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プールの授業にラッシュガードが必要?

PR TIMES / 2021年6月11日 11時15分

~水温が水泳後の心臓・血管に及ぼす影響~

水の熱伝導率は空気の約25倍であり、水温は水泳の効果を考えるうえで重要な要素です。流通経済大学スポーツ健康科学研究科の林克さん(実験実施当時)と同スポーツ健康科学部の大槻毅教授が行った実験では、水温25℃のプールで水泳を行った後は、血管が緊張したり収縮したりして心臓に負荷がかかることを示す結果が得られました。屋外プールや海水浴場など、水温25℃以下で水泳が行われることは珍しくありません。子どもや高齢者は成人よりも環境温の影響を受けやすく、プールの授業などでは、ラッシュガードや保温水着の着用希望に柔軟な対応が必要だと思われます。この研究成果は、Clinical Physiology and Functional Imagingオンライン版に2021年6月6日付で公開されました.



[画像: https://prtimes.jp/i/39307/3/resize/d39307-3-423991-0.jpg ]


【結果の概要】
水温25℃のプールでの水泳後に、次の変化が認められました。
・動脈脈波速度(いわゆる血管年齢の指標)が約8%上昇しました。太い動脈が緊張し、硬くなったと考えられます。

・前腕の血管抵抗が80%上昇し、血流量は43%減少ました。皮膚など末梢の動脈が収縮して細くなり、血液が流れにくくなったと考えられます。

・心臓の一回拍出量は4%減少しました。動脈の緊張や収縮で心臓に負荷がかかった結果だと考えられます。

・これらの変化は、30℃のプールでは認められませんでした。

【背景】
・動脈は寒冷刺激により緊張したり収縮したりすることが、過去の研究で報告されています。

・近年、cold-water swimming(寒中水泳など、比較的低い水温で行う水泳)の健康増進効果やリスクについての研究が多く行われています。

・自転車こぎなどの有酸素性運動の後に動脈は弛緩したり拡張したりするなど、運動により動脈の状態が変化することが知られています。

・水泳による動脈の変化に水温が及ぼす影響は不明でした。

【研究内容】
一定以上の泳力を持つ13人の健康な男子大学生が、水温30℃(一般的な温水プールの水温)と水温25℃(日本水連が定める競泳用・水球用公認プールの下限値)の25m室内プールで、それぞれ20分間の水泳(楽~ややきついと感じるペース)を行い、水泳前、水泳30分後および60分後に、心エコー検査、血圧脈波検査等が行われました。また、水泳の代わりにプールサイドで20分間の座位安静を保つ試行も行われました。

【今後の展開】
高齢者が同様の実験を行った場合や長期にわたり繰り返し水泳を行った場合の動脈の変化、保温水着の効果などについて、研究の進展が期待されます。


論文タイトル:Acute increase in arterial stiffness after swimming in cooler water
論文タイトル(日本語訳):比較的低い水温での水泳による動脈スティフネスの一過性の増大
著者:Suguru Hayashi, Takeshi Otsuki
著者・実験実施時の所属(日本語表記):林克(流通経済大学スポーツ健康科学研究科)、大槻毅(流通経済大学スポーツ健康科学部)
掲載誌:Clinical Physiology and Functional Imaging, Published online 6 June, 2021
DOI:10.1111/cpf.12717

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