東京医科歯科大学とサスメド、ブロックチェーン技術を用いたモニタリング手法の開発でAMED採択
PR TIMES / 2021年4月10日 10時15分
東京医科歯科大学とサスメドは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度 「研究開発推進ネットワーク事業」(以下、本件研究)に採択されました。ブロックチェーン技術を実装したシステムを用いて臨床試験の効率性向上の効果実証に取り組みます。
[画像1: https://prtimes.jp/i/69571/5/resize/d69571-5-372755-0.png ]
国立大学法人 東京医科歯科大学(以下、東京医科歯科大学)とサスメド株式会社(以下、サスメド)は、臨床試験効率化と推進のため、研究開発で行うモニタリング作業において、GCP省令で求める実地での原資料との照合作業の代替が認められているブロックチェーン技術を実装した臨床試験システム(※1)を用いることによる効率性向上の効果を実証することを目的とした、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度 「研究開発推進ネットワーク事業」(以下、本件研究)に採択されました。
本件研究では、サスメドが開発するブロックチェーン技術を実装した臨床試験システムを活用し、東京医科歯科大学で実施される臨床試験において、本システムの他、体制、運用などの必要な支援メニュー含め手法を確立し、その有効性を検証します。
両者は本件研究により、本手法を確立させ、日本国内における研究開発の効率性を向上させることで、日本の医療業界への貢献を目指します。
尚、本件研究は経済産業省が2019年に開設したヘルスケアやライフサイエンスのベンチャー企業等による支援をワンストップで行う相談窓口「Healthcare Innovation Hub (InnoHub)」の支援を受け、実現いたしました。
※1:https://a2aedf46-06ce-47b3-a9e0-94ab3bc58eec.usrfiles.com/ugd/a2aedf_8af34c7218c64f418839d40b8ca8f9f8.pdf
■背景
厚生科学審議会臨床研究部会で取りまとめられた「臨床研究・治験の推進に関する今後の方向性について」(令和元年12月6日)(※2)において、限られたリソースを効率的に活用し、研究開発の効率性を高める必要があるとされています。また、治験パフォーマンスの国際比較においても、諸外国に比べて高コスト・非効率性が指摘されています。さらに新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、モニタリング実施のための医療機関訪問が制限され、臨床研究や治験の実施が困難な状況となっています。令和3年4月に開催された世界経済フォーラムにおいても、経済産業大臣の声明において医薬品開発の現場におけるブロックチェーン技術の活用について言及されています(※3)。
研究開発における品質、信頼性確保と効率性の両立を図る上で、モニタリングに代表される労働集約的なプロセスをシステムで代替することは、他分野におけるデジタル活用と同様に重要です。
モニタリング業務のうちの原資料との照合作業であるSource Data Verification (SDV) については、データ改ざんが困難であるブロックチェーン技術を適切に運用することにより、実地での照合が不要となることが、令和2年12月4日付で厚生労働省から通知されております(※4)。
東京医科歯科大学とサスメドは、東京医科歯科大学で計画している臨床試験において、ブロックチェーン技術を実装した臨床試験システムを用いることにより、モニタリングで求める症例報告書のデータと医療機関の原資料との照合作業を代替し、そのインパクトを検証します。実地でのSDV削減によるモニタリング効率向上の効果を検証し、加えて必要な体制・運用の検証を行うことにより、臨床研究中核病院以外の機関でも実装可能な支援メニューを構築します。さらに、SDV実施のための医療機関訪問が不要となることにより、新型コロナウイルス感染症の拡大が続く状況にあっても、臨床試験の継続可能性を実証し、研究開発を推進することが期待されます。
※2:https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/000572442.pdf
※3:https://jp.weforum.org/agenda/2021/04/dejitaru-niyoru-kasato-no/
※4:https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/press/201207_yoshiki.pdf
■ブロックチェーンを活用した臨床試験システムについて
サスメドが開発する臨床試験システムは、医療機関で取得する医療データをeワークシートとeCRFをブロックチェーン技術で結合させたシステムを活用することにより、SDVの削減が可能です。サスメドは、複数の医学論文の実績(Ichikawa et al., 2017, JMIR mHealth uHealth, Motohashi et al., 2019, JMIR)のほか、国立がん研究センターと実施した臨床研究は内閣府規制のサンドボックス制度(※5)の認可を受けています。サンドボックス制度による実証試験結果は2020年6月に国際医学誌に発表され(Hirano et al., 2020, JMIR)、本成果を受けてブロックチェーン技術を利用したSDV代替がGCP省令上も認められる旨、2020年12月4日付で厚生労働省から通知が発出されています。
【参考:モニタリング手法(通常の手法 vs ブロックチェーン技術を用いた手法)】
[画像2: https://prtimes.jp/i/69571/5/resize/d69571-5-486048-1.png ]
※5:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/underlyinglaw/sandboximage.pdf
■今後について
東京医科歯科大学では、多施設前向き比較研究を計画しており、特定臨床研究で求められるGCP省令準拠により、臨床試験データの信頼性を担保するためにモニタリング業務が必要となります。本臨床研究のパイロット研究において、分担研究機関であるサスメドが開発したブロックチェーン技術を実装した臨床試験システムを用いることにより、モニタリング業務の効率化を検証したいと考えています。
サスメドは、本手法を確立させ、日本国内における研究開発の効率性を向上させることで、日本の医療業界への貢献を目指します。
<国立大学法人 東京医科歯科大学について>
名称: 国立大学法人 東京医科歯科大学
所在地 : 東京都文京区湯島一丁目5番45号
代表者 : 学長 田中 雄二郎
設立年月: 1928 年 10 月
URL:http://www.tmd.ac.jp/index.html
<サスメドについて>
サスメド株式会社は、デジタル医療を推進する研究開発型企業です。臨床開発支援システムのほか、医療用アプリ開発の汎用プラットフォーム、不眠症治療用アプリ開発及びAI自動分析システムの提供を行っております。ブロックチェーン技術の医療応用や医療用アプリについての各種特許を取得するなど、技術に立脚しデジタル医療を推進しております。
名称: サスメド株式会社
所在地 : 東京都中央区日本橋本町三丁目8番5号 日本橋本町三丁目ビル 5階
代表者 : 代表取締役 上野 太郎
設立 : 2015 年 7 月
URL : https://www.susmed.co.jp/
<本件に関するお問い合わせ先>
東京医科歯科大学 総務部総務秘書課広報係
電話: 03-5803-5833
E-mail: kouhou.adm@tmd.ac.jp
サスメド株式会社
E-mail: support@susmed.co.jp
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
電子カルテからEDCに臨床試験データを自動移行する次世代EDC開発に成功
PR TIMES / 2024年4月17日 13時45分
-
細胞培養や細胞毒性試験業務など、バイオ業界に携わる人材を育成、日研トータルソーシング株式会社 R&D研修センター バイオ研修サイトにて研修を開始
PR TIMES / 2024年4月15日 13時15分
-
東京医科歯科大学 内田智士教授による米国 World Vaccine Congress 2024でのご講演~ ダイセルの「アクトランザ(R)ラボ」を用いたmRNA ワクチンの研究 ~
PR TIMES / 2024年4月11日 16時45分
-
細胞内のHIVウイルス動態を高精度で可視化する新規感染系を確立~HIV感染の治癒を目指した研究の有用なツールになることが期待~
PR TIMES / 2024年4月9日 16時45分
-
スギ薬局と東京医科歯科大学との包括連携基本協定締結のお知らせ
Digital PR Platform / 2024年4月4日 15時53分
ランキング
-
1山手線沿線の再開発が進む 「新宿、渋谷、品川」駅の工事はいつ終わるのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 7時10分
-
2サイゼリヤ、ギリギリ「国内黒字化」も残る難題 国内事業の利益率0.05%、値上げなしで大丈夫か
東洋経済オンライン / 2024年4月24日 7時30分
-
3イトーヨーカドー、祖業のアパレル復活なるか アダストリアとの新ブランドが生んだ“相乗効果”
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 10時0分
-
4アキレス、シューズの国内生産終了へ コスト増や少子化など背景
ロイター / 2024年4月25日 16時27分
-
5過度の変動望ましくない、動向注視し万全の対応行う=円安で官房長官
ロイター / 2024年4月25日 11時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください