世界エイズ・結核・マラリア対策基金 最新の成果を公表
PR TIMES / 2018年9月12日 13時1分
本日、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(略称:グローバルファンド)は2018年の成果報告書を公表しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/19334/8/resize/d19334-8-237910-1.jpg ]
2700万人の命が救われました
グローバルファンドは2002年の設立から2017年までの16年間に2700万人の命を救うことができました。2017年の1年間に、グローバルファンドは中低所得国におけるエイズ・結核・マラリア三大感染症の対策や強靭で持続的な保健システムの構築に42億米ドルの資金を供与し、各国政府、国際機関、企業、市民社会、感染症の当事者などと協働して取り組んだ結果、達成した成果は以下の通りです。
抗レトロウィルス剤でHIV治療を受けている人数 1750万人
結核治療を受けた人数 500万人
薬剤耐性結核治療を受けた人数 10万2000人
配布された蚊帳の数 1億9700万張
共同調達によって節約された金額 2億500万米ドル
死亡者数は大きく減少
グローバルファンドが支援する国々では、これら三大感染症による死亡者数は2000年に比べて大きく減少しました。(エイズは40%減、結核は21%減、マラリアは42%減。エイズは2017年の数、結核とマラリアは2016年の数に基づく)。一方、三大感染症の流行を終息させるためには多くの課題に取り組まなければいけません。一部の国ではキーポピュレーション(対策を届けるべき鍵となる人々)や青少年の間でのHIV感染が広がっています。結核においては、推定1000万人の新規感染者のうち、400万人以上が診断・治療を受けておらず「見落とされて」います。これらの人々を見つけ出し、治療に繋げていかなければいけません。また、マラリアでは資金援助の停滞、さらに殺虫剤や治療薬に対する耐性が対策の進展を妨げています。
三大感染症の流行を終わらせるためには、それぞれの疾病対策の実施に加え、強靭で持続的な保健システムの構築も必要不可欠です。グローバルファンドによる支援の27%は医薬品等の供給網の改善、情報システムおよびその活用の強化、保健医療従事者の能力強化、コミュニティの対策やシステムの強化、サービス提供の連携・統合などに充てられています。
グローバルファンドの成果報告書および要旨は以下のURLよりご覧いただけます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/19334/8/resize/d19334-8-404652-2.jpg ]
The Global Fund Results Report 2018 (フルレポート 英語)
https://goo.gl/2sgF9V
The Global Fund Results Report 2018 Executive Summary(要旨 英語)
https://goo.gl/X6Q4ny
The Global Fund Results Report 2018 Executive Summary(要旨 日本語)
https://goo.gl/j2fzQN
注:保健への投資の成果は様々な方法で測定可能ですが、最も重要な尺度は救われた命の数です。グローバルファンドは他の技術パートナーが推奨する方法を採用して推計しています。特定の年に特定の国で救われた命の数は、主要な疾病介入が行われなかった場合に発生すると予想される死亡者数から実際の死亡者数をひいて算出されています。例えば、治療を受けていない喀痰塗末陽性の結核患者の70%が死亡すると示す研究がある国において、ある年に1000人の喀痰塗末陽性の結核患者が治療を受けた場合、登録された結核死亡者数がわずか100人だったとすると、このモデルは600人の命が救われたと結論づけることができます。治療がなければ、700人の命が失われていたことになります。(詳細は成果報告書p.7参照)。
■日本とグローバルファンド
日本は現在グローバルファンドの第5位のドナー国です。グローバルファンドを通じて途上国のエイズ・結核・マラリア対策と保健システムの構築を支援し、三大感染症の流行の終息に向けて、2002年からの累計で約31億2068万ドルを拠出してきました。2002年に設立されたグローバルファンドは日本と深い関係にあります。日本が議長国を務めた2000年のG8九州・沖縄サミットで、感染症対策を国際的な主要課題として取り上げたことがグローバルファンド設立のきっかけとなりました。
■世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)について
グローバルファンドは、中低所得国の三大感染症対策のために資金を提供する機関として、2002年にスイスに設立されました。G7を初めとする各国政府や民間財団、企業など、国際社会から大規模の資金を調達し、中低所得国が自ら行う三大感染症の予防、治療、感染者支援、保健システム強化に資金を提供しています。現在、グローバルファンドは年間約40億ドルの資金を集め、現在100以上の国・地域の対策プログラムを支援しています。
http://www.theglobalfund.org/
■グローバルファンド日本委員会(FGFJ)について
世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)を支援する日本の民間イニシアティブ。三大感染症とグローバルファンドに対する理解を促進するとともに、感染症分野における日本の官民の国際貢献を推進するため、政策対話、調査研究、意識啓発などを実施しています。(公財)日本国際交流センター(JCIE)のプログラムとして運営されています。
http://fgfj.jcie.or.jp/
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