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超スマート社会推進コンソーシアム主催、東京工業大学共催による量子科学最前線オンラインフォーラムに関心が集まり、科学関係者ら445名が参加

PR TIMES / 2021年10月21日 15時0分

東京工業大学が牽引する超スマート社会推進コンソーシアムは、2021年9月29日、「超スマート社会を拓く量子科学最前線」と題した技術フォーラムをオンラインで開催しました。445名が参加し、注目度の高いフォーラムとなりました。



[画像1: https://prtimes.jp/i/85249/2/resize/d85249-2-90fb1b9fcd9c60ee14e5-1.jpg ]

東京工業大学が牽引する超スマート社会推進コンソーシアム(SSS推進コンソーシアム)は、去る9月29日、「超スマート社会を拓く量子科学最前線」と題した技術フォーラムをオンラインで開催しました。このフォーラムは、量子科学技術の最新情報を提供することにより、超スマート社会実現に向けて新たな視点や気づきを得てもらうことを目的に開催されました。超スマート社会や量子科学に関心をもつ幅広い年代から注目を集め、学内外から445名が参加しました。量子コンピュータ、量子センサ、量子暗号通信技術の最新情報や具体的な応用例を通し、未来の超スマート社会への展望を論じました。

当日は、SSS推進コンソーシアムのコーディネーターで超スマート社会卓越教育院長を務める阪口啓工学院教授、およびSSS推進コンソーシアム事務局長である福田英輔工学院特任教授からの挨拶からフォーラムがスタート。5名の講演者が、各専門分野における技術活用について講演しました。

まず、量子計算の一つの方式である量子アニーリング考案者の西森秀稔教授(東京工業大学 科学技術創成研究院 量子コンピューティング研究ユニット特任教授)が「量子アニーリングによる量子コンピューティングの現状と課題」と題した基調講演を行いました。量子計算の原理や特徴、量子コンピュータ研究・開発の世界的状況を紹介するとともに、最新技術のキブル・ズーレック機構を解説。この理論は、温度や量子ゆらぎの変化速度による影響の推移を予測するもの。量子アニーリングはハード・ソフトの両面において、今後の発展が期待されると締めくくりました。

次に、日本電気株式会社システムプラットフォーム研究所の白根昌之研究部長が登壇し、「NECにおける量子コンピューティング研究開発」と題し、量子技術全体を俯瞰した総括的な内容を講演。NECにおける量子コンピュータの研究開発の歩みやと将来への展望のほか、量子コンピューティングがさまざまな産業で活用され、誤り訂正機能を実装した量子コンピュータの実用化に向けた研究開発を加速させている現状を紹介。質疑では、量子ビットの集積化に向けた具体的な改良点など、特に技術的な観点からの議論が活発に行われました。

続いて、東京工業大学 科学技術創成研究院 量子航法研究ユニットの上妻幹旺教授が「超精密航法装置の実装に向けて」と題し、非GPS航法の精度を飛躍的に向上させる最新の研究成果について報告。量子効果を利用したジャイロスコープ(測位装置)によって、自分の位置や姿勢を把握する「自律航法」の性能を向上させる方法などを紹介しました。

4人目の講演者は、株式会社東芝 研究開発センター 情報通信プラットフォーム研究所の鯨岡真美子氏。「世界最先端を切り拓く東芝の量子暗号への取り組み」と題し、量子力学の原理に基づいて情報通信の安全性が担保された量子暗号(量子鍵配送)について講演。高速鍵配送、長距離伝送を可能にする量子暗号システムの開発に成功している東芝では、より広域・大規模な量子暗号ネットワークの実現を目指すと述べられました。

最後に、東京工業大学 工学院の波多野睦子教授から、「ピンクダイヤモンド 超スマート社会での固体量子センサの可能性」をテーマに講演。ピンクダイヤモンドの性質を利用した量子センサは、電子機器をはじめ、医療分野への応用を目指し実用的なデバイス化を推進していることが、複数の実証実験例とともに紹介されました。研究開発の現場ではすでに「Society 5.0」技術群の先を見据えており、長期的な発展のためには人材育成が非常に重要であると述べられました。

引き続き行われたパネルディスカッションでは、工学院の小寺哲夫准教授、理学院の平原徹准教授をパネリストに迎え、超スマート社会卓越教育院 特任准教授の米田 淳准教授が司会となり、量子科学の実用化に向けた現状と課題、および関連する人材育成についてのパネルディスカッションが行われました。他国と比べて研究開発への投資が遅れている分野の現状が共有されたほか、中等教育から博士課程、インターンシップに至るさまざまな段階で量子科学と社会的ニーズの両面に接する機会をふやす目的で、アカデミアと民間企業の協力は不可欠なこと、SSS推進コンソーシアムがその一端を担うことが再認識されました。また、人材育成については、量子科学教育研究フィールドなどの、超スマート社会卓越教育院とSSS推進コンソーシアムとの連携はきわめて先進的な教育プログラムであるとの言及がありました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/85249/2/resize/d85249-2-7e0df66edf8b129e8713-0.jpg ]


その後、コンソーシアム運営委員会 委員長の岩附信行教授による、超スマート社会推進コンソーシアムの説明、水本哲弥理事・副学長による閉会の挨拶があり、第4回SSS推進フォーラムは大盛況のうちに閉会しました。

コンソーシアムでは、今後も引き続き、超スマート社会実現に資するイベント等の開催を行ってまいります。
引き続き、皆様のご参加をお待ちしています。

●超スマート社会推進コンソーシアムとは
東京工業大学は、超スマート社会(Society 5.0)の実現を推進する「超スマート社会推進コンソーシアム」を2018年10月に設立しました。参加機関と連携して人材育成から研究開発までを統合した新たな次世代型社会連携教育研究プラットフォームを構築しています。
https://www.sss.e.titech.ac.jp/

●超スマート社会卓越教育院とは
超スマート社会卓越教育院では、修士・博士後期課程を一貫した学位プログラムにより、フィジカル空間技術とサイバー空間技術にとどまらず、量子科学や人工知能などの最先端の科学技術をも融合できる「知のプロフェッショナル」を養成しています。
https://www.wise-sss.titech.ac.jp/

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