60万人の血液型データを解析し、性格テストの重大な「バグ」を発見
PR TIMES / 2022年5月26日 15時45分
~英語論文では世界初*~
一般社団法人ヒューマンサイエンスABOセンター(東京都中央区 代表理事 市川千枝子)の研究員である金澤正由樹は、60万人超の「血液型と性格」のデータを解析した結果、現在最も広く使われている性格テストの重大な「バグ」(欠陥)を発見しました。
現代の心理学では、人間の性格は「5つの因子」(ビッグファイブ理論)で説明できるという考えが主流となっています。しかし、血液型が性格に与える影響は、これらの因子だけでは説明が不可能であることがわかりました。また、性格の感じ方は個人差が大きく、性格テストの結果が同じでも、必ずしも性格が同じではないことも明らかになりました。これらの結果は、従来の性格理論には本質的な問題が存在し、「血液型と性格」の正確な説明が事実上不可能であることを示しています。
一連の研究結果は、英語論文として世界初のものとなります*。
[画像1: https://prtimes.jp/i/76346/6/resize/d76346-6-0e2516d9b254af01bc91-0.png ]
■研究の成果
金澤の先行研究では、「ネイチャー」などの論文で得られた計60万人以上のデータに、AIや性格心理学の理論に基づいて一体的に解析を行いました。今回の研究では、血液型特性が一部の性格テスト(簡易型ビックファイブ)の質問項目に含まれることに着目し、2,000人のサンプルから得られたデータの評価を行いました。
その結果、この性格テスト全29項目中の5つの血液型特性は、いずれも「最もその血液型の人にあてはまる」という結果(最高得点)を示し、すべて統計的に意味がある差でした。
[画像2: https://prtimes.jp/i/76346/6/resize/d76346-6-bf14fbacf8872a6d99d7-4.png ]
一方、性格の「5つの因子」については、1つの因子(誠実性)を除いて、血液型による統計的な差は認められませんでした。これは、従来の心理学の研究結果ともほとんど一致しません。このことは、性格テストが血液型による性格の差を正しく認識できないことを示しています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/76346/6/resize/d76346-6-7c1823f9713e3d065de6-6.png ]
また、自分や他人の性格に興味がある人ほど、肯定的な特性(非反転項目)には高い得点を示す一方、正反対の特性(反転項目)の得点には変化はありませんでした。通常の性格テストの「5つの因子」は、非反転項目と反転項目の組み合わせで構成されています。このため、どの因子も自分や他人の性格に興味がある人ほど得点が高くなり、本来の性格とは必ずしも一致しないことになります。
[画像4: https://prtimes.jp/i/76346/6/resize/d76346-6-ec02fa5d03897ceb8d45-5.png ]
これら一連の研究により、「血液型と性格」の関連性や、性格テストの妥当性について、さらなる解明が進むことが期待されます。
■論文情報
A Study on Individual Differences in Sensory Sensitivity: ABO Blood Type and Personality in Japan
International Journal of Psychology and Behavioral Sciences
日本時間 2022年5月24日オンライン公開
URL: http://article.sapub.org/10.5923.j.ijpbs.20221201.03.html (Full Text)
URL: https://www.researchgate.net/publication/360815511_Raw_Dataxlsx (Dataset)
※ この学術誌には査読があり、大阪大学、東北大学、筑波大学、千葉大学などの心理学論文が掲載されています。
■関連資料
一連の研究成果は、金澤の著書『デジタル時代の「血液型と性格」』(2021年)に収録されています。
[画像5: https://prtimes.jp/i/76346/6/resize/d76346-6-ea571adcf856e6addce3-3.png ]
デジタル時代の「血液型と性格」― AIと60万人のデータが開けた秘密の扉
A New Statistical Guide to Blood Type Humanics (2nd Edition)
URL: https://www.choeisha.com/pub/books/59293.html
URL: https://www.amazon.co.jp/dp/4862659292/
■ヒューマンサイエンスABOセンターについて
日本で血液型と気質の関係に関する研究が始まったのは1920年頃で、現お茶の水女子大学の教育心理学者であった、古川竹二教授がそのパイオニアでした。その後、作家、能見正比古は、1971年に出版した「血液型でわかる相性」を発端に独自の調査分析によって研究を成熟させ、国内外の関心を集めました。当センターは、能見正比古の研究実績を受け継ぐとともに、血液型と人間の関係における研究を更に探究するため、国内外のさまざまな方面からメンバーを募り研究促進を図っています。
なお、現在はアメリカの研究者の協力を得て、ヒューマンサイエンスABOセンターUSAを設立し、能見正比古の著書の英語版出版に向けて翻訳作業を行っています。
■注記
* ヒューマンサイエンスABOセンター調べ 2022年4月現在
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