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腸内環境改善によりアテローム性動脈硬化症の発症リスクを低減する可能性

PR TIMES / 2017年8月7日 16時17分

~ビフィズス菌『LKM512』により糞便中のトリメチルアミン濃度の低減を確認~

メイトーブランドの協同乳業株式会社(本社:東京・中央区/社長:尾﨑 玲)の松本光晴主幹研究員らと、京都府立医科大学・消化器内科学教室の内藤裕二准教授らのグループは、アテローム性動脈硬化症<注1>の発症リスクの高い健常成人(動脈硬化予備軍)を対象とした臨床試験を行い、ビフィズス菌LKM512の摂取がアテローム性動脈硬化症の発症リスクを低減させる可能性があることを明らかにしました。この研究成果は、International Society for Nutraceuticals and Functional Foodsの公式ジャーナル「Journal of Functional Foods」に公開されました。



【本研究のポイント】

悪玉コレステロール値等が正常範囲上限域の健常成人(動脈硬化予備軍)を対象に、ビフィズス菌LKM512或いはプラセボ<注2>を摂取する臨床試験を実施し、LKM512摂取群で以下の結果が得られた。

●アテローム性動脈硬化症の危険因子の前駆体であるトリメチルアミン(TMA)<注3>の糞便中濃度がプラセボ群より有意に低値になった(下図)。

[画像: https://prtimes.jp/i/10851/3/resize/d10851-3-136092-0.jpg ]


●腸内のTMA産生菌が属するグループの相対存在比率がプラセボ群より有意に低値になった。
●肥満との関連が報告されている腸内細菌のFirmicutes門/Bacteroidetes門の比率がプラセボ群と比較し有意に低値で、痩身型の比率に近かった。
●肥満度の指標であるBMIの変化量に有意な差があり、プラセボ群は試験期間中に増加したのに対し(+0.22±0.09 )、 LKM512群では減少した(-0.26±0.17)。
●血清TNF-α<注4>の値が試験前と比較し有意に減少し、動脈硬化症の発症リスクが低減した可能性が示唆された。

【本研究の意義】

日本人の死因2位である心疾患、4位である脳血管疾患は動脈硬化性疾患であり、動脈硬化症の予防はこれらの予防に繋がります。これまでの食品による動脈硬化症予防を目的とした研究は、血中脂質類の濃度を改善させることを主目的としており、腸内細菌の産生するTMAをターゲットとした臨床試験はなく、我々が知る限り、本研究は世界でも初めての試みです。

本研究成果は、動脈硬化予備軍と判定された被験者を対象に、ビフィズス菌LKM512摂取が動脈硬化症に繋がる腸内環境を改善し、動脈硬化症発症リスクを軽減できる可能性を示しており、新たな作用機序による動脈硬化症予防食品へと繋がる意義深いものと考えられます。今後、規模を大きくし、より直接的な動脈硬化指標を用いた臨床試験を実施する予定です。

【用語解説】

<注1> アテローム性動脈硬化症:動脈硬化のタイプのひとつであり、動脈の内側に粥状(アテローム性)の隆起(プラーク)が発生する状態。脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす原因となる。
<注2> プラセボ:有効成分を含まない試験食。本試験の場合は有効成分LKM512を含まない粉末をプラセボとして比較試験をおこなった。
<注3> トリメチルアミン(TMA):食事由来のコリン類から腸内細菌により産生される。腸から吸収されると、肝臓内で動脈硬化症の進行に関与するトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)となる。TMAOを減らすには前駆体である腸管内のTMAを減らすことが有効と考えられる。
<注4> TNF-α(腫瘍壊死因子‐α):炎症性サイトカインの一種。アテローム性動脈硬化症の治療の標的としても使用される。

本研究の方法、結果の詳細については下記URLよりご確認いただけます。
http://www.meito.co.jp/news/20170807nr.pdf

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