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Poxel社、NASH治療の候補化合物において有望なデータを提示、PXL065のフェーズ1a試験パート2を開始

PR TIMES / 2018年12月10日 11時40分

・非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、アンメットメディカルニーズの高い疾患原因不明の代謝性疾患
・米国肝臓病学会にて、PXL770は食事性肥満・非アルコール性脂肪性肝炎モデル(DIO-NASH)で、AMPKの直接的活性化により脂肪組織および肝臓の両方に有益な効果を示す
・PXL065は過去のデータからNASH治療における良好なプロファイルを示唆


 2型糖尿病および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む代謝性疾患の革新的な治療薬の研究開発に取り組んでいるバイオ医薬品企業POXEL SA(本社:フランス リヨン、CEO:Thomas Kuhn、以下「Poxel社」)は、NASH治療において有望なデータを示している独自かつ補完的作用機序を有する候補化合物であるPXL770およびPXL065(旧称DRX-065:DeuteRx LLC社より取得)について、2018年米国肝臓病学会(AASLD)にてポスター発表を致しましたのでお知らせします。さらに、PXL065(重水素安定化R-ピオグリタゾン)のフェーズ1a試験のパート2を開始したことを発表します。このフェーズ1a試験の第2部では、各群に健常人被験者を6例登録し、主要目的として安全性及び忍容性を、また副次目的として用量反応性を評価します。

 2018年米国肝臓病学会(AASLD)の当社最初のポスター発表で、食事性肥満・非アルコール性脂肪性肝炎(DIO-NASH)モデルにおいて、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を直接的に活性化することにより、PXL770が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に関与する重要な2つの経路である脂肪組織中の脂肪分解および肝臓における脂質新生に有益な効果をもたらすことを示しました。

 「AMPKは脂肪肝、肝炎および肝線維化に作用する重要なターゲットです」と、当社の研究開発薬理部門のシニアバイスプレジデントであるSophie Bozec PhDは述べています。さらに、「前臨床試験のDIO-NASHモデルにおける肯定的な作用機序および有効性の結果が支持するように、脂肪組織から、また肝臓の内因性合成から生じた遊離脂肪酸の肝臓内の蓄積から始まる、脂肪肝、肝炎および肝線維化など、潜在的なNASHの根本原因を治療するにあたり、PXL770は独自の地位を築くと信じています」とも述べています。

 Poxel社は現在、PXL065のフェーズ1a試験のパート2を開始しています。本試験のパート1についいては、既に2018年AASLD学会のポスターセッションで発表されたました。このパート1試験では、22例の健常人被験者に22.5 mgのPXL065または45 mgのアクトス(R)*を単回経口投与しました。PXL065は有害事象もなく、安全で良好な忍容性を示しました。薬物動態(PK)の結果に基づくモデル解析により、用量15 mgのPXL065によって、親化合物であるピオグリタゾン(アクトス(R))の45 mgと同程度のR-ピオグリタゾンの曝露量が示されると予測されました。このことは、体重増加および体液貯留の減少を含めて、安全性プロファイルは向上しながら、同様な有効性を示唆しています。

 また、当社CEOのThomas Kuhnは、「NAFLDおよびNASHの発症および進行に寄与する潜在的な病態生理学的メカニズムは極めて複雑なため、異なるターゲットに作用する新たな治療薬の開発が必要とされています。PXL065によるミトコンドリアピルビン酸輸送体(MPC)の阻害や、PXL770によるアデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の直接的活性化など、関連するさまざまな経路に対応することで、NASH治療におけるより大きな成功が得られるのです」と、述べています。さらに、「2019年には、NASH治療の両開発プログラムが概念実証試験にまで推し進められることを期待しています」とも述べています。

米国肝臓病学会ポスター発表について
 ポスター発表による標題「PXL770, a New Direct AMP Kinase Activator, Acting on the Adipose Tissue and the Liver, Demonstrates Promising Effects for Treatment of Non-Alcoholic Steatohepatitis(NASH治療における脂肪組織および肝臓に作用する新規AMPキナーゼ直接的活性化剤PXL770の有望な効果)」および「Safety, Tolerability and Pharmacokinetics of PXL065, the Stabilized, R-Stereoisomer of Pioglitazone: A Mitochondrial Function Modulator for Nonalcoholic Steatohepatitis (NASH) without the PPARγ Agonism and Related Side Effects(ピオグリタゾンの安定化R-立体異性体であるPXL065の安全性、忍容性および薬物動態:PPARγ受容体活性化および関連副作用のない、NASHにおけるミトコンドリア機能改善薬)」の内容は、当社ウェブサイトの“Posters”または以下のリンクから閲覧できます。 http://www.poxelpharma.com/en_us/product-pipeline/posters

NASHについて
 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、疾患の原因が明らかでない代謝性疾患であり、世界中で急速に増加しています。NASHは、肝臓に脂肪が蓄積し、これにより肝臓に炎症や線維症が生じるという特徴があります。NASHは、長期間、無症状であることがありますが、重度の肝障害や肝線維症に進展し、最終的には肝不全および/または肝癌の発症に至る可能性があります。
 NASHの典型的な危険因子は、肥満、血中脂質(コレステロールや中性脂肪など)濃度の上昇および糖尿病です。現在、NASHに対する治癒的治療法や特異的治療法はありません。

PXL770について
 PXL770は、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の革新的な直接的アクチベーターです。AMPKは、脂質代謝制御、グルコース恒常性維持および炎症抑制への複数の代謝経路の中心的な調整因子です。この中心的な調整因子の役割に基づき、AMPKを標的とすることによって、NASHなどの肝臓に影響を及ぼす疾患を含む慢性代謝性疾患を対象として、幅広い適応症の取得を目指す機会が与えられます1。

PXL065について
 PXL065(旧DRX-065)は、DeuteRx LLC社が開発した重水素安定化R-ピオグリタゾンです。ピオグリタゾンはNASHを対象として最も広範に研究されている薬剤であり、フェーズ4試験で「線維症悪化のないNASH消失」が認められました2。ピオグリタゾンは、米国肝臓学会(AASLD)および欧州肝臓学会(EASL)の診療ガイドラインにおいて、生検により確定診断されたNASHの患者さんに対する唯一の推奨薬です3。しかしながら、体重増加、骨折および体液貯留を含む、PPARγの活性化に伴う副作用の発現のため、NASHに対するピオグリタゾンの使用は限定されたものとなっています。
 ピオグリタゾンは、2つの鏡像体(立体異性体)が1:1の割合で混合された、生体内(in vivo)で相互変換する化合物です。DeuteRx社は、重水素を用いてそれぞれの立体異性体を安定化させ、それぞれの立体異性体について根本的に異なる薬理学的特性を明らかにしています。生体内(in vitro)試験では、PXL065はMPCを阻害することが示されています。前臨床モデルにおいて、PXL065は、ピオグリタゾンに関連して抗炎症活性およびNASHに対する有効性を示しており、S-立体異性体に関連した副作用である体重増加や体液貯留は、ほとんどあるいはまったく生じていません。これまでに得られた前臨床およびフェーズ1の結果に基づき、PXL065はNASHに対して、ピオグリタゾンと比較してより優れた治療プロファイルを示すことが期待されています。

Poxel SA について
Poxel SA(Poxel社)は、2型糖尿病および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む代謝性疾患を対象とした医薬品の研究開発に注力し、開発パイプラインの拡大を進めています。ミトコンドリア機能障害をターゲットとした革新的主力製品であるImegliminについては、米国、欧州、および日本でフェーズ2試験を完了しています。さらに現在日本において、当社は提携する大日本住友製薬と共同で、2型糖尿病の治療を対象としたフェーズ3のTIMES試験(Trials of IMeglimin for Efficacy and Safety)を実施中です。米国および欧州など、大日本住友製薬との提携地域である日本、アジア各国以外の国々では、当社と提携するRoivant Sciences社がImegliminの開発・販売を担当することになっています。当社の第二の主力製品であるPXL770は、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の革新的な直接的アクチベーターで、NASH治療を対象として現在フェーズ2aのPoC (Proof of Concept)プログラムに進んでいます。またPXL770は他の代謝性疾患の治療にも対応できる可能性があります。ミトコンドリアピルビン酸担体(MPC)であるPXL065(重水素安定化R-ピオグリタゾン)は、現在フェーズ1試験実施中であり、NASH治療に向け開発が進んでいます。 Poxelには、その他にも代謝性疾患、特殊疾患および希少疾患の重水素化薬剤候補を含む、初期段階にある開発プログラムも有しています。当社は今後も戦略提携やパイプラインの開発により、さらなる成長を目指します。詳細については、 www.poxelpharma.com をご覧下さい。

*アクトス(R)はピオグリタゾンの商品名であり、Takeda Chemical Industries, Ltdの登録商標です。
1. Source: Smith B. K et al., (2016) Am J Physiol Endocrinol Metab 311, E730-E740
2. Cusi, et al., Ann Intern Med. 2016, 165(5), 305-315)
3. J Hepatol. 2016, 64(6),1388-402; Hepatology 2018, 67, 328-357以上

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