【シリア危機】レバノンにおけるシリア難民の生計調査報告−負債が更なる貧困を生む

PR TIMES / 2013年11月25日 10時2分

国際NGOオックスファムとBRIC(Beirut Research and Innovation Centre)は共同で、10月にレバノンにおけるシリア難民約1500名を対象に調査を実施しました。11月21日に「レバノンに暮らすシリア難民の生計調査:Survey on the livelihoods of Syrian refugees in Lebanon」として調査結果が報告されました。本報告書によると、多くの難民が経済的な問題を抱えており、大人は雇用の機会を失い、子どもは教育機会を失うことが懸念される状況にあることが分かりました。また、多大な経済負担から借金を抱え、借金を返せないためにさらなる貧困に陥るという負の連鎖に陥っていることが明らかになりました。

◆多大な経済的負担◆

調査報告書によると、シリア難民にかかる住居費や食費は非常に高く、多くの人々は収入の2倍もの支出を強いられています。平均すると毎月250米ドルの収入を得ていますが、平均約225ドルの住居費と約275ドルの食費など、毎月合計520ドルを支出しています。不足する資金(平均370ドル)を補うためにシリアで貯めた資金を使ったり、友人や親族から借金をしてまかなっています。しかし、資金を工面できない20%以上の難民は、住居費を払う余裕がないために、テント、掘立小屋、小さな店舗や貯蔵庫のような場所で暮らすことを余儀なくされています。

◆少ない雇用機会と、失われる教育機会◆

そもそもシリア難民が雇用されることは非常に難しい状況ですが、難民の増加によって労働から締め出されていると感じているレバノン人との間で、雇用を巡って激しい競争となっています。さらに、農作業のような季節的な仕事は、冬期にはなくなるため、状況は更に悪化していくことが予想されます。

また、子どもたちが教育の機会を失うことも危惧されています。調査報告書では、25%の子どもたちが学校に登録している状況にあるものの、彼ら全てが学校に通っているわけではなく、また残りの75%の子ども達は登録すらしていない状況が判明しました。レバノンの公立学校は無償ですが、近くに学校が無い場合、交通費を負担しなければならず、多くの難民の家族は払うことができません。


◆借金がさらなる貧困を ~ 負の連鎖を断ち切るための支援が必要◆

一部の難民は過去にオックスファムのようなNGOや国連機関から支援を受けていました。こうした支援により、貧困から抜け出すための可能性を見出すことができたシリア難民もいましたが、多くは生き残るための借金を重ねています。こうした状況を打開するため、現在、オックスファムはレバノン政府や他の援助機関と密接に連携し、シリア難民と脆弱な状況にあるレバノンの人々のために、潜在的な生計手段の調査を行っています。この調査の結果を踏まえ、今後、緊急雇用支援(Cash for Work)プログラム※、職業訓練、就職斡旋、コミュニティの組織化などの支援を実施していくことで、シリア難民の経済状況の改善と尊厳の回復を図っていきます。

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