交流事業を実施する日本で唯一の専門機関です。1972年に外務省所管の特殊法人として設立され、2003年10月1日に独立行政法人となりました。海外に23か国・24の拠点を持ち、「日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむ」をミッションに掲げ、世界の人々と日本の人々の間でお互いの理解を深めるため、さまざまな企画や情報提供を通じて人と人との交流をつくりだしています。

※以降に受賞者の略歴や授賞理由などの詳細を記載しております。

[画像1: https://prtimes.jp/i/28009/1/resize/d28009-1-527778-1.jpg ]

■アレクサンドラ・モンロー
(ソロモン・R・グッゲンハイム美術館アジア美術上級キュレーター/グローバル美術上級アドバイザー)【米国】
 Alexandra Munroe
(Senior Curator, Asian Art, and Senior Advisor, Global Arts, Solomon R. Guggenheim Museum) [U.S.A.]

【授賞理由】
アレクサンドラ・モンロー氏は、戦後から現代までの日本美術を美術史の一貫した立場から実証的に研究し、展覧会を企画してきた。

1994年に横浜美術館のゲスト・キュレーターとして企画した「戦後日本の前衛美術:空へ叫び」展は、日本の戦後美術史を新たに再構築し、戦後から現代にわたる重要な美術運動を幅広く文化的、政治的、国際的文脈で包括的に論じた画期的な展覧会であり、1994-95年にアメリカを巡回し高く評価された。同展とその図録は、モンロー氏の日本文化への深い知識と理解に基づき、欧米中心の視点に偏ることなく日本の前衛美術を自立的なものとして海外に示すものであり、「具体」や「ネオ・ダダ」、「もの派」、そしてより若い世代の日本の現代美術家たちの国際的な評価を高めることに大きく貢献した。

1989年以降、「草間彌生」回顧展(1989)、「森山大道:Stray Dog」展(1999)、「Yesオノ・ヨーコ」展(2000)、村上隆企画「リトル・ボーイ:爆発する日本のサブカルチャー・アート」展(2005)、「具体:素晴らしい遊び場」展(2013)など戦後から現代までの日本美術を個別に取り上げる展覧会を企画また共同組織し、自身も寄稿して学術的研究に裏付けられた図録を出版している。これらの書籍は展覧会後もその内容を英語圏に紹介し、グローバルな近現代美術史における日本美術の理解を深める役割を果たしている。

また、2009年にグッゲンハイム美術館で開催した「第三の心:アメリカ人アーティストが見つめたアジア、1860-1989」展は、日本、およびアジアの美術、文学、思想が19世紀以降のアメリカ美術に与えた影響について明らかにした展覧会であり、全米人文科学基金から第一回長官特別賞を受賞している。

モンロー氏は長年にわたり革新的な展覧会を通じて国際相互理解の促進に貢献してきた。今後益々の活躍を期待して国際交流基金賞を授与する。

紹介動画URL:https://youtu.be/FyQNxRakHls

【略歴】
米国生まれ。ニューヨーク大学で日本の戦後美術と政治を対象とした研究論文で博士号を取得。アジア美術を専門とする研究者、著述家であると同時に、この世代の最も重要なキュレーターの一人として国際的に認知されている。第二次世界大戦以降の日本美術を総体的に検証した「戦後日本の前衛美術:空へ叫び」展(1994-1995)はアメリカを巡回し高く評価された。2009年にグッゲンハイム美術館で開催した「第三の心:アメリカ人アーティストが見つめたアジア、1860-1989」展では、アメリカのモダニズムの発展に対する日本をはじめとするアジアの影響を考察し、全米人文科学基金から第一回長官特別賞を受賞。

【受賞にあたって】
モンロー氏は、本賞の副賞をポンジャ現懇(ポスト 1945 日本美術ディスカッション・グループ/現代美術懇談会)に寄贈し、現代日本美術に関する学術的な研究成果のオンライン・ライブラリー構築を図ることを考えています。

【写真】Alexandra Munroe with her exhibition catalogues, 2015. Photo by John Bigelow Taylor

[画像2: https://prtimes.jp/i/28009/1/resize/d28009-1-929202-2.jpg ]

■フレデリック・L・ショット (作家、翻訳家、通訳者)【米国】
 Frederik L. Schodt(Writer, translator, and interpreter)[U.S.A.] 

【授賞理由】
フレデリック・ショット氏は40年にわたり活躍してきたライター・翻訳家で、マンガ評論と翻訳のパイオニアである。
1970年、日本留学中にストーリーマンガに熱中し、1977~78年に数人の友人と一緒に手塚治虫の「火の鳥」の一部を翻訳した。出版に結びつくことはなかったが、手塚氏との12年にわたる親交を培う契機となり、1983年のショット氏の最初の著作『Manga! Manga! The World of Japanese Comics』に手塚氏が序文を寄せた。

当時ストーリーマンガは、日本では発展していたが、海外の読者は日本語を駆使できないと読むことができなかった。ショット氏はこのような状況下、同著の中で、日本のマンガについての豊富な情報だけでなく、およそ100ページにのぼるマンガの翻訳をも読者に提供した。こうした未知の文化について教えるだけでなく、その文化での体験を人々と共有する姿勢は21世紀のインターネットに支えられた参加型文化においてもショット氏のキャリアを特徴づけるものである。つまり、この新たな環境においても、ショット氏はマンガを読む人と読まない人の間、手塚作品のような古典を評価する人としない人の間につながりを作っているのである。

マンガの紹介で世界的に知られている一方で、幕末にアメリカの興行師によって作られた日本の曲芸団を調査した『Professor Risley and the Imperial Japanese Troupe』など、ショット氏は過小評価されていた表現分野にも関心を寄せてきた。ショット氏は、1904年から1924年の間アメリカで過ごした4人の日本人青年を描いた『漫画四人書生』(木山義喬著1931年)を1998年に英訳したが、この作品は再び話題を呼び今やカリフォルニアで人気のあるミュージカルとなっている。

このようにショット氏は多面的な文化交流へ貢献してきた。今後益々の活躍を期待して国際交流基金賞を授与する。

紹介動画URL:https://youtu.be/zwcsHrcq4wQ

【略歴】
1950年米国生まれ(67歳)。 国際基督教大学留学中の1970年頃、 日本のマンガにはまり、1977年以降、手塚治虫の『鉄腕アトム』をはじめ、池田理代子、松本零士、士郎正宗、星野之宣、浦沢直樹等、数多くの日本の漫画家の作品を翻訳・ 共訳し、著作、講演、通訳などを通して海外への普及に貢献。昨今の米国におけるマンガ・ブームの火付け役となった。その功績を称えられ、2000年に、第4回手塚治虫文化賞特別賞、2009年には、旭日小綬章を受賞。近訳に『手塚治虫物語』(英題:The OSAMU TEZUKA Story: A Life in Manga and Anime)。

【写真】 ショット氏近影


[画像3: https://prtimes.jp/i/28009/1/resize/d28009-1-996670-0.jpg ]

■アンドレイ・ベケシュ (リュブリャナ大学名誉教授(日本研究))【スロベニア】
 Andrej Bekeš(Professor Emeritus of Japanese Studies, University of Ljubljana)[Slovenia]

【授賞理由】
アンドレイ・ベケシュ氏はリュブリャナ大学を拠点として、スロベニアにおける日本語教育・日本研究を長年にわたり牽引してきた。欧州の日本研究団体とも積極的に交流し、日本語教育・日本語研究を中心とする日本研究者の欧州広域ネットワーキングにおいて中心的役割を果たしてきた。2014年に開催された第14回EAJS(ヨーロッパ日本研究協会)においては国際会議実行委員長を務め、日本語教育や日本語学の位置づけをさらに確固たるものとした。

ベケシュ氏と日本との深い関わりは、1972年大阪外国語大学留学生別科入学に始まる。大阪大学理学研究科に進むが、次第に日本語の面白さに魅せられ、日本研究の道に入った。1986年筑波大学より博士論文「テクストとシンタクス」により博士号を授与されスロベニアに帰国したが、1990年に再来日し、筑波大学で日本語教育および日本語研究に携わる。

1995年にスロベニアに戻り、リュブリャナ大学文学部に新設されたアジア・アフリカ研究学科の初代学科長に任命され、以後スロベニアの日本研究の発展、人材の育成に尽力した。2010年には筑波大学大学院および留学生センター教授に就任し、日本研究者の育成や留学生教育に力を注いだ。2013年に再びリュブリャナ大学に戻って日本研究を担当し、スロベニアの日本語学および日本語教育の第一人者として活躍し、日本の大学においても講演活動を続けている。

日本語研究に関する業績は、文法研究、言語対照研究、テクスト・談話研究など多岐にわたる。また、日本語学習から専門的日本研究につなげることを目的とした読解教材『日本語学習者のための日本研究シリーズ』を、日本の日本語教育関係者と共同開発するなど新たな取り組みも始めている。

このようにベケシュ氏は長年にわたり日本語教育・日本研究を通して国際相互理解の促進に貢献してきている。日本とスロベニア、日本と欧州を架橋する研究者・教育者として、今後益々の活躍を期待して国際交流基金賞を授与する。

紹介動画URL:https://youtu.be/bm2K4MmMN_U

【略歴】
1949年 スロベニア生まれ(68歳)。1971年 2月 リュブリャナ大学理工学部卒業後、来日し1986年に筑波大学で文学博士を取得。1995年には、リュブリャナ大学アジア・アフリカ研究学科(現アジア研究学科)の日本研究講座の開設に尽力。同講座は、スロベニアにとどまらず、クロアチア、ベラルーシなど近隣の中東欧諸国からの留学生も迎え、活発な日本語教育・日本研究を推進しており、年間約200名の学生がこの講座で学んでいる。日本語学習者のための教材を数多く開発し、ベストセラーとなった共著『教師と学習者のための日本語文型辞典』(1998年)は、各国語版に翻訳されている。2008に年旭日小綬章受章。

【写真】 ベケシュ氏近影

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