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ハイチ:コレラ感染が増加、流行に備え対策強化を

PR TIMES / 2012年5月11日 9時37分



プレスリリース
2012年5月11日

ハイチでは雨季が始まり、コレラの症例数が増加している。しかし、ハイチ国内でのコレラに向けた対応が不十分で、国境なき医師団(MSF)では対策の強化を訴える。

ハイチ保健・人口省は現在のコレラ感染は制御されているとする一方で、国内の多くの地域では例年のコレラの流行拡大に対応しきれていない医療施設がある。感染状況を監視し、注意を呼び掛ける監視体制が、依然として十分に機能していない。MSFから治療を受けたコレラ患者の数は、首都ポルトープランスだけでも1ヵ月足らずで4倍に増加し、2012年4月中には1600人を超えた。MSFはポルトープランスおよびレオガンにおけるコレラ対応を拡充すると同時に、各地で新たな治療施設の開設を進めている。2011年の雨季には、5月から10月の間で20万件に及ぶコレラ感染例が報告された。

ハイチでのMSFの活動責任者、ガエタン・ドロッサルは次のように話す。
「予防策があまりに乏しいため、今年コレラの大流行は発生しないとは、とても思えません。保健医療管轄局が十分な対応策を行わず、現状を反映していない声明を発表していることを懸念しています。政府、国連、人道援助団体の間で幾度なく話し合いがもたれていますが、具体策はほとんど出ていません」

ハイチ国内の全症例数の約20%が報告されているアルティボニット県でMSFが行った調査では、2011年以降、コレラへの予防策が明らかに縮小していることが判明している。2011年にアルティボニット県で活動していた援助団体も半数以上が既に現地を離れており、医療施設では薬の備蓄が不足し、2012年1月以降給与を支払われていない職員もいる。

MSFの疫学者、マヤ・アランは、次のように警鐘を鳴らす。
「雨はコレラ菌汚染のリスク要因の1つに過ぎません。しかし、雨季の終わりとほぼ同時にコレラの流行が収まると、対策費用が予防活動に回されることなく、翌年の雨季まで資金の割り当てが停止してしまいます。その結果、コレラの流行が再発すると、人びとは感染に対して非常にぜい弱になるのです」

ハイチの人びとの大半がトイレを使用できる環境になく、清潔な水の確保が日常的な課題になっている。2012年4月にハイチ給水・衛生局が行った調査によると、2010年1月の大地震を生き延びた人びとのうち50万人がいまもキャンプで生活をしている。飲用水を配給された人の割合はそのうち3分の1以下であり、石けんを配給された人の割合は1%に過ぎないという。

ドロッサルは話す。
「衛生に関する勧告も、人びとがそれを実行できる環境になければ、あまり効果はありません。早急に求められるのは、コレラから身を守るための対策です」

ハイチ国内の一部で行われている予防接種は、コレラの感染制御に一役買ってはいるが、確実な解決策にはなっていない。予防接種による免疫の有効期限はおよそ3年で、免疫獲得率は70%程度と見られている。ハイチの給水・衛生システムの大規模な改善が唯一の持続的な感染対策となるが、これには時間がかかる。

ドロッサルは話す。
「目下の最優先事項は人命です。ハイチ国内にいる保健医療従事者は皆この目標に向かい、いますぐに行動を起こさなければなりません」

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ハイチ保健・人口省によると、2010年10月にコレラが発生して以来、同国では53万5000人が感染し、7000人以上が亡くなっている。MSFはこれまでに、国内のコレラ患者全体の33%に相当する17万人以上の治療にあたってきた。



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