ペットに関する情報や疾患の多様化を背景に、対応領域が拡大する獣医療の研究・開発を推進し、獣医療ならびにその関連領域の発展に貢献するVision Vets Group (VVG) Labを開設。
PR TIMES / 2020年5月22日 10時25分
[画像: https://prtimes.jp/i/58665/2/resize/d58665-2-195964-0.jpg ]
この度、東京大学名誉教授の中山裕之と佐々木伸雄、同大学特任助教の三輪恭嗣らは、獣医学領域の先進的な研究・開発の推進やその公開等に特化した非営利の組織、Vision Vets Group (VVG) Labを、2020年4月1日に開設しました。
犬や猫などの伴侶動物(ペット)の獣医療は、獣医学の進展や、人とペットとの繋がりが深まり、まさに家族の一員となったこともあって発展してきました。また、これらの動物では、高齢化に伴うガンや生活習慣病も増加しています。一方、最近は犬や猫に加えてエキゾチック動物の飼育が増えるなど、獣医師が対応する領域は大きく拡大しています。
VVG Labでは、おもに以下のテーマについて研究・開発等を行うことで、現場で活躍する獣医師をサポートし、獣医学の先進的・革新的な学術研究や技術の開発を促進し、獣医療の発展に貢献します。
1.動物疾患研究の推進と発信
犬や猫などの伴侶動物(ペット)には前記のガンや生活習慣病だけでなく、多様な疾患があります。最近は獣医学においても専門分野化が進展しており、VVG Labでは、提携または関連動物病院に集積されている動物疾患の症例情報を解析し、その重要性を学術集会における発表や論文の作成を通して社会に発信していきます。一方、動物の疾患には人と共通するものがたくさんあり、その病態解明が人の疾患の研究に役立つことも多いと思われます。住環境中の有害物質により、飼い主より先に動物に影響が現れることもあります。また、人と動物の共通感染症についても、その病態を解明することで貴重な情報を得ることができます。動物の症例情報の解析とその成果の発信は、獣医学だけではなく、人の医学の進展にも大いに役立つのです。VVG Labではこれらに関しても積極的に発信します。
2.エキゾチック動物疾患データベースの構築
様々なエキゾチック動物を飼育する人が増えてきました。エキゾチック動物の疾患を研究し、病気の原因、経過、診断法、治療法などを明らかにすることは、動物や飼い主にとって大変重要ですが、それ以外に「病気の進化」研究においても貴重な知見の蓄積が期待できます。エキゾチック動物を含む様々な動物種の病気を研究することで、「病気の進化」についての知見を得ることが期待されます。こうした知見は、人の病気を研究する上でも貴重な情報になります。VVG Labでは、日本で初となるエキゾチック動物疾患データベースを構築、解析し、成果を発信していきます。
3.遠隔病理組織診断システムの開発
現在、多くの病理組織診断は、臨床獣医師が採取した材料を診断会社に送付し、会社が組織標本を作製、病理医による診断結果を獣医師あてに返送するシステムが主流です。診断結果のコンサルテーションやセカンドオピニオン、サードオピニオンを求める場合も、標本を病理医に送付して意見をあおいでいます。とくに、細胞診標本の場合、できるだけ早い診断が不可欠ですが、現在のシステムでは結果の受領まで早くても数日から1週間程度かかってしまいます。VVG Labでは、標本を送付せずに精細な画像情報を瞬時に病理医に送り、病理医は高解像度のモニターをみて診断し、結果を即時に依頼獣医師に返す、獣医領域では世界で初の組織診断システムの開発を行っていきます。
【VVG Lab概要】
施設名: Vision Vets Group (VVG) Lab
役員: センター長:中山裕之
臨床長:佐々木伸雄
エキゾチック動物専門臨床長:三輪恭嗣
活動内容: 獣医学領域の先進的な研究・開発とその情報公開
所在地: 東京都豊島区駒込1−24−6 ナエシロビル2F
ホームページ: https://lab.vision-vg.com/
問い合わせ先: 広報担当 森野俊哉
メールアドレス:info@vision-vg.com
【VVG Labメンバー】
中山 裕之
VVG Lab センター長、学術役員、東京大学名誉教授(獣医病理学)、獣医師/農学博士。
東京大学農学部畜産獣医学科卒業、同大学院農学系研究科修士課程修了、同大学院博士号取得。東京大学助手、アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員、東京大学助教授、東京大学大学院農学生命科学研究科教授・附属動物医療センター長、日本獣医学会理事長を経て、VVG Labを開設。著書:「獣医学を学ぶ君たちへ 人と動物の健康を守る」など。
佐々木 伸雄
VVG lab 臨床長、学術役員、東京大学名誉教授(獣医外科学)、獣医師/農学博士。
東京大学農学部畜産獣医学科卒業、同大学院農学系研究科博士課程修了。東京大学助手、東京大学助教授、東京大学大学院農学生命科学研究科教授・附属動物医療センター長、コーネル大学(米国)客員教授、日本獣医学会理事長、アジア獣医外科学会会長、獣医事審議会会長、動物看護師統一認定機構長を経て、VVG Labを開設。著書:「獣医臨床麻酔学」「獣医外科手術」など。
三輪 恭嗣
VVG lab エキゾチック動物専門臨床長、学術役員、東京大学特任助教(エキゾチック動物)、獣医師/獣医学博士。
宮崎大学農学部獣医学科卒業、東京大学大学院農学生命科学研究科博士号取得。現在、日本獣医エキゾチック動物学会副会長、東京大学附属動物医療センターエキゾチック動物診療責任者、みわエキゾチック動物病院院長。著書:「エキゾチック臨床」シリーズなど。
中田 真琴
VVG lab 主任研究員、獣医師/獣医学博士。
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業、同大学附属動物病院有給研修医後、同大学院博士課程修了。帝京科学大学准教授を経て、みわエキゾチック動物病院副院長。共著書「エキゾチック臨床」シリーズなど。
志賀 崇徳
VVG lab 研究員、獣医師/獣医学博士。
東京大学農学部獣医学課程卒業、同大学院農学生命科学研究科博士課程修了。3分間で研究内容を英語で伝える能力を競うThree Minutes Thesis(3MT)コンペティション東京大学大会優勝、アジア太平洋国際大会準決勝進出。
森野 俊哉
VVG Lab渉外担当責任者、獣医師/MBA。
東京大学農学部獣医学課程卒業、IE Business School(MBA)修了。三井物産、ヒトの病院・クリニック運営会社DaVita Inc.のアジア運営責任者を経て、VVG Labへ参画。
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