東京会議を、アフガンの人権状況を改善する分岐点に
PR TIMES / 2012年7月6日 14時24分
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本国際人権NGOアムネスティ・インターナショナル(http://www.amnesty.or.jp/)はアフガニスタンへの支援資金が、アフガンの人びとに長期的に有意義な役割を果たすには、女性の人権擁護とそのための治安維持、長引く紛争で発生した何十万の国内避難民救済などが不可欠だと述べた。
7月8日に東京で開かれる第二回アフガニスタン復興支援会議には、70の国際機関や支援団体が一同に会する。同会議は、2014年以降のアフガニスタンへの金銭的支援を約束するものだ。
東京会合は、初回の開催から10年が経過した。
今回の会議は、正念場となる。金銭的支援は約束されている。問題はその資金が、アフガンの人権状況と人びとのくらしの改善につながる活動に使われるか、ということだ。各国政府は、今回はその点を確認しなければならない。
外国の軍隊が撤収するにあたり、50万人に上る国内避難民の要望を満たし、女性の人権が改善され、アフガン軍が民間人の死傷者の状況を調査し、補償することが求められている。
アフガン政府と支援国・団体は、東京会合を分岐点とするべきです。アフガンの人びととの約束を守り、この10年の間で不十分ながら苦心して勝ち取った人権上の成果などの上に積み重ねていくべきだ。
■持続的な発展に向けて
今回の会合では、治安任務が米国と国際治安支援部隊からアフガン政府に移譲され、NATO軍が撤退する2014年末以降の持続的な発展に焦点を置いている。
会合では、米軍と国際治安支援部隊の治安権限がアフガン軍に委譲され、NATO軍の撤収が完了する2014年末以降のアフガニスタンの持続的発展を目指している。
2014年末までに国際治安支援部隊に関わる国とNATO各国は、国際部隊の軍事行動に起因する民間人の死傷者や被害の申し立てを調査し、補償を含む実効策を行い、問題を未解決のままにしてはならない。
国内避難民の状況は、予断をゆるさない状況が続いている。
アムネスティは今年2月、紛争による不安定な状況は一層悪化し、アフガンの避難民数は50万人という記録的な数になったことを報告した。彼らは劣悪な都市スラムでくらし、本来の住居、食料、水、健康、教育への権利を奪われている。
国連難民高等弁務官事務所は、2013年末までには国内の避難民数は70万人にのぼると推測している。
急激に悪化した立ち退き問題は、人権維持には大きなリスクであり、本来なら比較的安定している郊外にも不安定な状況を生むみます。アフガン政府と支援関係各国は、長く看過されてきたこの問題に取り組まなければならない。
アフガニスタン政府は、国際社会から資金、開発、保安などの面での支援を求めている。世界銀行によると、2017年まで毎年40億ドルを上限とする支援を外国から受ける予定だ。
■国際社会による監視が不可欠
しかし、一方では、人権をめぐる状況はなかなか進展しない。
人権法、女性や少女の権利、教育や初期医療、活発なジャーナリスト界の形成などそれなりの改善がみられる一方、それらの進展は現在、危機的状況にある。
人権上の改善は、日に日に損なわれています。その背景には、不安定な治安と無視される法の原則、急増する麻薬取引、不十分な司法制度、お粗末なガバナンス、構造的な汚職、蔓延する貧困などがある。
東京会合の参加者は、信頼性の高い定量的基準に基づく人権状況の改善を監視が不可欠です。人権状況とは、表現と報道の自由、女性の政治参加、学校数、生徒の出席状況、女性が受信できる保健医療、妊婦や乳幼児の死亡率などが改善されているかということだ。
アムネスティは、女性の人権とジェンダーの平等を求める活動が、東京で十分な資金供給を受け、アフガニスタン政府と支援各国や団体から、アフガン女性が和解に向けた協議に名実共に参加し、その意見を反映することができるようにすることを求めている。
タリバンなど反政府グループとのその場しのぎの和平協定のために、女性と少女の権利を犠牲にすることは許されない。
【写真】アフガンのスラムに住む子どもたち。この冬、寒さのために数十人の子どもが命を落とした。
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