<6月21日は世界ALSデー>「自分の声で話し続けたい」ALS患者の想いをテクノロジーで実現。「ALS SAVE VOICE」
PR TIMES / 2019年6月20日 13時40分
音声合成「コエステーション(TM)」× 視線入力装置「OriHime eye」
株式会社オリィ研究所・東芝デジタルソリューションズ株式会社・一般社団法人WITH ALSの3社は、自分の声を失ってしまうALS患者の“声”を救うサービス「ALS SAVE VOICE」プロジェクトを共同で進行しており、2019年夏頃にサービスを提供開始予定です。
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6月21日は、世界ALSデー。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)啓発のために制定されたこの日に向けて、研究を続けてまいりました。
「ALS SAVE VOICE」は、音声合成プラットフォーム「コエステーションTM」と目を使った意思伝達装置「OriHime eye」を連携させ、ALS患者が自分の声で発話し続けられるサービスです。
今回の研究・開発は、WITHALS代表理事であり自身もALS当事者である、武藤将胤の発案によりスタートしました。自分の声を残すことは、進行が進んだALS当事者にとっては切実な願いです。自分の声でコミュニケーションを取ることはALS当事者や家族にとって想像以上に重要であり、コミュニケーションの研究を続けるオリィ研究所にも、何人もの当事者やご家族から「本人の声で話せないだろうか」「もう主人の声を忘れてしまった」との声が寄せられていました。また、これまでにも自分の声に似た合成音声を作る技術自体はいくつかありましたが、どれも簡単にできるものではなく、費用面やツール面などで多くのハードルがありました。
「ALS SAVE VOICE」は、「コエステーションTM」の音声合成と「OriHime eye」の視線入力、2つのテクノロジーを融合させることで、自らの声を残しコミュニケーションに活用できる仕組みを実現。
利用者が手軽に継続的に、日常に取り入れられるサービスを目指しました。
私たちはこのサービスを通じて、一人でも多くのALS患者さんが、より自分らしく前向きな人生を歩み続けられるよう願っています。
難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、 2019年現在、有効な治療法が確立されていない指定難病。意識や五感は正常のまま身体が動かなくなり、やがて呼吸障害を引き起こす。延命のためには、人口呼吸器が必要。平均余命は、3~5年。呼吸器を装着する事で生きることはできるが、身体能力に加え発話能力も失っていく。現在年間約10万人に1人が発症しており、世界で約35万人、日本には約1万人の患者がいる。
「ALS SAVE VOICE」概要
株式会社オリィ研究所・東芝デジタルソリューションズ株式会社・一般社団法人WITH ALSの、3社共同研究・開発。
音声合成プラットフォーム「コエステーションTM」と目を使った意思伝達装置「OriHime eye」を連携させ、ALS患者が自分の声で発話し続けられるサービス。
▼使い方
・STEP1:「コエステーション™」で音声を作成
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「コエステーション™」アプリをダウンロードし、アプリ内の指示に従って自分の声を録音。何度か繰り返すことで、自分の声に似た、合成音声が作成できます。
・STEP2:「OriHime eye」と連携
「OriHime eye」と視線入力のコンピュータを用意。
視線入力装置のIDとSTEP1で使用したコエステーションのIDを連携させます。
・STEP3:自分の音声でコミュニケーション!
視線入力コンピュータ上で、コエステーションの声を選択。
視線で文字盤を操作して文字を入力すると、STEP1で作成した合成音声の声で、言葉が再生されます。
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※尚、本サービスは、「現在まだ発話ができ、自分の声を残せる方」が対象者となります。既に病気の進行が進んでしまい発話ができなくなってしまった方の声を録音などの音声から復元することは、残念ながら現段階ではできかねます。
しかし今後も研究を続け、方法を探ってまいりますので、技術発展にご期待ください。
※OriHime eyeの導入には購入補助制度を用いても約5万円の自己負担費用が生じますが、OriHime eyeの導入未決定の方でも、自分の声をあらかじめ残しておく事が可能です。
クラウドファンディングにより実現
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このプロジェクトは、社会問題と向き合い課題解決に取り組んでいる人に特化したクラウドファンディングプラットフォーム「GoodMorning」にて、2019年5月16日から30日までの15日間、資金を募集。
目標金額150万円に対し、348人の皆さまから3,427,610円の支援を頂き、実現に至りました。
ご協力いただいた皆さまへ心より感謝申し上げます。
・クラウドファンディングページ:
https://camp-fire.jp/projects/view/153781
・プロジェクト動画:
https://www.youtube.com/watch?v=E5nXyWvX5V4
■「OriHime eye」について
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「OriHime eye」とは、発話や手足を動かせない状態の患者さんが視線を使って簡単に文字入力、文字の読み上げができる意思伝達装置。視線でPCを操作でき、従来の介助者の手を借りることなく自分の意志で文字入力&合成音声での発話が可能の他、細かな絵を描いたり、SNS投稿までできるようになりました。また、遠隔分身ロボット「OriHime」(別売)と組み合わせる事により、ベッドで寝たきり状態のまま、「手を上げる」「拍手」「周囲を見渡す」など身体的な表現や、外出、就労も可能となります。
ただのコミュニケーション支援に終わらず、誰かの役に立てて“自分らしい“人生を送れるテクノロジー開発を担っています。
「オリィ研究所」ホームページ:https://orylab.com/
■「コエステーション™」について
[画像8: https://prtimes.jp/i/45877/2/resize/d45877-2-506106-0.png ]
「コエステーション™」とは東芝デジタルソリューションズの音声合成技術を活用した、人間の声を人工的に作ることのできるサービスです。身近な人から有名人まで、多種多様な「コエ」の音声合成を利用可能です。テキストから音声コンテンツを生成し、リアルタイムの情報読み上げやナレーション作成など様々な用途に利用できます。
一般の方が手軽に体験できるスマートフォン用のアプリも提供しています。
「コエステーション™」ホームページ: https://coestation.jp/
■WITH ALSについて
[画像9: https://prtimes.jp/i/45877/2/resize/d45877-2-453991-8.png ]
27歳でALSと診断された、コミュニケーションクリエイターの武藤将胤が立ち上げた、ALSの課題解決を起点に、全ての人が自分らしく挑戦出来るBORDERLESSな社会を創造する団体です。
COMMUNICATION×COLLABORATIONの力を核にして、BORDERLESS ENTERTAINMENT / EMPOWERMENT TECHNOLOGY / HUMAN CAREの3つの領域で、活動に取り組んでいます。
WITH ALS ホームページ:http://withals.com/
- WITH ALS 公式Facebook:https://www.facebook.com/project.withals/
- WITH ALS Instagram:https://www.instagram.com/withals_masa/
武藤将胤メッセージ
私自身、今年の2月に気管切開手術を受け、発話が出来るスピーチカニューレをつけるまでの間、一時的に、声が出せない状態を体験しました。想像以上に、自分の意思が伝わらない、もどかしさや辛さを実感しました。
そして何より、自分の声がもう一度出せた時に、妻や家族、仲間が泣いて喜んでくれた光景を見て、声は自分だけのものではないんだと気付かせてもらいました。
周囲で支えてくれている人のためにも、自分の声でコミュニケーションを続けていきたいと強く思ったのです。
これまでも自分の声に似た合成音声を作る技術自体はいくつか他にもありました。
ただ、どれも簡単に自分でできるものではなく、患者さんに大きな経済的負担がかかってしまう。また、視線入力ソフトでは対応していない事も多い。という課題がありました。
今回のプロジェクトで、テクノロジーの力を掛け合わせ、これまでの課題を解決し、ALSになったとしても、自分の声で、自分らしいコミュニケーションを続けていくことが出来るのだと、1人でも多くの方に未来への希望を届けたいと思います。
▼プロフィール
[画像10: https://prtimes.jp/i/45877/2/resize/d45877-2-144953-9.jpg ]
武藤将胤(むとう・まさたね)
1986年ロサンゼルス生まれ、東京育ち。難病ALS患者。一般社団法人WITH ALS代表理事、コミュニケーションクリエイター、EYE VDJ。過去には広告会社・博報堂にて、様々な大手クライアントのコミュニケーションプラン立案に従事。
2013年26歳の時にALSを発症し、2014年27歳の時にALSと宣告を受ける。現在は世界中にALSの認知・理解を高めるため「WITH ALS」を立ち上げCOMMUNICATION×COLLABORATIONの力を核にして、BORDERLESS ENTERTAINMENT / EMPOWERMENT TECHNOLOGY / HUMAN CAREの3つの領域で、活動に取り組んでいます。
昨年、初の著書「KEEP MOVING 限界を作らない生き方」を発売。
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