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未病は水素で予防および改善ができる

PR TIMES / 2021年7月7日 11時15分

MiZ株式会社は、カルフォルニア大学および慶應義塾大学・武藤佳恭名誉教授と共同で、「未病に対する新規な防御物質としての水素分子」と題した総説論文を投稿し、この度論文が掲載されました。

未病とは、体の中でゆっくりと病気が進行しているにもかかわらず、その症状が現れない健康状態のことです。未病の原因は、酸化ストレスや慢性炎症が考えられ、そしてこの慢性炎症は万病の原因と考えられています。著者らは過去の論文で、水素が細胞内のミトコンドリア(注1)で生成された活性酸素種(注2)であるヒドロキシルラジカルを消去し、慢性炎症への進展を抑制する可能性を報告しました。そこで、著者らは今回の総説で水素が慢性炎症を抑制するメカニズムに基づき、水素が様々の病気を未病段階で予防および改善する可能性を示しました。

本論文は、2021年7月4日(欧州時間)にスイスを拠点する出版社・MDPIが発行する国際科学誌「International Journal of Molecular Science」(インパクトファクター: 5.9)のオンライン版で発表されました。


論文の背景と水素による慢性炎症改善効果
多くの病気に慢性炎症が関与しているため、「慢性炎症は万病の根源」であると言われています。現代医療は、急性炎症疾患をコントロールすることはできても、慢性炎症疾患をコントロールすることはできません。炎症は、白血球の一種の細胞が産生する炎症性サイトカイン(注3)を放出することで誘発されます。軽度の炎症が長引くと、生体にダメージを与え、慢性炎症を誘発されます。著者らは過去の論文で、ミトコンドリア内で産生されたヒドロキシルラジカルが複雑な経路を経てNLRP3と呼ばれるインフラマソーム(注4)を活性化し、その刺激が炎症性サイトカイン産生の引き金となることを報告しました。そして著者らは、水素はミトコンドリアに選択的なヒドロキシルラジカル消去剤ですので、水素がNLRP3 インフラマソームの活性化につながるカスケード(注5)をブロックする可能性を示しました。水素はミトコンドリアの中に入り、ヒドロキシルラジカルを消去できる唯一の物質ですので、水素は慢性炎症疾患や慢性炎症に関連する多くの疾患を治すことができます。

未病の原因は慢性炎症である
未病とは、体の中でゆっくりと病気が進行しているにもかかわらず、その症状が現れない健康状態のことです。未病は健康と病気の中間に位置付けられますが、その境界はありません。前章でご説明した通り慢性炎症が万病の原因ですが、著者らは今回の論文で、特にがん、慢性腎臓病、2型糖尿病、肝炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、高血圧の成因にはNLRP3の活性化に基づく慢性炎症が関与しており、水素がこのNLRP3の活性化を抑制して未病の予防や改善効果を示すメカニズムの可能性を示しました。水素が未病を改善させる具体例として、水素が認知症(アルツハイマー病)の未病段階である軽度認知障害(MCI)を改善することが二つの臨床試験で報告されていますので、これらの論文からも水素の未病改善効果が支持されています。また、現代医学は一つの病気に対する一つの治療法が基本ですが、水素は「マシンガン療法」という特徴を持ち、全身のさまざまな細胞の慢性炎症を標的とすることができます。水素は現代医療とは全く別の概念を持つ、新しい未病の予防と改善を示す物質です。

論文
英文タイトル:Molecular Hydrogen as a Novel Protective Agent against Pre-Symptomatic Diseases
和訳:「前徴候的病気(未病)」に対する新規な防御物質としての水素分子
著者名:山本 暖1,2、市川 祐介2、平野 伸一3、佐藤 文平2,3、武藤 佳恭4,5、佐藤 文武3
所属:1、カルフォルニア大学・バークレー校、2、MiZ Inc、3 MiZ株式会社研究開発部、4、慶應義塾大学、5、武蔵野大学データサイエンス学部
掲載誌:International Journal of Molecular Science, 2021, 22, 7211.
URL: https://doi.org/10.3390/ijms22137211

[用語解説]
(注 1)ミトコンドリア:真核生物の細胞小器官である。二重の生体膜からなり、独自のDNAを持ち、分裂、増殖する。ミトコンドリアDNAはATP合成(エネルギー合成)以外の生命現象にも関与する他、酸素呼吸の場として知られている。
(注 2)活性酸素種:空気中の酸素が反応性の高い化合物に変化したものの総称で、一般的には(狭義には)スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素の4種とされている。
(注 3)炎症性サイトカイン:サイトカインとは、主に免疫細胞から分泌される蛋白質で、細胞間の情報伝達を担っている物質である。サイトカインの中でも炎症症状を引き起こすものを炎症性サイトカインと呼ぶ。
(注 4)インフラマソーム:複数のタンパク質からなる複合体で、細胞質内の異物(病原微生物成分や尿酸結晶など)を宿主細胞に対する危険シグナルとして認識し、細胞内のシグナル伝達を介して炎症性サイトカインの遊離を行い、炎症反応の誘導や進展に重要な役割を果たす。
(注 5)カスケード:元々の意味は数珠つなぎになったものですが、医学的には、いくつかの生化学的・生理学的反応を介して、1つのシグナルを段階的に増幅させる現象を指します。

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