1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

抗ウイルス化学療法剤「点滴静注用ホスカビル(R)注24mg/mL」が世界初・唯一の「造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎」の適応で国内製造販売承認を追加取得

PR TIMES / 2019年3月26日 14時40分

クリニジェン株式会社(本社:東京都、以下「クリニジェン」)は、「点滴静注用ホスカビル(R)注24mg/mL」(「本製品」、一般名:ホスカルネットナトリウム水和物)について、3月26日、造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎(「HHV-6脳炎」)の効能追加に係る承認事項一部変更承認を取得しましたのでお知らせします。

 造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎(「HHV-6脳炎」)への本製品の効能効果については、日本造血細胞学会から提出された未承認薬・適応外薬の要望に基づき、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において該当医薬品に指定され、2018年1月18日、同検討会議での審議を経て、既に2018年11月8日、厚生労働省より上記効能効果での保険適応が開始されるとの通知が発出されております。
 「造血幹細胞移植後のHHV-6脳炎」とは、白血病や再生不良性貧血などの治療として行われる造血幹細胞移植を受けた患者様に好発する、潜伏感染していたヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)の再活性化を原因とする脳炎で、主な症状として急性意識障害、近時記憶障害、痙攣、頭痛、発熱などの中枢神経障害を惹起し、致死的な経過をとることもあります。また、治療の遅れにより中枢神経系に重大な後遺症を残します。
 本製品は日本や欧米等において「造血幹細胞移植後患者におけるサイトメガロウイルス血症及びサイトメガロウイルス感染症」などの効能で承認され、10数年にわたり使用されている注射剤ですが、臨床の現場ではHHV-6脳炎の治療に効果が期待できることが広く知られてきました。
 本製品が造血幹細胞移植後のHHV-6脳炎に対する治療手段として用いられることで、患者様の生命予後さらにはQOLの向上に寄与できることを願っております。
 なお、これまでには世界的に見ても、「造血幹細胞移植後のHHV-6脳炎」の適応で承認を受け市販されている医薬品はなく、本製品は世界初で唯一の当該効能で承認を受けた医薬品となります。

問合せ先:
クリニジェン株式会社 営業本部 マーケティング部 加藤 Tel 03-6869-0663


<用語解説>

【点滴静注用ホスカビル(R)注24mg/mL】
本製品の有効成分であるホスカルネットは、ガンシクロビルやアシクロビルと異なり、直接、ウイルスDNAポリメラーゼを阻害し、サイトメガロウイルスの他、各種ヒトヘルペスウイルスの増殖を抑制する作用があることが試験管内試験で確認されています。
本邦では、アストラゼネカ社によって「エイズ患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎」の効能で承認され(1997年3月)、その後、「造血幹細胞移植後患者におけるサイトメガロウイルス血症及びサイトメガロウイルス感染症」の効能追加を受け(2011年5月)、2016年11月よりクリニジェン社が承継を受け製造販売を行っています。

【造血幹細胞移植】
血液のがんに罹患すると、抗がん剤治療や放射線療法を一般的に実施します。しかし通常の抗がん剤治療や放射線療法では治癒しない場合があり、より大量の抗がん剤や放射線が必要となります。しかしその治療は骨髄中の正常の造血幹細胞にも影響を及ぼし、白血球減少、貧血、血小板減少などの造血障害を引き起こします。また造血幹細胞自身が病気に侵され、正常に造血が行われずに、重い免疫不全などに陥る場合があります。「同種造血幹細胞移植」は、これらの原因で障害された造血幹細胞を健康な人(ドナー)の造血幹細胞に置き換える治療法です。骨髄から採取した細胞の移植を「骨髄移植」、末梢血から採取した細胞の移植を「末梢血幹細胞移植」、臍帯血を用いるものを「臍帯血移植」といいます。一部の造血器疾患では治癒が得られる標準治療として確立されており、日本においても自家移植(あらかじめ採取・保存された患者さん自身の造血幹細胞を移植する方法)が年間1800件、同種移植が2500件程度行われています。(日本造血細胞移植学会webサイト)

【HHV-6(ヒトヘルペスウイルス6型)】
HHV-6は1988年に発見されたヘルペスウイルスの一種で、ヒト特異的で2本鎖のDNAをゲノムとして持つDNAウイルスです。本ウイルスにはAとBのサブタイプがあり、約90%のゲノム配列の相同性を有していますが、病原性が明らかになっているのはほとんどがサブタイプBです。
多くの人は新生児期にHHV-6に初感染し、発熱や突発性発疹を引き起こしますが、大過なく経過し、その後、唾液腺、骨髄前駆細胞、中枢神経細胞などに潜伏します。本ウイルスは、そのゲノムの両端に持つヒト染色体のテロメアと同一の塩基配列 (TTAGGG) を利用してヒトの染色体の一部となって潜伏することが知られています。
また、成人の健常人の大半では脳、特に海馬を含む大脳辺縁系の神経細胞に潜伏感染していること、潜伏感染中は再活性化が起きないかぎり人体に害を及ぼさないことが知られています。

【HHV-6脳炎】
HHV-6脳炎は、脳内での当該ウイルスの増殖によって引き起こされる主に中枢神経障害を伴う脳炎で、これには大きく分けて二つのケースがあります。
一つは、乳幼児期の初感染時に免疫応答の力が弱い場合に脳に移行した当該ウイルスが増殖することで惹起されるケースと、造血幹細胞移植などに伴って免疫力が低下した患者の脳内で潜伏中の当該ウイルスの再活性化によって発症するケースです。
造血幹細胞移植後に再活性化したHHV-6脳炎に対して薬事承認された薬剤はどの国にもなく、内外の臨床現場ではホスカルネットやガンシクロビルなどの抗HHV-6活性を有する抗ウイルス薬による治療が試みられてきました。多くの臨床研究により、ホスカルネットのHHV-6脳炎に対する効果が確認され、「造血細胞移植ガイドライン-ウイルス感染症の予防と治療 HHV-6」(日本造血細胞移植学会、2018年2月)においては、ホスカルネットは治療の第一選択に位置づけられています。


クリニジェンについて

クリニジェン株式会社は、本社をイギリスのバートンオントレントに置き、様々な医薬品関連事業を行っているClinigen plc (ロンドン新興市場に上場)の100%子会社で、国内においては、本製品の製造販売の他に、主に稀少疾患治療薬やニッチな市場に向けた医薬品の研究開発、製造販売等の事業を展開して参ります。また、グループ会社であるリンク・ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区)と連携して日本の製薬会社に対し、人道的立場からの未承認薬のEAP (Early Access Program) の紹介とその実施に向けたコンサルタント等のサービスを提供しています。

企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください