~東日本大震災(3・11)から10年~IoT防災情報システム 東京23区全域をカバーする地震計の設置を完了
PR TIMES / 2021年3月5日 16時15分
J-RISQの活用を視野に入れ、2022年度より展開全エリアでの運用開始を目指す
旭化成株式会社(代表取締役社長:小堀 秀毅)及び旭化成ホームズ株式会社(代表取締役社長:川畑 文俊)(以下「旭化成グループ」という。)並びに国立研究開発法人防災科学技術研究所(理事長:林 春男、以下「防災科研」という。)は、旭化成グループが開発を進めている「IoT防災情報システム LONGLIFE AEDGiS※1(ロングライフイージス)」について、当初の予定通り東京23区に建つ166棟のヘーベルハウスへの地震計設置を完了しましたのでお知らせします。今後、展開する全エリアに建つヘーベルハウス・メゾンを対象に2022年度より運用開始を目指すとともに、将来的には、防災科研のJ-RISQ※2を活用してシステムの高度化を進めていきます。
LONGLIFE AEDGiSは、旭化成グループが一定数のヘーベルハウスに設置する地震計の地震動観測データ、防災科研の知見※3を活かして整備した高密度な地盤データベース及び地震動伝達に関する高速演算手法を組み合わせ※4、地震発生後10分~2時間程度で、そのエリアに建つ全てのヘーベルハウス・メゾンの邸別の建物被害レベルや液状化発生状況を推定するシステムです。
2020年1月に本計画を発表※5し、この度、第1フェーズとして予定していた地震計166個(166棟分)の設置を完了しました。本年7月よりシステム試験運用を開始し、第2フェーズとして2022年4月より、旭化成グループがヘーベルハウスを展開する全エリアでの運用開始を目指します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/73738/2/resize/d73738-2-882845-7.jpg ]
[画像2: https://prtimes.jp/i/73738/2/resize/d73738-2-174901-8.jpg ]
今後、旭化成グループと防災科研は、防災科研が開発したJ-RISQの予測結果を取り込んで、システムの高度化を進め、得られる高密度な地震動情報を、個別建物、構造物及びインフラ施設等の即時被害推定、液状化発生状況のリアルタイム推定並びに将来の地震被害想定へ応用しつつ、本システムで得られる知見をもとに共同で実証実験を行う等により、広く世の中のレジリエンス向上を目指して活用してまいります。
また、現在、旭化成グループと防災科研は、地震発生後の個別建物被害レベルの推定に向けた研究に加え、防災におけるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)情報の活用に向けた共同研究を進めており、引き続き、地震災害時の迅速な復旧・復興支援の強化に取りくんで参ります。
※1:AEDGiS・・・Asahikasei Earthquake and other disaster Damages Grasp information Systemの略
※2:J-RISQ・・・Japan Real-Time System for Earthquake Damage Estimationの略
※3:微動クラウド解析システム、浅部・深部統合地盤モデル、リアルタイム被害推定システム・センサーネットワークに関する知見など
※4:通信網を通じて集められた地震計の地震動情報は、サーバー内で地盤情報と独自開発した高速引戻し/増幅演算ロジックを使用して高密度な地震動情報に変換されます。そして同地震動情報により対象エリア内の個別建物の被災状態を即時推定します。
※5:発表リリース:https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/20200108/index/
【「IoT防災情報システムLONGLIFE AEDGiS(ロングライフイージス)」概略図
[画像3: https://prtimes.jp/i/73738/2/resize/d73738-2-801258-2.jpg ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/73738/2/resize/d73738-2-763054-3.jpg ]
※図中1.~4.の補足
1.:一定の割合(23区では約2キロ間隔を想定)でヘーベルハウスの基礎に地震計を設置し、地震動を計測。
2.:計測した地震動データと、地盤データベースを組みわせ、計測地の直下深部に位置する基盤面の地震動情報に変換(引き戻し)。
3.:地震計を設置していない建物(対象建物)を中心として取り囲む、地震計設置建物の2.データから対象建物直下基盤面の地震動を算出(基盤を伝播)。
4.:3.と地盤データベースを組み合わせ、対象建物の地表(基礎)部における地震動を推定(増幅)。それをヘーベルハウスの建物構造情報と組み合わせることで、被害状態を個別建物ごとに即時に推定。
【2021年度末までに運用開始を目指すLONGLIGE AEDGiSの画面表示例】
[画像5: https://prtimes.jp/i/73738/2/resize/d73738-2-280857-4.jpg ]
※図中表記の見方補足
丸い点はヘーベルハウスの所在地を示す
丸い点の色分けは被災度の違いを示す
背景の色分けは地震動相当値の強弱分布を表す
左側のウィンドウは指定した邸の情報を表示している
上記によって揺れの強い地域の分布と建物被害程度の分布、個々の建物被害を知ることができる
【フェーズによって進行する運用予定エリアイメージ】
第1フェーズとして、旭化成グループが設置を完了した地震計(166棟分)により、東京23区内全域での運用開始を2021年度末までに予定しています。更に第2フェーズとして、2022年度より旭化成グループがヘーベルハウスを展開する全エリア(21都府県)での運用開始を目指しています。
[画像6: https://prtimes.jp/i/73738/2/resize/d73738-2-341692-5.jpg ]
【全エリア展開時活用予定のJ-RISQについて】
防災科研の強震観測網(K-NET、KiK-net)等の観測データに基づき、大地震のような広域災害時に被害全体をリアルタイムに推定、状況を把握するリアルタイム地震被害推定システムです。現在、更なる社会実装を目指して民間企業等を対象とした実証実験を実施しています。
[画像7: https://prtimes.jp/i/73738/2/resize/d73738-2-878322-6.jpg ]
以上
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