伝統的な酒の味と日本酒文化を守るため 「酒樽製造」事業を日本最古の銘酒・剣菱が継承 ── 木製道具、藁縄に続き蔵元が手掛ける第三の酒造関連品づくり ユネスコ無形文化遺産《伝統的酒造り》保全の取り組み
PR TIMES / 2024年12月5日 11時45分
剣菱酒造は酒樽を自社で製造する取組を本格稼働させました。木製道具・藁縄に続く第三の酒造関連品製造を担い、ユネスコ無形文化遺産に登録が決定した「伝統的酒造り」の保全に取り組んでいます。
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剣菱が継承した製樽現場
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歌川広重「東海道 ― 五十三次 日本橋」
浮世絵に描かれる剣菱の酒樽をありのまま後世に残すために
「剣菱の 大紋を着る にわか雨」。これは江戸時代の川柳。ほかにも歌川広重の浮世絵に剣菱の菰樽(こもだる)が描かれるなど樽の中の酒はもちろん、外側の菰や樽まで含めて剣菱の樽酒は江戸庶民の生活に根づいていました。
創業以来、当社で製造する樽製品は恵みの大地と神への感謝を示すために藁(わら)をはじめとする天然資材で仕上げ、奉納や販売に用いてまいりましたが、2016年に藁製太縄の仕入先の製造機械が故障により生産を終了。自社製造への移行体制が整うまでの5年間は一時的にビニール製で代用するほかありませんでした。
そうした折、将来的には樽の資材も仕入れが困難になることが予想され、再び資材調達に支障をきたさぬよう酒樽の自社製造に着手することを決めました。酒樽が持つ本来の意味を損なわぬよう、そして、古から庶民に愛された菰樽を継承できるよう、剣菱酒造は酒樽を製造してまいります。
剣菱が製樽事業を継承
2020年のコロナ禍、祭りや冠婚葬祭など人の集うイベントが相次いで中止となり業界では関連企業の廃業が相次ぐ局面を迎えます。
剣菱酒造は酒樽の製造技術を後世に残すべく、2023年に兵庫県内の製樽業者より職人3名を引き受け、酒樽の製造事業を開始しました。
2024年には、2009年から社内で開始している木桶プロジェクトの職人4名と合流。11月に突入すると正月に欠かせぬ酒樽の製造は最盛期を迎え、自社製品のみならず全国の酒蔵に酒樽を供給すべく、計7名の職人が一丸となって製樽業務に励んでいます。
これまでに行ってきた木製道具の製造や修理、藁縄の加工のほか、酒樽の製造を継承したことにより、自社の経験と技術を醸造業界の歴史や文化の継承のために活用すること。それこそが日本最古の銘柄である当社の役割であると考えます。
酒樽をご用命の折は、ぜひとも剣菱酒造へお問い合わせください。
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パリ日本文化会館にて開催された「日本酒造りの聖地 灘五郷」PRイベント
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剣菱・木工所社員による暖気樽(だきだる)造りのパフォーマンス
10月28日、パリ日本文化会館にて開催された「日本酒造りの聖地 灘五郷~今も守り続ける酒造りの伝統の技~GI灘五郷」(主催:灘五郷酒造組合/兵庫県酒造組合連合会)には、無形文化遺産政府間委員会委員国を含むユネスコ各国代表部の大使も出席。同イベントでは地理的表示(GI)「灘五郷」に関するPRに加え、弊社より派遣した木工所社員が、暖気樽(だきだる)造りや樽巻きを披露して、日本酒造りの作業工程で歌われてきた「酒造り唄」を披露しました。
ユネスコ無形文化遺産の本来の目的は「存続の危機にあるものの保護」とされており、暖気樽を造る光景に向けられる熱い視線はそれゆえ。当社が酒造りに関連する道具などを製造することの意義を改めて認識する機会となりました。
11月5日、ユネスコの評価機関が《伝統的酒造り》を無形文化遺産に登録するよう勧告したと文化庁が発表。伝統的酒造りの知識と技術が「個人、地域、国の三つのレベルで伝承されている」としたうえで、祭事や婚礼といった日本の社会文化的行事に酒が不可欠であることや酒造りが地域の結束にも貢献していることなどを挙げ、登録に必要な基準を満たすと評価されました。
本件は12月2日~7日にアスンシオン(パラグアイ)で開かれる第19回政府間委員会で無形文化遺産への登録が判断される予定となっておりましたが、いよいよ日本時間5日午前4時頃にユネスコ無形文化遺産への登録が正式に決定いたしました。
剣菱酒造株式会社では、古くから受け継がれてきた変わらぬ味を世界中に広めるべく、受け継がれてきた製法と製造に不可欠な樽や桶を含む木製道具を保全してまいります。美味い日本酒の裏側に秘められた想いに関心をお寄せいただけましたら幸いです。
剣菱酒造について
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社名:剣菱酒造株式会社
所在地:兵庫県神戸市東灘区御影本町3-12-5
代表取締役:白樫 政孝
創業:永正2年(1505)以前
事業内容:日本酒『剣菱』の製造販売
会社HP:http://www.kenbishi.co.jp/
お問い合わせ先
TEL:078-451-2501
FAX:078-453-6664
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