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ハンセン病に関する「親と子のシンポジウム」那覇会場 採録記事公開

PR TIMES / 2017年9月29日 12時14分

正しい知識と行動で「共に生きる」社会の実現を

日本には「ハンセン病」の患者や回復者、その家族が、誤った認識による偏見により、長い間差別を受けてきた歴史があります。そんなハンセン病について親子で正しく理解するためのシンポジウムが、8月26日に沖縄県那覇市で開催されました。プログラムは、ハンセン病回復者による講演や、地元の中高生が参加するパネルディスカッション、映画の上演など。参加者は、ハンセン病を取り巻く問題を考えるとともに、幅広い人権を尊重する大切さを学びました。



【ハンセン病とは?】
 ハンセン病は「らい菌」という細菌に感染することで起こる病気です。手足の指先の神経が麻痺したり、皮膚が変形したりすることがあります。しかし、らい菌の感染力は極めて弱く、感染しても発病することはほとんどありません。発病しても適切な治療を受ければ治ります。

【基調講演】
沖縄愛楽園の歴史に学ぶ
金城雅春さん 国立療養所沖縄愛楽園自治会会長
 ハンセン病患者の強制隔離を定める法律が日本で最初に制定されたのは、明治40年。沖縄では当初、地域住民の反対によって療養所をつくることさえ許されず、患者は無人島に逃げ込むなどして暮らしていたそうです。昭和13年に国頭愛楽園(現在の沖縄愛楽園)が開園しますが、入所者は家族と面会することもままならず、強制的に収容されました。
 戦後におけるアメリカ統治下の琉球政府では、本土とは違って限定的な退所や在宅治療が認められており、この規定は特別処置として本土復帰後も継続されました。しかし、療養所内で人権を無視した行為が平然と行われ続けていたことも事実です。明治の法律がさらに強化された「らい予防法」が廃止されたのは、平成8年のことでした。皆さんには、こうした歴史をより多くの人へ伝えていってほしいと思います。
[画像1: https://prtimes.jp/i/16181/5/resize/d16181-5-797247-0.jpg ]



【パネルディスカッション】いま私たちにできること
〈パネリスト〉
■身近に潜む偏見
棚原未央さん 中城村立中城中学校2年
 親族がハンセン病回復者だったため、この問題に興味を持ちました。特に残酷だと思ったのは、子どもを産ませないように断種(不妊手術)や堕胎が行われたことです。世界では偏見によって多くの人権が奪われています。すべての人が自分らしくいられるよう、身近な人権侵害から止めていきます。

■風化を防ぐために
久志顕介さん 名護市立久辺中学校2年
 国の誤った政策と一般市民の認識によってハンセン病患者・回復者の人権が侵害された事実は、決して風化させてはなりません。社会全体で反省して次世代に伝え、“受け入れる社会”づくりをしていくべきです。そうすることで、回復者の方が負った心の傷を癒すことにつながると信じています。

■“最後の世代”の使命
渡久地礼李さん 沖縄カトリック高等学校2年
 あるハンセン病回復者の方は、なかなか退所できず、納骨堂まである療養所のことを「入口はあっても出口はない」と言いました。私たちは当事者の話を聞ける最後の世代。未だ残る差別や偏見を取り除くためにも、回復者の方と交流を持ち、各地の療養所や資料館を訪れたいです。

〈コメンテーター〉
■語り部の育成を目指す
金城雅春さん
 回復者の高齢化が進んでいるため、ハンセン病問題を語り継いでいく人たちを育てることが必要です。沖縄愛楽園では、園内ボランティアガイドの養成講座を開いているので、ぜひ参加してください。

■関心を持つことから
野村謙さん 国立療養所沖縄愛楽園園長
 ハンセン病療養所の入所者は家族に迷惑がかからないよう、本名とは別の「園名」を名乗り、園外のことを「社会」と呼んできました。まずは、関心を持つことがスタート。このシンポジウムを機会に理解を深めましょう。

〈コーディネーター〉
■あらゆる差別の解消へ
横田洋三さん 公益財団法人人権教育啓発推進センター理事長
 若い人たちの「未来を明るくしよう」という気持ちに勇気づけられました。ハンセン病問題を正しく理解して、行動に移すことはもちろん、それをきっかけにしてあらゆる差別について考えることも重要です。
[画像2: https://prtimes.jp/i/16181/5/resize/d16181-5-210829-1.jpg ]



【映画「あん」上映/対談・トークショー】
■“人間が生きる意味”とは
ドリアン助川さん 作家、詩の道化師
浅田美代子さん 女優
 どら焼き店の雇われ店長と求人募集の張り紙を見てやってきたハンセン病回復者の出会いから別れまでを描いた映画「あん」を鑑賞。上映後のトークショーでは、原作者のドリアン助川さんが“人間が生きる意味”を問うために小説を執筆したことを明かしました。また、ハンセン病回復者との交流を通じて「悲しみや苦しみの中でも、人間は底知れぬ力を発揮できることを知った」というエピソードも披露。ハンセン病に対して少なからず偏見を持つどら焼き店のオーナーを演じた浅田美代子さんは「悪意なく、自然に偏見を持つ人がたくさんいるのかもしれない」と警鐘を鳴らしました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/16181/5/resize/d16181-5-113306-2.jpg ]



●このシンポジウムの模様は、動画共有サイトYouTubeの「人権チャンネル」でご覧いただけます。
https://www.youtube.com/jinkenchannel

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相談無料
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0120-007-110 ぜろぜろななのひゃくとおばん
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パソコン http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken113.html
ケータイ https://www.jinken.go.jp/soudan/mobile/001.html
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人権アーカイブ・シリーズ
わかりやすくまとめた映像で、ハンセン病をきちんと知ろう
「ハンセン病問題」~過去からの証言、未来への提言~
ハンセン病問題の歴史的な経緯や時代ごとの社会情勢、問題の本質などについて、関係者の証言や解説をもとに分かりやすくまとめた映像。幅広い世代が学びを得られます。
https://youtu.be/eRKCmf-kcSw

「家族で考えるハンセン病」
実際のハンセン病問題の関係者も登場するドラマ作品。中学1年生の清香が友だちと療養所を訪れるなどして、ハンセン病問題や人権の大切さについて理解していきます。
https://youtu.be/cRCAIDCC3hs

● 法務省人権擁護局ホームページ http://www.moj.go.jp/JINKEN
●人権啓発活動ネットワーク協議会ホームページ http://www.moj.go.jp/jinkennet
● YouTube 法務省チャンネル https://www.youtube.com/MOJchannel
● YouTube 人権チャンネル https://www.youtube.com/jinkenchannel
●人権ライブラリー http://www.jinken-library.jp

法務省人権擁護局・全国人権擁護委員連合会

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