抗悪性腫瘍剤「ジフォルタ(R)注射液20mg」再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)治療薬として製造販売承認を取得
PR TIMES / 2017年7月3日 17時5分
[画像: https://prtimes.jp/i/16572/16/resize/d16572-16-661549-0.jpg ]
ムンディファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:木村昭介、以下「ムンディファーマ」)は、本日、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を効能・効果とする「ジフォルタ(R)注射液20mg」(一般名:プララトレキサート、以下、「ジフォルタ(R)」)の国内における製造販売承認を取得しましたことをお知らせいたします。予後が悪く、新たな治療選択肢の必要性が高いこの疾患に対し、ジフォルタ(R)は高い奏効率と外来受診で治療が続けられる選択肢として、患者さんの治療に貢献します。
ムンディファーマは、国内でジフォルタ(R)の国内第I/II相臨床試験(PDX-JP1:以下、国内試験)を2013年より進めてきました。そして昨年、国内試験と海外第II相臨床試験(「PROPEL試験」(1):以下、海外試験)の両試験の成績に基づき製造販売承認申請を行い、本日、承認を取得しました。
国内試験(2)では奏効率45.0%(9/20例、前治療レジメン数の中央値が3)、海外試験(2)では29.4%(32/109例)を達成しました。奏効期間の中央値は国内試験ではデータカットオフ時点で未達、海外試験では10.1か月でした。また、全生存期間の中央値は国内試験ではデータカットオフ時点で未達、海外試験では14.5か月でした。
国内試験の安全性評価対象25例中、最も多く認められた副作用は口内炎(84.0%)でした。また、海外試験の安全性評価対象111例中、最も多く認められた副作用は同じく口内炎(66.7%)でした。
PTCLの好発年齢は65歳以上(3)であり、高齢の患者さんが多く、入院や長時間の持続点滴などが負担になることがあります。ジフォルタ(R)の1回の投与時間は3~5分(4)と従来の多剤併用化学療法と比較して投与時間が短く、外来受診で治療継続が可能であることからこのような負担を軽減することも期待されています。また、患者さんのQOLに影響を与えるような脱毛などは認められず、忍容性が高いことも治療継続を可能とする特徴の一つです。
当社代表取締役社長の木村昭介は、ジフォルタ(R)の製造販売承認について次のように述べています。「5月に世界に先駆けて発売したムンデシン(R)(フォロデシン塩酸塩)に続き、同じ適応症を持つ2剤目の新薬、ジフォルタ(R)が承認されました。標準治療が確立されていない、予後の悪いこの疾患に対し、日本の患者さんの治療選択肢を広げられることを喜ばしく思い、当社のこの領域へのコミットメントを示すことができたと感じております。」
がん領域は当社の重点領域であり、5月に再発又は難治性のPTCLに対する新薬「ムンデシン(R)」を発売することで同領域への本格参入を果たしました。今後も、がん領域の製品の充実化をはかることで、患者さんの治療選択肢の充足化に貢献していきます。
(1): PROPEL(Pralatrexate in Patients with Relapsed or Refractory Peripheral T-Cell Lymphoma)試験はアロス・セラピューティクス社が国際的に実施したプララトレキサートに対するオープンラベル多施設共同単群試験。
(2): 両試験ともに、再発または難治性のPTCL患者に対しビタミンB12及び葉酸補充下で、開始用量として30mg/m2/週を6週間連続静脈内投与し、7週目に休薬する1サイクル7週間の本剤投与を行いました。
(3): 国立がん研究センター:末梢性T細胞リンパ腫. 2015 http://ganjoho.jp/public/cancer/PTCL/index.html
(4): ジフォルタ(R)添付文書【用法・用量】
記
【ジフォルタ(R)の製品概要】
【製品名】
ジフォルタ(R)注射液20mg
【一般名】
プララトレキサート
【用法・用量】
通常、成人には、プララトレキサートとして1日1回30mg/m2を3~5分かけて、週1回、静脈内投与する。これを6週連続で行い、7週目は休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
【効能・効果】
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫
【製造販売承認日】
2017年7月3日
【製造販売元】
ムンディファーマ株式会社
【ジフォルタ(R)について】
ジフォルタ(R)は米国のアロス・セラピューティクス社(現スペクトラム・ファーマシューティカルズ社の子会社)により開発された、葉酸類似体であるプララトレキサート(Pralatrexate) を有効成分とする葉酸代謝拮抗剤です。ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を競合的に阻害することにより腫瘍細胞のDNA合成を阻害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられています。米国では再発又は難治性のPTCLに対する初の単剤治療薬として2009年9月に迅速承認され(i)、NCCNガイドラインでは二次治療として推奨されています(i)。米国以外では、スイス、オーストラリアなど世界17カ国(2017年6月時点)で承認されています。2011年にムンディファーマがアロス・セラピューティクス社からジフォルタ(R)の国内でのライセンスを取得しました。日本では2014年に希少疾病用医薬品指定を受けました。
製品に関する詳細はこちらをご覧ください: http://ptcl.jp/
【適正使用の推進について】
ムンディファーマはジフォルタ(R)の承認条件に従い、医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施します。
【PTCLとは】
PTCLは成熟したT細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞を起源とする非ホジキンリンパ腫です。日本の年間発症例は約2000例(ii)と推計されており、中悪性度リンパ腫の10-15%を占める(iii)とされています。1990年初頭に数種類の抗がん剤を組み合わせたCHOP療法が中悪性度の非ホジキンリンパ腫の標準一次治療となって以来、PTCLに対する治療選択肢にはほとんど進歩がありませんでした(iv)。さらに、PTCLの二次治療以降の標準治療は確立しておらず(v)、予後の悪い疾患であることが知られています。
【ムンディファーマ株式会社について】
ムンディファーマ株式会社は、世界120カ国以上で展開するMundipharmaの独立関連法人として1991年に設立されました。現在では、「がん」、「疼痛」、「コンシューマーヘルスケア」の3つの領域で日本の患者さんのQOLの向上に貢献しています。
詳細はこちらをご覧ください:http://mundipharma.co.jp/
(i): NCCN Guidelines Version 2.2017 T-Cell Lymphomas
(ii): 国立がん研究センター:がん統計予測.2016 http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html、日本血液学会:血液患者登録集計.2014
(iii): 国立がん研究センター:末梢性T細胞リンパ腫. 2015 http://ganjoho.jp/public/cancer/PTCL/index.html
(iv): 磯部泰司、塚田信弘、佐々木純:リンパ系腫瘍診療ハンドブック.中外医学社、2015
(v): 日本血液学会:造血器腫瘍ガイドライン.金原出版、2013
(R):ジフォルタ、ムンデシンはムンディファーマの登録商標です。
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